令和3年5月25日(火)午前
閣議の概要について
冒頭4件申し上げます。まず1点目、閣議でありますが、一般案件等10件、法律の公布、政令、人事が決定されました。大臣発言として、農林水産大臣から「令和2年度 食料・農業・農村白書について」、法務大臣から「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の施行状況及び破壊活動防止法による団体規制の状況に関する国会報告について」、小此木大臣から「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の施行状況に関する報告について」、財務大臣から「令和2年末現在の対外の賃借に関する報告書及び令和2年中の国際収支に関する報告書について」、それぞれ発言がありました。
閣僚懇談会においては、河野大臣から「行政事業レビューの公開プロセスの実施について」、御発言がありました。
中央防災会議について
2点目であります。本日、中央防災会議を開催をいたしました。今回の会議では、今月20日に施行された災害対策基本法等の改正や新型コロナウイルス感染症対策などを踏まえた、防災基本計画の変更や令和3年度総合防災訓練大綱等が決定されました。総理から各大臣に対し、本日の決定に基づき、更なる防災・減災対策の充実・強化を着実に推進すること、広い範囲で平年より早く梅雨入りしていることから、昨今の災害の激甚化を踏まえ、一層の緊張感を持って、万全な態勢で災害対応に臨んでいくことなどについて指示がありました。本日の決定を受け、更なる防災・減災対策の充実・強化に向け、政府一体となって対策を着実に推進をしてまいります。
新型コロナワクチン接種の推進のための更なる措置について
3点目でありますが、新型コロナワクチン接種の推進のための更なる措置についてであります。政府においては、希望する全ての国民の皆さんに安全で有効な新型コロナワクチンを一日も早くお届けするため、全力を挙げ、取り組んでいるところであります。本日、総理の下、関係閣僚が集まり、追加的な取組を行うことを決定いたしましたので、御報告をさせていただきます。まずは、ワクチンの接種促進のための財政支援策についてであります。ワクチン接種を実施する診療所ごとの接種回数の底上げを図るため、1回当たり2,070円となっている接種単価に加え、週100回以上の接種を一定期間行う場合には1回当たり2,000円を別途、措置をする。週150回以上の接種を一定期間行う場合には1回当たり3,000円を別途、措置をすることといたしました。このほか、診療所のみならず病院を含め、接種を実施する医療機関数の増加を図るため、医療機関が1日当たりまとまった規模の個別接種を行った場合の支援策、病院が特別な体制を組んでまとまった規模の個別接種を一定期間行った場合には、集団接種会場に対する医療従事者の派遣と同様の支援を受けられる措置も講じて、ワクチンの接種能力を最大限発揮していただける体制の構築に取り組んでまいります。詳細は、お手元の資料にお配りをさせていただきました。
次に、ワクチン接種のための医師・看護職員以外の医療関係職種の確保についてであります。これまで一定の条件の下で歯科医師にワクチン接種のための注射に御協力いただくことを可能といたしました。さらに、歯科医師以外の職種についても法的・制度的な整備を進め、逐次検討を進めているところであります。こうした中で、今後のワクチン接種の進展を踏まえ、まずは業として人体への侵襲を伴う針を刺す行為を行っている臨床検査技師、救急救命士について、歯科医師と同様に違法性阻却の考え方を整理し、ワクチンの接種の実施について検討することといたしました。また、ワクチン接種を進めるためには、それぞれの医療関係職種の専門性を発揮していただきながら、職種に関わる様々な業務に協力していただくことが重要であります。薬剤師については予診のサポート、ワクチンの調整、接種後の経過観察、診療放射線技師については接種後の経過観察への協力を関係団体とも連携して進めていきたいと考えております。
インドで初めて確認された変異株B.1.617に対する水際対策措置の強化について
最後4点目でありますが、インドで初めて確認された変異株B.1.617に対する水際対策措置の強化についてであります。変異株B.1.617については、政府として強い危機感を持って対応に当たってきているところでありますが、国民の間で変異株に対する不安も依然として強いことから、国民の健康と命を守り抜くことを最優先に水際対策措置を一層強化することといたしました。具体的には、インド、スリランカ、ネパール、パキスタン、バングラデシュ及びモルディブの6か国からの全ての入国者及び帰国者について、最近の現地の感染状況や我が国の空港検疫での陽性率が特に高いことなどを踏まえ、検疫所の宿泊施設での6日間待機に代えて、28日午前0時から入国する人を対象に宿泊施設での待機を10日間とし、入国後3日目、6日目、10日目に改めて検査を受けていただくことといたしました。また、英国、カザフスタン、チュニジア及びデンマークの4か国についても、新たに当該変異株の指定国・地域とし、検疫所の宿泊施設で3日間の待機措置を求める対象国に加えることといたしました。10日間、6日間、3日間の停留措置を制度として設け、それぞれの地域の感染状況を踏まえて運用していくということであります。政府としては、各国における感染状況を注視し、状況をしっかり把握しながら、国民の不安を取り除く観点から、引き続き必要な措置を機動的に講じてまいる所存であります。