経済財政諮問会議
令和4年7月25日、岸田総理は、総理大臣官邸で令和4年第9回経済財政諮問会議を開催しました。
会議では、金融政策、物価等に関する集中審議及び年央試算について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「本日は、今年度及び来年度の経済見通しを踏まえたマクロ経済運営について議論を行いました。
日本経済は、オミクロン株の特性を踏まえた感染防止と経済社会活動の両立により、コロナ禍で落ち込んだサービス消費にもようやく明るい兆しが出始め、2022年度の実質GDP(国内総生産)は、2.0パーセント程度の成長となる見込みです。これまでの経験をいかし、医療提供体制の強化等に万全を期すことにより、できる限りウィズコロナの下でも、経済活動の水準を引き上げてまいります。
こうした中で、ロシアのウクライナ侵略がもたらした世界的な物価高騰は、コロナ禍からの経済回復にとってのリスクです。物価上昇の国民生活に与える影響を丁寧に分析し、5.5兆円の予備費を機動的に活用しながら、適切かつ効果的な対応策を講じてまいります。
その上で、骨太方針2022や新しい資本主義に向けたグランドデザイン・実行計画の実現に向けた総合的な方策を早急に具体化し、実行に移します。
物価上昇という新しい環境の下で、成長と分配の好循環を実現し、経済を持続的な成長軌道に乗せるためには、今般の物価上昇を踏まえ、最低賃金を含め、賃上げの流れをよりしっかりとした継続的なものとするとともに、将来所得の源泉となる投資を大幅に拡大することが不可欠です。
このため、賃上げ税制、円滑な価格転嫁に向けた対策、開示ルールの整備など、賃上げしやすい雰囲気を醸成するため、総合的な対策を進めていくとともに、社会課題の解決に向けた重点投資分野において、官民が協力して、計画的で大胆な投資を実行すべく、スタートアップ5年10倍増を視野に入れた5か年計画、GX(グリーントランスフォーメーション)を促進するための今後10年間のロードマップなど、官が民間投資の呼び水となる具体策の検討を加速してまいります。
こうした取組により、今年度から来年度にかけて成長力をさらに高め、一段高い成長経路に日本経済を乗せてまいります。」