賃金・雇用に関する視察in北海道札幌市
令和5年12月19日(火)、20日(水)に、矢田総理補佐官は北海道札幌市において、ハローワークや企業を視察し、若者の雇用等に関する意見交換を行いました。
1 札幌新卒応援ハローワーク及び札幌わかものハロワーク等の視察
就職活動中の学生等を支援する「札幌新卒応援ハローワーク」及び正規雇用を目指す若者を支援する「札幌わかものハローワーク」などを視察しました。
北海道については、産業構造は全国に比べ、製造業の比率が低い一方、農林漁業、建設業の比率が高くなっています。また、直近の有効求人倍率(R5.12)は1.02倍であり、沿岸部など地方部の求人倍率が高い傾向にあるとのことです。
ハローワークでは、中学・高校との連携による就職支援や、大学等における定期的な出張相談を行っているほか、チャットによる相談や臨床心理士による相談等も受け付けています。また、マザーズハローワークには、保育士が配置されているほか、おむつ替えスペース等もあり、子連れでも相談しやすい工夫が行われています。
就職後の定着に向けた支援も行っており、きめ細かな就職支援が行われています。
2 ホクレン商事の視察
道内で52店舗のスーパーマーケットの経営等を行うホクレン商事で、若者の雇用等の取り組みについて、話を伺い意見交換をしました。
ホクレンでは、高卒採用等を積極的に行っており、毎年、新規高卒者等を採用しているほか、非正規雇用から正規雇用への転換も進めているとのことです。
人材確保を進める中で、高齢者や障害者の活躍が進められるとともに、人材育成の取り組みも進められています。
3 藤女子大学の視察
藤女子大学(文学部と人間生活学部等を設置)では、就職活動の状況について、話を伺い意見交換しました。
令和5年3月の就職率は、95%を超えており、3年次秋には学生全員との個別面談を行うなどきめ細かな支援が行われています。また、1、2年次には「女性とキャリア」を開講し、各業界で働く卒業生などの話を聞く機会を設けるなど、働くことをより現場に近い形で意識することができるよう、支援が行われています。
また、新卒応援ハローワークとも連携しており、ハローワークから、授業への講師の派遣や、出張相談などが行われています。
4 ナスカコンピューターの視察
ナスカコンピューターを視察し、新卒者雇用や賃上げに関する状況等についてお話を伺い、意見交換をしました。
働きやすい職場づくりを進め、若者の採用・育成に積極的で若者の雇用管理等が優良である企業として「ユースエール」認定や、仕事と家庭の両立にも取り組む企業として「くるみん」の認定を受けており、直近で3年以内に採用した方の定着率も8割と高くなっています。
また、ユースエール認定制度に関するご意見や賃上げに関しても、率直なご意見をいただきました。
5 さっぽろ若者サポートステーション視察
就労に当たって困難を抱える若者等に対し、職業的自立に向けた就労支援を実施することを目的とする地域若者サポートステーション(全国で177か所設置。北海道には9か所)を視察しました。
さっぽろ若者サポートステーションでは、自治体の事業とも連携し、地域の教育機関や保健福祉機関などをはじめ幅広い機関と連携し、一人ひとりに応じた支援を行っています。
ステップを3つに分け、居場所や集団に慣れていく段階、就労に向けた準備を目指していく段階、仕事体験など個別の目標に向けて活動していく段階ときめ細かな支援が行われているとのことです。サポステを利用し就職された方も講師として職業講話に参加するなど、様々な工夫が行われています。