令和5年8月24日(木)午前
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北朝鮮による弾道ミサイルの可能性があるものの発射について(2)
北朝鮮は、本日3時51分頃、北西部沿岸地域の東倉里(トンチャンリ)地区から南方向に弾道ミサイル技術を使用した発射を強行しました。発射された1発は複数に分離し、一つは3時58分頃、朝鮮半島の西約300キロメートルの黄海上の予告落下区域外に落下、もう一つは3時59分頃、朝鮮半島の南西約350キロメートルの東シナ海上の予告落下区域外に落下、もう一つは4時頃、沖縄本島と宮古島との間の上空を通過し、4時5分頃、フィリピンの東約600キロメートルの太平洋上、我が国EEZ(排他的経済水域)外である予告落下区域外に落下したものと推定されます。これ以上の詳細につきましては分析中です。国民の皆様に対しては、Jアラート等により、当該発射の発射情報と通過情報を伝達するとともに、付近を航行する航空機や船舶への情報提供を行ったところ、現時点において我が国領域への落下を含め、被害報告等の情報は確認されていません。政府としては、引き続き我が国の領域及びその付近の落下物の有無等について、関係機関を通じて確認作業を実施しているところであります。
北朝鮮は、昨年以降、我が国上空を通過したものも含め、弾道ミサイルをこれまでにない高い頻度で発射しています。これらの高い頻度で続く一連の挑発行動に加え、今般再び日本列島上空を通過する形での発射が行われたことは、我が国の安全保障にとって一層重大かつ差し迫った脅威であるとともに、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、国際社会全体にとっての深刻な挑戦です。また、このような発射は、衛星打ち上げを目的とするものであったとしても、北朝鮮による弾道ミサイル技術を使用したいかなる発射も禁止している関連する安保理決議に違反し、国民の安全に関わる重大な問題であります。特に発射について繰り返し中止を求めてきたにもかかわらず、今般、北朝鮮が行った日本列島上空を通過する形での発射は、航空機や船舶はもとより、上空を通過したと判断される地域の住民の安全確保の観点からも極めて問題のある行為であります。政府としては、北朝鮮による今般の発射について、直ちに北京の大使館ルートを通じ、北朝鮮に対して厳重に抗議をし、最も強い言葉で非難しました。また、先ほど国家安全保障会議の四大臣会合を開催しました。国家安全保障会議においては、今般の発射に関する情報を集約するとともに、更なる事実関係の確認をし、分析を行いました。その上で、北朝鮮による更なる発射等に備え、情報収集、警戒監視に当たることや、国民の安全と安心の確保に万全を期すことを改めて確認するとともに、外交・安全保障政策に関する今後の対応方針について議論を行ったところであります。その上で、こうした内容を含む内閣官房長官声明を審議し、お手元の配付資料のとおりとしたので御参照をください。
政府としては、情報の収集及び分析に全力を尽くし、新たな情報については国民の皆様に対して情報提供を行ってまいります。また、米国や韓国等の関係国と緊密に連携し、引き続き国民の安全と安心の確保に万全を期してまいります。私(官房長官)からは以上です。