経団連・ジョブ型人事説明会 総理ビデオメッセージ
内閣総理大臣の岸田文雄です。経団連主催の「ジョブ型人事説明会」開催に当たり、一言御挨拶申し上げます。
「新しい資本主義」の考え方の下で、「人への投資」は、重要な位置付けを占めます。働き方は、大きく変化しています。「キャリアは会社から与えられるもの」から、「一人ひとりが自らのキャリアを選択する」時代となってきました。「職務ごとに要求されるスキル」を明らかにすることで、働き手が自分の意思でリ・スキリングを行え、職務を選択できる制度に移行していくことが重要です。若い方もシニアの方も、年齢にかかわらず、能力を発揮して働ける環境整備をしていきます。
また、今年に留まらず、来年も、再来年も、持続的な賃上げの定着のためには、春季労使交渉における労使の協力に加え、労働生産性やマークアップ率の向上を通じた、付加価値の拡大が必要です。
すなわち、「内部労働市場」と「外部労働市場」をつなげ、社外からの経験者採用にも門戸(もんこ)を開き、働き手が自らの選択によって、社内外に労働移動できるようにしていくことが、持続的な賃上げの推進と日本経済の成長のためにも急務であり、特に大企業にとってのジョブ型人事の導入の重要性がここにあります。
他方で、日本企業と言っても、個々の企業の経営戦略や歴史などの実態は千差万別であり、自社のスタイルに合った導入方法を、各社が検討できることが大切です。
このため、既に導入している企業に御協力いただき、多くの事例を記載した「ジョブ型人事指針」を8月28日に公表しました。
9月5日には、「ジョブ型人事推進会議」を官邸で開催し、導入企業の経営トップにお集まりいただき、意見交換を行いました。
本日も、富士通の時田社長をはじめ、5人の最高人事責任者の皆さんが、導入方法を解説されると聞いています。説明会を聞かれ、また、ジョブ型人事指針も参考にしていただき、それぞれの企業において、自社のスタイルに合った導入方法を検討頂きたいと思います。
最後になりますが、淡輪(たんのわ)経団連雇用政策委員長をはじめ、本日の労を執られた皆様に、敬意と感謝を申し上げて、私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。