「心のバリアフリー」とは、様々な心身の特性や考え方を持つすべての人々が、相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、支え合うことです(「ユニバーサルデザイン2020行動計画(2017年2月ユニバーサルデザイン2020関係閣僚会議決定)」より)。
そのためには、一人一人が具体的な行動を起こし継続することが必要です。各人がこの「心のバリアフリー」を体現するためのポイントは、「ユニバーサルデザイン2020行動計画」では、以下の3点とされています。
- (1)障害のある人への社会的障壁を取り除くのは社会の責務であるという「障害の社会モデル」を理解すること。
- (2)障害のある人(及びその家族)への差別(不当な差別的取扱い及び合理的配慮の不提供)を行わないよう徹底すること。
- (3)自分とは異なる条件を持つ多様な他者とコミュニケーションを取る力を養い、すべての人が抱える困難や痛みを想像し共感する力を培うこと。
「心のバリアフリー」を学ぶアニメーション教材
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機として、「心のバリアフリー」を推進するため、「ユニバーサルデザイン行動計画」では、1.学校に心のバリアフリー教育の実施、2.企業・行政に社員・職員向け研修の実施を求めるとともに、3.行政と地域関係者の連携によって地域に根差した心のバリアフリーの周知・啓発を求めています。このため、内閣官房では、「心のバリアフリー」取組を進めるための教材として、9つの障害者団体等の関係者や学識経験者、民間企業の参画を得て、「心のバリアフリー」を学ぶアニメーション教材を平成29年度に作成しました。
目的
本教材は、障害者など異なる条件を持つ多様な人々とコミュニケーションをとる際に、知っておきたい知識や心の持ち方を、分かりやすく学ぶことができる入門教材です。2020年を契機に、誰もが当たり前のように、障害等に対する理解を深め、自分とは異なる条件を持つ多様な人々とのコミュニケーションを実践する社会を実現するため、個々人のマインドセットを促すことを目的としています。
アニメーション教材
本アニメーション教材は、目指す社会(共生社会)イメージの共有、心のバリアフリーの意義、障害をはじめ多様な特性を理解する際のポイント等、教材で伝えたいメッセージをまとめた10分程度の『メッセージ編』と2分程度のモジュール6本の『「バリア」とはなんだろう?』で構成されています。
- (1)「心のバリアフリーについて学ぼう」〜メッセージ編〜(10分程度)
(副音声による解説付き版はこちら。以下副音声版と記述します) - (2)「バリア」とはなんだろう?(2分程度×6本)
動画ファイルのダウンロードはこちら(慶應義塾大学中野泰志研究室)
※慶應義塾大学中野泰志研究室には本アニメーション教材の作成にもご協力頂いています。
(参考)
多様な特性を持つ人とのコミュニケーションの観点から、外国人との交流に役立つコミュニケーションポイント(語学力以外)を扱うアニメーション教材も作成しています。外国人に対応するボランティアの研修等でもお使いいただけます。詳しくはこちらをご覧ください。
なお、本動画の著作権は内閣官房に帰属しますが、内容を改変しない限りどなたでもご自由に、心のバリアフリーを学ぶためのセルフワークや集合研修の教材としてお使いただけます。
行動宣言
本動画を視聴して学んだこと、気づいたことをどう実践していくか、「心のバリアフリー行動宣言」シートに目標を書きましょう。
また、心のバリアフリーに関する様々なイベントや研修等、心のバリアフリーを学び、体験し、実践する機会に参加し、このシートに記録していきましょう。
- 「心のバリアフリー行動宣言」シート (Word(ルビ付き) /PDF )
- 「心のバリアフリー行動宣言」シート(折り畳み冊子形式)
(Word /PDF )
※折り畳み冊子の作り方
集合研修シナリオ(例)
本教材は、セルフラーニングとして視聴していただくほか、集合研修(※)の教材として活用することもできます。集合研修での活用の仕方は自由ですが、一つの例として、シナリオの例を掲載します。これらを参考としつつ、それぞれの事情に応じ工夫して研修を行っていただけると幸いです。
- ※ 集合研修の例:学校の授業や課外活動、公務員・企業・各種団体等の集合研修、イベントやホストタウン等の関係者やボランティアへの研修
