拉致被害者御家族等との面会
令和6年10月17日、石破総理は、総理大臣官邸で拉致被害者御家族等と面会しました。
総理は、挨拶で次のように述べました。
「総理大臣の石破であります。本日は皆様方におかれましては、御多忙の中、御足労いただきまして、厚く御礼を申し上げます。
有本明弘さん、横田早紀江さんにおかれましては、お久しぶりでありますが、直接お元気な姿を拝見できましてうれしく思っております。
また、横田拓也さん、哲也さん、飯塚耕一郎さん始め、御家族の皆様方には、この拉致問題の解決のためにいろいろな力を尽くしていただいておりますことを、改めて厚く御礼申し上げる次第であります。
これは常に申し上げていることですが、この拉致事件というのは誘拐事件ではなく、国家主権の侵害であるということだと思っております。国家主権の要素であります同胞が他国によって拉致をされるという行為は、これは国家主権の侵害以外の何物でもないということを私は強く認識をしておるわけであります。
人の命そのものがかかっておるというのは、それは早紀江さんのおっしゃるとおりであります。小泉総理が訪朝なさいました。私当時、初代の拉致議連の会長でございました。この官邸の場所で福田官房長官から生存の情報というのが告げられたわけでありますが、めぐみさんのお話があったときに、早紀江さんが『めぐみは生きてる』というふうに強くおっしゃった場面というのは、私は片時たりとも忘れたことはございません。
そのことをよく覚えております。滋さんもお亡くなりになりましたが、あのときの早紀江さんの叫びというのが、私の拉致問題に対する思いの一番強い原点ということだと思っております。22年がたちました。横田めぐみさん、田口八重子さん、有本恵子さん始め、まだ御帰国は実現いたしておりません。
22年もたっておるわけであります。もう時間が残っていないということに対する皆様方の思いは、私自身も共有するところであります。もう1年、2年、時間との勝負でありますので、何としてもこれを解決せよという皆様方の思いを、私ども政府として共有させていただき、今後最善を尽くしてまいります。
今年、今月の4日、所信表明を行いました。そこにおきまして、全ての拉致被害者の1日も早い御帰国を実現するため、私自身の強い決意の下で総力を挙げて拉致問題に取り組むというふうに申し上げたところであります。これは拓也さんが常日頃おっしゃっておられることでありますが、首脳同士が大局観を持ってお互いの考えを率直に述べ合うということは極めて重要なことであります。
もう長い年月がたちましたので、私も政府の中に入っておりますので、これまでの経緯等、もう一度検証し分析し、何が最も有効であるかという手立てを講じてまいりたいというふうに考えておるところでございます。拉致問題というのは、私の政治活動の原点の一つでございますので、皆様方と思いを共有しながら、今後政府として取り組んでまいります。
本日は是非よろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。」