平成24年12月12日内閣官房長官声明
内閣官房長官声明
平成24年12月12日
1 本日9時49分頃、北朝鮮から「人工衛星」と称するミサイルが発射された。政府としては、発射後に安全保障会議を開催するとともに、総理指示を踏まえ、上空をミサイルが通過した地域の安全確認等必要な対応をとり、対応に万全を期しているところだが、現在のところ被害は報告されていない。
2 我が国を含む関係各国及び国際社会が、北朝鮮に対し、発射の自制を繰り返し強く求めてきたにもかかわらず、今回、北朝鮮が発射を強行したことは、我が国を含む地域の平和と安全を損なう安全保障上の重大な挑発行為であると言わざるを得ない。また、今回の発射は、弾道ミサイル技術を使用したいかなる発射も行わないことを北朝鮮に義務づけた国連安保理決議第1874号を始め、第1695号及び第1718号といった累次の安保理決議に違反し、本年4月のミサイル発射の際に発出された安保理議長声明と相容れず、2005年9月の六者会合共同声明の趣旨にも反するものである。以上の観点から、今回の発射は、我が国として容認できるものではなく、北朝鮮に対して厳重に抗議し、遺憾の意を表明する。
3 今回の発射は、日朝平壌宣言にも違反し、北朝鮮との対話を通じた問題解決に向けた動きにも逆行するものであって、極めて遺憾である。
4 我が国としては、北朝鮮に対し、関連する国連安保理決議の即時かつ完全な履行を求める。また、この機会に改めて、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の解決に向け具体的な行動をとるよう、北朝鮮に強く求める。
5 政府としては、引き続き、我が国の平和と安全の確保、国民の安心・安全の確保に万全を期し、当面、以下の対応を取ることとする。
(1)「人工衛星」と称するミサイルが通過したと判断される地域に重点を置いて、落下物等による被害がないか、あらためて確認する。
(2)北朝鮮の今後の動向を含めた情報収集を一層徹底する。
(3)国連安保理決議の明白な違反である今回の発射に対して、国連安保理が本年4月の議長声明を踏まえて然るべく対応をとることを含め、米国、韓国、中国及びロシアとの協力を強化し、他の関係国や国際社会との連携をさらに進める。
6 国民の方々には、冷静に、平常どおりの生活を送っていただきたい。