信用金庫法制定70周年記念全国大会

令和3年6月24日
挨拶する菅総理 挨拶する菅総理
挨拶する菅総理

 令和3年6月24日、菅総理は、信用金庫法制定70周年記念全国大会に出席しました。

 総理は、挨拶で次のように述べました。

「本日は、信用金庫全国大会にお招きいただきまして、誠にありがとうございます。信用金庫法の公布、施行から70年という一つの節目を迎えられました。信用金庫が、今日まで着実に発展を遂げられたのは、ひとえに、地域の企業や住民の方々に寄り添い、支えてこられた皆様の御努力の結晶であると思っております。
 新型コロナの感染が発生してから1年以上が経ちました。正に新型コロナ対策を最優先に、国民の命と暮らしを守る、そのために、あらゆる対策を講じてまいりました。年明けの2度の緊急事態宣言においては、専門家が感染症対策の急所と指摘する飲食を中心に、ポイントを絞った対策を行うことで感染者数を減少させることができました。
 今後、感染対策の決め手となるものがワクチンであります。私自ら、目標を設定し、重症化リスクの高い高齢者について、7月一杯で全国の全ての市区町村において接種を完了するという報告をそれぞれの自治体から受けております。直近1週間では800万回を超えて接種回数が増えており、1日当たり100万回以上に増えております。1回接種した方は、高齢者の約半数、全人口の2割に達しております。職場や大学での接種も始まっており、現時点において3,700会場、1,500万人の方々の申請をいただいております。皆様の業務も対面での機会が多いと思いますが、若い方も含めて、一日も早く、皆さんにワクチンをお届けすることができるように政府を挙げて取り組んでまいります。
 こうした中で、各地域の企業に事業を継続していただき、雇用を守るために、大規模な資金繰り支援を行ってまいりました。公庫などの政府系金融機関だけでなく、民間の金融機関においても、無利子・無担保融資を積極的に行っていただき、とりわけ、信用金庫においては、民間金融機関全体の約半数に上る貸出を行っていただいております。今年に入って、昨年来の債務が、返済期限を迎える場合が多く、金融庁から各金融機関には、返済猶予や新規融資を柔軟に行っていただくように要請いたしております。さらに、事業者の財務基盤を増強するために、公庫などにおける資本性の劣後ローンを使いやすくしております。事業者の方々が前を向いてしっかりと歩んでいけるように、信用金庫の皆様には手厚い御支援をお願い申し上げます。
 引き続き、事業、雇用、暮らしを守るために、政府として、きめ細かく対策を行ってまいります。まずは、感染対策とワクチン接種の2正面作戦により、新型コロナを一日も早く収束させることが、経済や国民生活について、最大の対策だと認識いたしております。その上で、今後も、我が国経済が力強い成長を実現するように、グリーン、デジタル、活力ある地方、少子化対策、この4つの課題に重点的に取り組んでまいります。
 とりわけ、地方の所得の向上によって、日本経済を底上げしていく、極めて重要だと考えております。地方においても、例えば、農産品の輸出促進、観光、洋上風力などの再生可能エネルギーなどを成長産業にして、人口減少の中でも、海外の成長力も取り込んで、経済を活性化していく必要があると考えています。そのためには、地域の核である信用金庫も経営基盤を強化していただき、より一層、地域に貢献できる存在になっていただきたいと考えております。正に、これからの地域の発展は、地域に根差し、事業者の方々を支える信用金庫の皆様に懸かっていると思います。どうか、引き続き、皆さんのお力添えを賜りますことをお願いして、私の挨拶とさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。」

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