令和6年能登半島地震に関する非常災害対策本部会議(第9回)
令和6年1月11日、岸田総理は、総理大臣官邸で第9回令和6年能登半島地震に関する非常災害対策本部会議を開催しました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「発災後10日がたち、確認された死者は200名を超えました。避難生活の中で亡くなられた方もいらっしゃいます。心からお悔やみ、そしてお見舞いを申し上げます。
いまだ連絡が取れず安否不明の方が多くいます。無事を祈り続ける御家族のためにも、引き続き、捜索・救助を急いでください。捜索を要するエリアは広く、時間が掛かりますが、粘り強く取り組んでください。
孤立集落については、ヘリ(ヘリコプター)や徒歩など、あらゆる手段でアクセスし、支援と救助を行っているところですが、安全・安心な環境を早期に確立するためにも、自衛隊のヘリを用いた安全な宿泊先への移送や、道路の応急復旧作業に全力を挙げてください。
また、既に避難所に避難された方についても、寒い北陸の冬と長引く避難生活により、心身共つらい環境が続いています。
とりわけ、御病気の方、障害のある方、介護を要する方、妊婦やお年寄りには、強い負担が掛かっています。
インフラの復旧や住まいの確保にはかなりの時間が掛かります。御自身の命と健康を守るためにも、こうした方々には、より安全な環境への御移動を積極的に検討いただくことが重要です。
また、このような二次避難は、避難所の過密の解消にもつながるものであり、被災地における避難所の環境改善や、感染症対策の観点からも重要です。馳知事も強く呼び掛けており、政府としても全力でバックアップしていく必要があります。
ホテル・旅館などの、安心して滞在できる避難先や、タクシー、バス、福祉車両等の移動手段について確保を進めるとともに、自治体とも連携して、二次避難の呼び掛けを積極的に行ってください。
閉鎖が続いていた能登空港についても、TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)の支援の下、仮復旧が完了いたしました。本日から、自衛隊の固定翼輸送機が離発着できます。二次避難や被災地への物資輸送への拠点として、フル活用してください。
他方で、住み慣れた土地を離れ難い方、見知らぬ場所での生活が不安な方、長距離の移動が負担になる方もいらっしゃいます。一人一人の事情や心情をおもんばかり、二次避難の仕組みや今後のお住まいの見通しなどを丁寧に説明し、こうした不安や懸念が解消されるよう努めてください。
また、二次避難された方が再び住み慣れた土地に戻ることができるよう、応急仮設住宅の建設や災害廃棄物の処理体制の確保を含め、被災地の暮らしの再建に向けた取組もしっかり進めてください。
本日、特定非常災害及び激甚災害の指定を閣議決定いたしました。これにより、公共土木工事や家屋の解体等の国庫補助が拡充されます。政府としても、暮らしの再建に向けて、被災自治体をしっかり支援してまいります。
他方で、目下、被災地に残る方々の健康維持にも、最大限の支援が必要です。新型コロナ、ノロウイルス等の感染症対策を徹底してください。また、長引く避難生活の不自由を、少しでも改善できるよう、食料や物資、燃料の供給はもちろんのこと、温かい食事の炊き出し、自衛隊による入浴支援などを継続してください。避難所のニーズも多様化しており、きめ細かな対応をお願いいたします。生活用水の確保に向けた取組もお願いいたします。
二次災害も心配されます。痛んだ家屋の倒壊、雨や雪、更なる地震による土砂崩れが懸念されます。十分な注意を呼び掛けるとともに、可能な範囲で、危険度の高いところから、緊急の土木工事等を進めてください。
学校の再開も切迫した問題です。本日より、校舎の応急危険度判定を行う国の調査団を現地入りさせています。学習の遅れを心配する子供たちのため、安全・安心を第一にしながらも、学びの継続に留意し、学校の早期再開に向けて自治体と協力して取り組んでください。
学校再開までの区域外就学や二次避難に伴う転校についても、引き続き、柔軟な対応を促進してください。
一昨日、石川県の災害対策本部にオンラインで参加し、震災対応に当たっている方々に、私から、改めて感謝の言葉を申し上げるとともに、被災自治体を代表して、馳知事から要望を頂戴しました。本日の特定非常災害等の閣議決定始め、早速の対応を進めているところですが、各大臣におかれても、改めて、被災地に寄り添った迅速な対応をお願いいたします。」