政府与党連絡会議
令和2年8月3日、安倍総理は、総理大臣官邸で政府与党連絡会議に出席しました。
総理は、冒頭の挨拶で次のように述べました。
「新型コロナウイルス感染症については、全国的にも感染者数が再び増加しています。他方で、現在入院されている重症者の数は、この数日、全国で80人台、東京では20人台程度の水準で一進一退の状況です。まずは、都道府県と連携して検査体制を強化し、陽性者の早期発見、早期治療を進めます。特に、病院や高齢者施設での検査を徹底し、重症化する可能性の高い高齢者や基礎疾患のある方々への感染拡大の防止に万全を期してまいります。さらに、国として治療薬やワクチンの開発と確保にも努め、感染拡大をできるだけ抑えながら、社会経済活動との両立をしっかりと図っていきたいと考えています。
先月の豪雨災害は、九州・中部・東北地方を始め、広範な地域に甚大な被害をもたらし、今なお、多くの方々が困難な避難生活を強いられています。現在、被災自治体と一体となった懸命の復旧作業により、球磨(くま)村で仮設住宅への入居が始まるなど、生活インフラの復旧が急ピッチで進んでいます。先週には、被災者の生活と生業(なりわい)の再建に向けた対策パッケージを取りまとめ、そのための第一弾として、総額約1,000億円の予備費の使用を決定しました。引き続き、被災者の皆様が前を向いて再建に取り組めるよう、一日も早い被災地の復旧・復興に全力を尽くしてまいります。
今月6日と9日は、広島と長崎の平和祈念式典にそれぞれ参列いたします。75年の節目の年に当たり、原子爆弾の犠牲となられた方々の御霊(みたま)に対し、哀悼の誠を捧(ささ)げてまいります。核兵器によってもたらされた広島と長崎の悲劇を決して繰り返してはなりません。唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界を実現するため、非核三原則を堅持し、粘り強く核兵器国と非核兵器国双方の橋渡しに努め、国際社会の取組を主導していく決意です。同時に、今後とも被爆者の方々への総合的な援護施策を着実に推進してまいります。
先日、与党の皆様にも精力的に御議論いただき、新たな骨太の方針、未来投資戦略を取りまとめました。併せて、来年度予算の概算要求につきましては、要求期限を1か月遅らせて9月末とするとともに、その仕組みや手続をできる限り簡素化することといたしました。世界が新型コロナウイルス感染症の流行という歴史的な危機に直面する中で、我が国として、思い切った社会変革を果敢に実行することにより、自ら未来を切り拓(ひら)いていく。与党の皆様とも力を合わせて新たな日常を早期に実現し、日本経済をしっかりと回復軌道に戻していくため、全力を尽くしてまいります。何とぞ格段の御協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
」