「クリーンエネルギー戦略」に関する有識者懇談会

更新日:令和4年1月18日 総理の一日

 令和4年1月18日、岸田総理は、総理大臣官邸で「クリーンエネルギー戦略」に関する有識者懇談会を開催しました。

 懇談会では、クリーンエネルギー戦略の検討について議論が行われました。

 総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。

「本日は、炭素中立型の経済社会実現への具体的な道筋を示すクリーンエネルギー戦略の策定に向けて、各界で御活躍の有識者の皆様から貴重な御意見を伺いました。
 過度の効率性重視による市場の失敗、持続可能性の欠如、富める国と富まざる国の環境格差など、資本主義の負の側面が凝縮しているのが気候変動問題であり、新しい資本主義の実現によって克服すべき最大の課題でもあります。
 日本は、2030年度46パーセント削減、そして、2050年カーボンニュートラルの目標にコミットしています。目標達成の道のりは、極めてチャレンジングです。国際的な電力グリッドを持たず、原発事故による原発不信が強く残り、再生可能エネルギーも、山多く、海深い島国のため、コスト高にならざるを得ません。これが、日本経済の弱みになっています。この弱点を、何としても克服していかなければなりません。
 2050年カーボンニュートラル実現には、世界全体で、年間1兆ドルの投資を、2030年までに4兆ドルに増やすことが必要との試算があります。我が国においても、官民が、炭素中立型の経済社会に向けた変革の全体像を共有し、この分野への投資を早急に、少なくとも倍増させ、新しい時代の成長を生み出すエンジンとしていきます。
 この変革を成し遂げるためには、単に、エネルギー供給構造の変革だけでなく、産業構造、国民の暮らし、そして地域の在り方全般にわたる取組が必要です。クリーンエネルギー戦略においては、どのような分野で、いつまでに、どういう仕掛けで、どれくらいの投資を引き出すのか。経済社会変革の道筋の全体像を、お示ししたいと思っています。
 萩生田経済産業大臣取りまとめの下で、山口環境大臣と共に、送配電インフラ、蓄電池、再エネ始め水素・アンモニアなど非炭素電源、安定、低廉かつクリーンなエネルギー供給の在り方、需要側の産業構造転換や労働力の円滑な移動、地域における脱炭素化、ライフスタイルの転換、資金調達の在り方、カーボンプライシング、多くの論点に方向性を見いだしてください。特に、地域社会が主体的に進める脱炭素の取組の後押しや、国民一人一人の理解促進、暮らしの変革については、山口環境大臣に具体策の検討をお願いします。その上で両大臣から、検討の結果を山際大臣が担当する新しい資本主義実現会議へ報告してください。
 気候変動問題に対応し、我が国の経済社会を炭素中立型にしていくという歴史的な変革を実現するためには、政府一丸となった検討と実行が必要となります。鈴木金融担当大臣、斉藤国土交通大臣、金子農林水産大臣、末松文部科学大臣、林外務大臣、小林内閣府特命担当大臣を含め関係大臣には、それぞれの担当分野から、このチャレンジへの積極的な貢献をお願いいたします。
 本日御出席の有識者の皆様方におかれましても、引き続き様々な場面で活発な御議論を頂き、お力添えを頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。本日は、誠にありがとうございました。」

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