平成30年沖縄全戦没者追悼式
平成30年6月23日、安倍総理は、沖縄県で行われた平成30年沖縄全戦没者追悼式に出席しました。
総理は、まず、国立沖縄戦没者墓苑で献花を行った後、平和祈念公園で行われた追悼式の中で、正午の時報に合わせて全戦没者に1分間の黙とうをささげました。その後、献花を行い、挨拶を述べました。最後に、島守の塔に献花を行いました。
献花後、米軍普天間基地の辺野古への移転についての記者からの質問に対し、総理は次のように述べました。
「学校や住宅に囲まれた、そして世界で最も危険と言われている普天間基地の全面返還は待ったなしの課題です。普天間基地の固定化は絶対に避けなければならない。これが大前提であり、共通の認識であると思います。
普天間から移るのは3つの基地機能のうち残りは1つに限られるわけであります。空中給油機については、既に15機全ての空中給油機の山口県岩国基地への移駐が実現しています。そしてまた、緊急時の受入れ機能については、九州の自衛隊基地へ移すことを決定しています。残るオスプレイについては、千葉県において整備を行っています。また、辺野古に移ることによって飛行経路が海上に移り、学校はもとより住宅の上空は飛行経路とはならず、安全上においては大幅に向上することになります。そしてまた、騒音も大幅に軽減することになり、現在の住宅防音については1万数千世帯からゼロになるわけでございます。
今後、普天間基地の一日も早い全面返還を実現するために、最高裁の判決に従って、そして関係法令に則って移設を進めていく考えであります。安全上の観点からも、負担の軽減に資するものであると考えております。今後、県や地元の皆様の御協力や御理解を頂くために努力を重ねていく考えであります。」
また、沖縄の基地負担の軽減についての記者からの質問に対し、総理は次のように述べました。
「戦後73年経った今も、沖縄県の皆様には大きな基地負担を負っていただいており、この状況は是認できるものではありません。重く受け止めています。米軍の運用に当たっては、住民の皆様の安全確保が大前提であり、事件や事故はあってはならないことであります。私もトランプ大統領に直接、米軍機の運用の厳正な安全確保について強く要請したところであります。子供たちや住民の皆様の安全確保を大前提に、最優先に取り組んでいく考えであります。
また、一昨日の名護市の事案については、人命にも関わりかねない重大な問題と考えております。そして現在、警察において厳正な捜査が行われております。また米軍に対しては、事実の確認と、そして当面、射場を使用しないということを申し入れております。昨日、私からハガティ米国大使に対しても協力を要請したところでありますが、この結果、射場において当面使用しないということになっております。
沖縄の基地負担の軽減については、一つ一つ結果を出していかなければならないと考えています。これまでも、20年来の課題であった北部訓練場が返還されました。これは復帰以来最大の返還となっています。また、西普天間住宅地区の跡地利用については、今年度からいよいよ始まることになります。そしてまた、約9000名の海兵隊の海外への移転については、本格的に進展し始めております。今後とも沖縄の皆様の心に寄り添いながら負担軽減を進めていく考えであります。」