令和6年能登半島地震復旧・復興支援本部(第10回)
令和6年9月10日、岸田総理は、総理大臣官邸で第10回令和6年能登半島地震復旧・復興支援本部を開催しました。
会議では、復旧・復興に向けた取組状況と今後の見通しについて議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「9月に入り、奥能登地域においても白米千枚田(しろよねせんまいだ)を始め、各地で米の収穫が始まるとともに、夏休み中に完成した仮設校舎で授業が開始されるなど、被災者の生活や生業(なりわい)の再建が本格化してきています。この動きをしっかりと後押しし、創造的復興に向けた取組を加速してまいります。
このため、本日予備費第6弾として総額1,088億円を措置するべく、閣議決定を行いました。この予備費も活用して、次の3点について重点的に取り組んでください。
第一に住宅に被害を被った被災者世帯への支援について、今後、住宅再建のニーズの高まりを受けた申請の増加も見込まれる中、3月に創設した新たな交付金制度の円滑な給付に取り組んでください。
第二に農林漁業者に対する支援です。水田の約8割で営農再開、製材工場等の約7割で営業再開、漁獲金額も約7割に回復したところであり、被災前と同水準の生業の早期再開を目指し、被災地に寄り添ったきめ細かな支援を実行してください。
第三に公共土木施設・公共施設の復旧等について、9月25日に中屋トンネル工区の通行を確保するとの報告がありましたが、国道249号沿岸部全体の年内通行確保に向け、着実に整備を進めてください。輪島市内の河道閉塞箇所の土砂災害対策において、来年春までに避難指示範囲内の市道が通行できるよう、工法の工夫などスピード感を持って取り組んでください。港湾・漁港・鉄道等のインフラについても見通しを示しつつ、本格復旧を早期に進めてください。さらに、水道施設について漏水の可能性が指摘されていることから、本復旧を早期に行えるよう、漏水の状況を衛星技術やデジタル技術を活用して、効果的に把握する対策を講じてください。
その上で、今後被災した市町が復興まちづくりを進めていくためには、市町の復興計画が策定されることが重要です。年内の復興計画の策定に向けて、10月中に著しい液状化被害が集中した地域の液状化対策方針案をお示しし、市町の計画づくりを支援してください。
復旧・復興に一定の進捗が見られてきたところですが、更なる加速化を図り、震災前の活気ある能登を取り戻していくことが重要です。本年中に、各市町の10か所の仮設商店街、輪島塗の仮設工房5か所を全て完成させるなど、被災者の声に寄り添い、政府一丸となって被災地の復興・復旧に全力で取り組んでまいります。」