中長期的に持続可能な社会づくり

新たな地域医療構想について、高齢者人口の増大や現役世代の減少等に対応できるよう、地域医療構想の対象範囲を地域の医療提供体制全体に拡大するなど、法制上の措置を含めて検討を行い、2024年末までに結論を得ます。また、医師の地域・診療科間等での偏在を是正するため、医師確保計画を深化するとともに、総合的な対策のパッケージを2024年末までに策定します。
人口減少による介護従事者不足が見込まれる中で、処遇の改善や業務負担軽減・職場環境改善が適切に図られるよう取り組みつつ、必要な介護サービスを確保するため、中長期的な介護サービス提供体制を確保するビジョンの在り方について検討します。

医療保険制度については、給付と負担のバランスや現役世代の負担上昇の抑制を図りつつ、関連法案の提出も含め、総合的な検討を進めます。
国民健康保険制度については、都道府県内の保険料水準の統一を徹底するとともに、保険者機能の強化等の取組を進めます。
介護保険制度については、利用者負担が２割となる「一定以上所得」の判断基準の見直し等について、第10期介護保険事業計画期間の開始の前までに検討を行い、結論を得ます。
また介護保険外サービスの利用促進のため、自治体における柔軟な運用、適切なサービス選択や信頼性向上に向けた環境整備を図ります。

創薬力の向上により国民に最新の医薬品を迅速に届けるため、国際競争力ある臨床試験体制の整備、治験薬・バイオ医薬品の製造体制の整備や人材の育成や確保など有望なシーズを速やかに実用化する国際水準の研究開発環境の実現に取り組みます。

働き方に中立的な年金制度の構築等を目指して、令和６年財政検証の結果を踏まえ、2024年末までに制度改正についての道筋を付けます。勤労者皆保険の実現のため、短時間労働者への被用者保険の適用拡大の徹底、常時５人以上を使用する個人事業所の非適用業種の解消等について結論を得ます。

「こども未来戦略」の加速化プランに盛り込まれた施策として、児童手当の抜本的な拡充や出産等の経済的な負担の軽減、高等教育費の負担軽減、住宅支援の強化など経済的支援の強化、「こども誰でも通園制度」の創設など全てのこども・子育て世帯を対象とする支援の拡充、育休給付率の手取り10割相当の実現など共働き・共育ての推進を着実に実施します。
これらの施策の実施に要する費用については、既定予算の最大限の活用等、歳出改革等による公費節減及び全世代・全経済主体でこども・子育て世帯を支える「子ども・子育て支援金制度」の構築により、総額3.6兆円程度の安定財源を確保します。

昨年12月、我が国初の「こども大綱」を閣議決定いたしました。こども大綱では、こども・若者は権利の主体であり、今とこれからの最善の利益を図ること、こども・若者や子育て当事者とともに進めていくことなど、こども政策を進めていくための基本的な方針をお示ししました。さらに、こども大綱に基づき進めていく具体的な施策を、今年５月に「こどもまんなか実行計画2024」としてこども政策推進会議で決定しました。PDCAの観点も踏まえ、毎年、適切な見直しを行いながら、こども政策を進めます。

女性版骨太の方針2024に基づき、プライム市場上場企業の女性役員に係る数値目標の達成に向けた女性の採用・育成・登用の強化、女性起業家支援、女性の所得向上やリ・スキリングの推進、投資家の評価の活用等による仕事と育児・介護・健康課題等との両立支援、アンコンシャスバイアスの解消等を含む女性活躍推進に向けた意識啓発、公務部門における更なる女性活躍の推進を図るとともに、新たな中核的組織整備の検討と具体化等により地域における男女共同参画社会の形成を促進します。

全てのこどもたちの個別最適・協働的な学びを実現するため、教師を取り巻く環境整備、ＧＩＧＡスクール構想の推進、誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策をはじめとする総合的な取組を通じ、令和型の質の高い公教育の再生を強力に推進します。
質の高い教師の確保・育成に向け、2026年度までの集中改革期間を通じてスピード感を持って、働き方改革の更なる加速化、処遇改善、指導・運営体制の充実、育成支援を一体的に進めます。

官民共同の仕組み等による大型研究施設の戦略的な整備・活用・高度化の推進や研究ＤＸによる生産性向上、若手研究者の処遇向上や、女性研究者、研究開発マネジメント人材の活躍促進、産学官連携によるキャンパスの共創拠点化等を図ります。