ジョブ型人事推進会議
令和6年9月5日、岸田総理は、総理大臣官邸でジョブ型人事推進会議に出席しました。
会議では、ジョブ型人事を導入した企業との意見交換が行われました。
総理は、本日の意見交換を踏まえ、次のように述べました。
「本日は、16社の経営トップの皆様方にお集まりいただき、ジョブ型人事の推進について意見交換を行いました。新しい資本主義の考え方の下で、人への投資は重要な位置付けを占めています。若い方もシニアの方も、年齢に関わらず、能力を発揮して働ける労働市場改革が必要です。
従来の我が国の雇用制度の下では、新卒一括採用中心、異動は会社主導、企業から与えられた仕事を頑張るのが従業員であり、将来に向けたリ・スキリングがいきるかどうかは人事異動次第。従業員の意思による自律的なキャリア形成が行われにくいシステムでした。
この結果、最先端の知見を有する専門性を有する人材が採用しにくい、若手を適材適所の観点から抜擢(ばってき)しにくい、日本以外の国ではジョブ型人事が一般的になっているため、社内に人材をリテインしにくい、といった日本企業の競争力維持への危機感が生まれています。
このため、個々の職務に応じて必要となるスキルを設定し、スキルギャップの克服に向けて、従業員が上司と相談をしつつ、自ら、職務やリ・スキリングの内容を選択していくジョブ型人事を導入していく必要があります。
他方で、日本企業といっても、個々の企業の経営戦略や歴史など実態が千差万別であり、自社のスタイルに合った導入方法を各社が検討できることが大切です。
本日お越しいただいた16社の経営トップの皆様は、ジョブ型人事を導入されている、我が国の労働市場改革のリーディング企業です。
皆様の御協力によって、多様な導入企業の多くの事例を具体的に掲載した『ジョブ型人事指針』を、8月28日に公表いたしました。政府としては、出来上がった『ジョブ型人事指針』の周知徹底活動を多面的に行ってまいります。詳細にわたって情報提供を頂いた皆様に、心から御礼申し上げます。
ジョブ型人事の推進を始め、労働市場改革は緒に就いたばかりであり、引き続き皆様の御協力を頂きつつ、秋以降も、この流れをしっかりと前に進めていく必要があります。
日本経済が、能力ある若手や労働意欲のあるシニア層が生き生きと働くことができる新たなステージへと移行していけるよう、引き続き御協力をお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。」