福島県訪問
令和2年9月26日、菅総理は、福島県を訪問しました。
総理は、東京電力福島第一原子力発電所の視察を行った後、双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館を視察しました。その後、広野町の福島県立ふたば未来学園中学校・高等学校を視察し、生徒たちとの懇談を行いました。
視察後、総理は次のように述べました。
「まず、総理に就任して初めての訪問先、福島を選びました。そうして、第一原発を中心に視察してきました。第一原発については、廃炉作業が安全で着実に進展している。そのことを確認してきました。そしてまた、ALPS(多核種除去設備)処理水についても、タンク等を視察してまいりました。今後できるだけ早く、政府として、責任をもって処分方針というものを決めたい、このように思っています。また、今後も復興と廃炉の両立、このために国が前面に出て、しっかり取り組んでいきたい、このように思います。
また、伝承館では、福島の経験、今日までのあの大震災があってから、当時のこと、そして今日までの歩み、そして未来に向けて広がる。そうしたことをあの伝承館の中には、十分に多くの皆さんを感動させる。また、多くの皆さんに学習させる。そういうものがあったというふうに思っています。これから福島そのものを大いに発信してくれる。そういうふうに感じました。
そして今、このふたば未来学園では、3人の、中学生・高校生2人から直接お話しを伺いまして、正に地元と共に、この復興を、そして自分たちのことも将来に向けて進んでいこうという、非常に未来の明るい懇談だったというふうに思います。きっと、福島の復興、再生を担う人材や、また世界のリーダーになるような、そうした人がうまれるんではないかなという予感を持ちました。期待しています。
私自身、『福島の復興なくして、東北の復興なし。東北の復興なくして、日本の再生なし。』これは私の内閣としての基本方針です。組閣の日に、全閣僚に指示書を渡しました。その中にこのことをしっかり書き込んでおります。
これからも、この福島、東日本大震災の復興、そうしたものは責任をもって政府として取り組んでいきたい、このように思います。」
また、10年目以降の復興創生期間の取り組み等について、次のように述べました。
「まず、今申し上げましたように、復興は着実に進んでいる。そういう印象をもちました。そしてこれからは、正にこの心のケア、こうした被災者支援や産業、生業(なりわい)の再生、こうしたことが大事だというふうに思ってます。こうしたことに、正に政府あげて取り組んでいきたい、こう思います。また将来的に帰還困難区域、時間がかかろうとも、ここは最終的には全て解除して、皆さんがそこに住むことのできる。そうしたことを時間かけてもやり遂げたい、このように思っています。
まず、特定復興再生拠点区域の整備を、着実に進めて、そこに住民の皆さんに住んでいただいて、さらにその外に向けても時間をかけてもやり遂げたい。これが、私の政府の方針であります。
また、大震災及びこの原発事故の教訓や記憶、こうしたものを風化させてはならない。そういう思いの中で、今日視察しました伝承館、あるいはそれぞれ東北3県にあります、この国営の追悼祈念館、こうしたことあるいはウェブサイトを通じての発信など、こうしたものをしっかり行って風化させない。そして、復興再生に向けて取り組んでいきたい。」
さらに、処理水について、次のように述べました。
「政府の責任の下に、そこは丁寧に説明する中で、決断、方針を決めていきたい、こういうふうに思います。」