Japan Weeks オープニングレセプション
令和6年9月30日、岸田総理は、都内で開催されたJapan Weeks オープニングレセプションに出席しました。
総理は、基調講演で次のように述べました。
「内閣総理大臣の岸田文雄です。2回目を迎えたJapan Weeksのオープニングレセプションにお招きいただきまして、誠にありがとうございます。今回のJapan Weeks、55の関連イベント、延べ2万人の方々に御集結いただけると伺っています。開催に当たり、御尽力いただきました全ての皆様に心から御礼申し上げたいと思います。
本日は、ここ東京都現代美術館において、高橋龍太郎コレクションが開催されており、この高橋コレクション、楽しまれた方も多いと思います。高橋氏が作品を収集した時期、これはいわゆる、日本の失われた30年と言われている時期と重なっています。この時期に、停滞する日本社会にあらがうように生み出された作品を、高橋氏は若いアーティストたちの叫び、生きたあかしと呼ぶと聞いています。この表現ですが、これは正に、日本を長期の経済的低迷から脱却させ、新たな成長型経済に移行させるべく、官民連携して取り組んできた、我々の姿に重なる、こんな気がしています。
私は、この時期の最後の3年間、大胆な労働市場改革に踏み切り、官民連携して34年ぶりの賃上げを実現しました。同時に、半導体やAI(人工知能)、GX(グリーン・トランスフォーメーション)といった戦略分野を戦略的に重点的に支援し、設備投資水準は32年ぶりに100兆円に達しました。経済界にアニマル・スピリッツが復活し、歴史的な変化の兆しが確かなものになってきていると感じています。変化を力にする改革、この大きなトレンドは、次の政権の下でも更に加速してもらいたいと期待しています。
そして、こうした経済の変化を金融面から支えるのが資産運用立国の取組であると位置付けてきました。
私は、就任当初、NISA(少額投資非課税制度)の抜本的拡充を表明し、そして実行しました。さらに、コーポレートガバナンス改革、資産運用業の改革、また、公的年金や企業年金を始めとするアセットオーナーシップ改革、こうした改革を進めてきました。
こうした包括的な改革を受けて、日本企業に資本コストや株価を意識した経営が定着しつつある、このように世界中から評価されてきています。株価は34年ぶりの最高値を更新し、一時、230兆円まで低迷した東証の時価総額も、今年、初めて1,000兆円を超えるところまできました。
先週、私は国連総会に合わせて訪米をしましたが、その機会に、本日の主催者でもあるブルームバーグの本社において、日本の金融の未来と題する会議に参加し、ニューヨークの金融界のトップの方々からも、日本の経済、金融資本改革等に対する、ポジティブな評価、随分たくさん頂き、大変心強く思ったところです。
しかし、ここで満足してはなりません。資産運用立国は、日本全体の資金の流れを大胆に変えていく野心的な改革であり、継続性、これが何よりも大事です。
明日、私は退任いたしますが、今後とも、資産運用立国の取組の果実を日本経済に定着させていくためには、政府と国内外の金融関係者がコミュニケーションを継続して、そして継続的に改革が推進されていくことを期待しています。今週金曜日には、国内外の資産運用業者をメンバーとして、資産運用フォーラムが立ち上がります。このフォーラムが核となって、国内外の関係者のニーズをしっかりと反映し、そして、日本の資産運用立国、日本資産運用業の改革、これが大胆に進むと確信しています。
Japan Weeksは、金融・市場関係者の皆様で議論をし、そして情報発信をしていただき、日本の金融市場の魅力を向上させていくための場です。今後の改革の継続、そして、Japan Weeks 2024の成功を心から期待して、私のスピーチを終わらせていただきたいと思います。
御清聴、誠にありがとうございました。」