ラピダス社起工式 岸田総理ビデオメッセージ
内閣総理大臣の岸田文雄です。本日、国内外の半導体産業に関わる方々が、ここ北海道・千歳(ちとせ)の地に集い、ラピダス社の起工式が盛大に開催されますことを、心よりお慶(よろこ)び申し上げます。
次世代半導体は、デジタル化や脱炭素化の実現に不可欠なキーテクノロジーであり、経済安全保障の観点から、重要な戦略物資でもあります。
生成AI(人工知能)も自動運転も、半導体がなくては成り立ちません。
半導体の安定的な供給体制の確保は、我が国、そして世界の経済社会にとって、喫緊の課題です。
今回のラピダス社の挑戦は、次世代半導体の生産技術を、国内で確立しようとするものであり、我が国の半導体戦略の中核を成すプロジェクトです。その量産への道のりは、決して簡単ではありません。
かつて世界のトップランナーであった我が国の半導体産業は、その後厳しい「冬の時代」を経験し、今も国内では最先端のロジック半導体の生産は行われていません。
今年5月、私は、各国の半導体関連企業のトップを官邸に招き、意見交換を行いました。
各社からは、地政学的観点も踏まえ、今後日本に積極的に投資したいといった声や、ラピダス社と連携したいといった声をいただきました。
今後、こうした有志国・地域の皆様との連携を最大限進め、グローバルな半導体サプライチェーンの強靱(きょうじん)化を図るべく、日本政府として、年末に向けて、予算、税制、規制のあらゆる面で、世界に伍(ご)して競争できる投資支援パッケージを作ります。
政府のこうした取組が、北海道・千歳における半導体関連投資の拡大や関連産業の集積、そして地域全体の発展にも、つながっていくことを期待しております。
また、その実現に向けたインフラ整備等についても、北海道や千歳市、関連地元企業の皆様とともに、取り組んでまいります。
最後になりますが、お集まりの皆様の御健勝・御活躍を祈念し、私の御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。