第66回国連女性の地位委員会(CSW66)サイドイベントにおける開会挨拶
令和4年3月16日(水)に森まさこ総理大臣補佐官(女性活躍担当)は、第66回国連女性の地位委員会(CSW66)の機会に国連日本政府代表部と国内女性NGO3団体の共催で行われたサイドイベント「エシカルな意識と行動が世界を変える~環境問題へのあらゆる人の参加に向けて~」(オンライン)にて開会挨拶を行いました(ビデオ・メッセージ)。
冒頭、森まさこ総理補佐官は、日本のエシカル消費、食品ロスにおける取組や、女性の視点を取り入れた消費に関する施策の意義について言及しました。
また、昨今のウクライナ情勢について、女性や子供の人権が危機に瀕している状況は見過ごしてはならない問題である旨述べました。
(ビデオ・メッセージ全文)
内閣総理大臣補佐官女性活躍担当の森まさこです。本日は、開会挨拶の機会をいただき、ありがとうございます。
本日のステートメントにあたっては、まずウクライナ情勢について言及せざるを得ません。ロシア軍による砲撃や空爆によって多くの女性や子供が亡くなっています。また、国境で家族が離ればなれになる。不必要な武力行使が重大な人権侵害、人道上の危機を作り出している。こうした状況を我々は決して見過ごすことはできないのです。ロシアの侵略を受けて、女性や子供の人権が危機に瀕しているということに対して我々はしっかり声を上げていかねばなりません。
さて、本日のテーマである「エシカル消費」は、本年のCSWのテーマである気候変動を含む地球環境問題と密接に関係しています。
例えば、アパレルファッション産業は、大量生産・大量消費型のビジネスモデルのため、環境負荷が大きい産業と言われています。また、世界に多くの栄養失調の人々がいる中、食料の多くを輸入に依存している日本で「食品ロス」が生じていることは大きな問題です。
こうした地球環境問題に対処する際、女性の視点も取り入れることが重要と考えます。
現在、日本ではエシカル消費特設サイトを設立し、エシカル消費の普及・啓発を強化しています。
食品ロスについては、「食品ロス削減の推進に関する法律」が2019年に成立しました。これに基づき、食品ロス量を2030年までに2000年度比で半減となる489万トンまで低減することを目標とする「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」が2020年3月に閣議決定されました。これらの取組みを通じて、持続可能な開発目標(SDGs)の目標12「持続可能な生産と消費」の達成を目指しています。
気候変動や生物多様性の損失などの地球環境問題は、地球と人類に対する脅威となっています。しかし、各個人が環境負荷の低い製品を購入するなど、環境問題の解決に繋がる消費行動が広まれば、社会を変え、持続可能な未来のために貢献することができます。
私は、2012年から2014年まで消費者及び食品安全担当大臣に就任していた時期に、女性の視点から消費者行政の推進に取り組みました。今後も女性活躍担当総理大臣補佐官として、女性の視点を取り入れた消費についての取組を進めながら、皆様とともにジェンダー平等及び女性のエンパワーメントを推し進めてまいります。
最後に、本日のイベントを国連日本政府代表部と共催いただいている、国連NGO国内女性委員会、国際婦人年連絡会、日本女性監視機構(JAWW)の皆様のご尽力に御礼を申し上げます。
本日のシンポジウムが大きな成果を生むことを祈念します。