沖縄県訪問等についての会見
(基地負担の軽減について及び経済基盤の脆弱(ぜいじゃく)さについて)
まず、先ほども式典の中で申し上げたように、今なお、沖縄県の皆様方には大きな基地負担を背負っていただいているということ、政府としても引き続き、このことはしっかりと重く受け止めて努力を続けていかなければならないと思っています。今日、ロウワ―・プラザ地区の視察を行わせていただきましたが、こうした地区を始めとして、今後、沖縄統合計画に基づいて跡地利用の潜在力の可能性の高い県中南部の土地の返還を一つ一つ結果を積み上げていく、こうした努力を続けていきたいと考えています。また、政府においては、今日まで社会資本整備や産業振興など様々な取組を進めてきましたが、おっしゃるように、今なお大きな課題が残されています。御指摘があった県民一人当たりの所得もそうですし、それ以外にも子供の貧困ですとか、さらには生産性の向上を図らなければいけないとか、様々な課題があります。こうした課題について、是非、沖縄における様々な可能性、例えば、今なお成長が続くアジアの玄関口としての地理的特性ですとか、日本一出生率が高いといった潜在力あるいは優位性、こういったものをいかしながら、こうした課題に取り組み、さらには、政府としても改正沖縄振興特措法等の枠組みに基づいて、引き続き、こうした様々な制度を最大限駆使しながら強い沖縄経済を実現していかなければならない、こうした取組の重要性を改めて感じているところです。沖縄振興と、そして基地負担の軽減、この2つの大きな課題に引き続き政府としても努力していかなければならない、こうしたことを改めて今日強く感じています。
(日米地位協定について及び辺野古移設工事について)
まず、日米地位協定ですが、今日まで、指摘された問題、課題に応じて一つ一つ適切な対応はなんなのか、これを考えてきたというのが政府の基本的な考え方です。私も外務大臣時代、補足協定の作成に2回関わりました。こうしたこの日米地位協定、大変膨大な法体系ですので、具体的な課題に迅速に対応するために、さらには的確に対応するために具体的に何をするべきなのか、こうしたことを今後も、絶えず検討していかなければならないと思っています。政府としては日米地位協定について、そうした方針で今後も在り方について、考えていきたいと思っています。そして、辺野古移設の方の質問ですが、これは従来から申し上げておりますように、日米同盟の抑止力と一方で普天間飛行場の危険除去、この2つを考え合わせた時に唯一の解決策であるということで、県民の皆さん方に御説明し、御理解をお願いしているということであります。今日も普天間飛行場を視察させていただきました。総理大臣としては初めての視察でありましたが、久々にこの現地を見させていただき、様々な関係者の皆さんの努力が続いているということは見させていただきましたが、危険な状況は全く変わっていない。こうした危険な状況を1日も早く除かなければならない、1日も早い全面返還に向けて努力しなければいけない、こうしたことを強く感じました。是非、先ほど申し上げました基本的な考え方を、今後とも丁寧に説明をしながら、現実的に物事を動かしていくためにはどうあるべきなのか、県民の皆さんの意見も、もちろん丁寧に聞きながら政府として努力を続けていきたい、このように思っています。
(沖縄県知事選挙について)
知事選、選挙というのは県民の皆さんの考え、御判断を聞かせていただく大変貴重な機会だと思っています。選挙においては、県民の皆さんの判断を厳粛なものとしてしっかり受け止めなければならないわけですが、先程来出ておりますように、沖縄をめぐっては様々な課題がまだあり、政府としては取り組まなければいけないこと、これ、まだたくさんあるということ、そして、それについて重く受け止め政府として努力を続けるということ、こういった基本的な姿勢は丁寧に示しながら、そしてそれも含めて県民の皆さんにどのように御判断いただくのか、これをこの選挙を通じてお示しいただく、こうした場だと思っています。おっしゃるようにそれぞれ色々な立場がありますので、色々な立場がぶつかることもあるかもしれませんが、何よりも県民の皆さんに政府の考え方なり、それぞれの立場を丁寧に説明し、そして県民の皆さんに御判断いただく材料を丁寧に示していく、そして結果として貴重な御判断をいただく、こうした場とするように政府としても丁寧に政府の考え方を示していきたい、このように思っています。