日本国際賞受賞者による表敬
平成22年4月20日、鳩山総理は総理大臣官邸で、2010年日本国際賞を受賞した東北工業大学理事長の岩崎俊一博士とスタンフォード大学生物学部教授のピーター・ヴィトーセク博士の表敬を受けました。
日本国際賞は、全世界の科学技術者を対象とし、独創的で飛躍的な成果を挙げ、科学技術の進歩に大きく寄与し、もって人類の平和と繁栄に著しく貢献したと認められた人に授与される賞で、今回が26回目となります。
岩崎博士は、ハードディスク装置(HDD)の記録方式である垂直磁気記録方式の開発による高密度磁気記録技術への貢献が認められました。博士は、垂直磁気記録方式により、1956年の開発以来水平磁気記録方式を採用してきたHDDの記憶容量の限界を打ち破りました。2010年には、生産されるHDDは全てこの垂直磁気記録方式になると言われています。
ヴィトーセク博士は、窒素などの物質循環解析に基づく地球環境問題の解決に貢献しました。1970年代に人間活動が生態系に与える影響について研究を始め、その研究を通じて、新たな研究領域である生物地球化学の手法と概念の確立に大きく貢献しました。さらに、生物地球化学分野のデータを用いて地球生態系の様々な事象が大きく人間活動の影響を受けていることを報告し、人間活動による影響の重大性について警鐘を鳴らすと同時に、環境問題に関する政策決定にも重要な提言を行ってきました。