- ※ このほか、パラスポーツ体験会等のイベントの前半に、「心のバリアフリーを学ぼう〜メッセージ編〜」(10分)を上映して、2020年をきっかけに心のバリアフリーを進める意義を、参加者と共有するツールとして活用いただくこと等も考えられます。
「心のバリアフリー」に向けた汎用性のある研修プログラム
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機として「心のバリアフリー」を推進するため、内閣官房では、障害者団体等の関係者や学識経験者、民間企業の参画を得て、「心のバリアフリー」を学ぶための集合研修のプログラムのひな型として「汎用性のある研修プログラム」を平成28年度に作成しました。
本プログラムも参考にしつつ、国の機関や自治体、企業において、それぞれの状況に応じて、心のバリアフリー研修を行っていただくようお願いいたします。
目的
本プログラムは、「ユニバーサルデザイン2020 行動計画」に定められた「心のバリアフリー」の考え方を踏まえ、以下3点の“気づき“を受講者に与えることを目的としています。
- (1)「障害はどこにあるのか?」を理解する(「障害の社会モデル」の理解)
- (2)社会にある「バリア」によって人々に生じている困りごとや痛みに気づく
- (3)共生社会をつくるために、具体的な行動を起こす
基本資料
- 「心のバリアフリー」に向けた汎用性のある研修プログラムについて
- 基本プログラムが目指す主な「気づき」
- 本研修プログラムに参画する障害当事者の役割及び求められる資質等について
- 基本プログラムの構成の雛形
- 基本プログラムの理念をまとめたテキストの雛形
- セルフワークのためのテキストの雛形
研修プログラム例
上記の考え方に基づき、「基本プログラム例」として、以下の3パターン(詳細については、上記「4.基本プログラムの構成の雛形」に記載しています)を作成しています。
- パターンA: 語りを中心としたプログラム(障害当事者ファシリテーターによる語り(座学)+受講者自身が考えるグループディスカッション(障害当事者サポーターが参画))
- パターンB: 体感から獲得した視点を持って、座学で認識を深めるプログラム(ゲームを通じて気付きを与えるワークショップ+障害当事者ファシリテーターによる語り(座学)+受講者自身が考えるグループディスカッション(障害当事者サポーターが参画))
- パターンC: 障害当事者ファシリテーターが確保できない場合のプログラム(障害当事者ファシリテーターによる語りをDVD等で提示(座学)+受講者自身が考えるグループディスカッション(障害当事者サポーターが参画))
- ※ファシリテーター、サポーター等の役割については、上記「3.本研修プログラムに参画する障害当事者の役割及び求められる資質等について」に記載しています。
基本プログラム例の運営教材等
基本プログラム例の3つのパターンの教材として、運営マニュアル、テキスト、講師用シナリオ兼映像教材などを準備しました。
<共通データ>
- 共−1.基本プログラム例運営マニュアル
- 共−2.受講者用テキスト_理念編テキスト企業用
- 共−3.受講者用テキスト_セルフワークテキスト
- 共−4.補助教材_グループディスカッションワークシート
- 共−5.補助教材_個人ワークワークシート
- 共−6.評価ツール_研修における評価アンケート雛形
- 共−7.評価ツール_セルフワークチェックテスト
- 共−8.障害当事者の「困りごと」についての動画ロングバージョン
- (1)共−8−1視覚障害
- (2)共−8−2精神障害
- (3)共−8−3聴覚障害
- (4)共−8−4内部障害
- (5)共−8−5重症心身障害
- (6)共−8−6補助犬
- (7)共−8−7発達障害
- (8)共−8−8肢体不自由
- 共−9.理念編テキスト学生用
<プログラムパターン別データ>
プログラムパターンA
プログラムパターンB
- B−1.講師用シナリオ兼映像教材パターン
- ゲーム型ワークショップに関する詳細情報はこちら(東京大学 EDIPプロジェクト)
※東京大学EDIPプロジェクトにはプログラムパターンBのコンテンツを提供頂いています。
プログラムパターンC
- C−1.講師用シナリオ兼映像教材パターン_パターンC
- C−2当事者講師講和動画(1)
- C−2当事者講師講和動画(2)
- C−2当事者講師講和動画(3)
- C−2当事者講師講和動画(4)
- C−2当事者講師講和動画(5)
- C−3.研修の進行要領(試行時の動画)_パターンC