内閣官房長官声明

更新日:令和5年8月24日 内閣官房長官談話など

官房長官声明

  1. 本日3時51分頃、北朝鮮が沖縄本島と宮古島との間の上空を通過する形で弾道ミサイル技術を使用した発射を強行した。発射された1発は複数に分離し、いずれも我が国排他的経済水域(EEZ)外に落下したものと推定される。政府としては、速やかにJアラートやエムネットを活用して国民への情報伝達を行い、通過したと判断される地域の安全確認を実施するとともに、航行中の船舶・航空機への情報提供や安全確認等の必要な対応をとり、対応に万全を期しているところであるが、現在のところ被害報告等の情報は確認されていない。

  2. 我が国を含む関係各国及び国際社会は、北朝鮮に対し、今回を含め、これまで累次にわたり関連の国連安保理決議等の完全な遵守を求めるとともに、度重なる弾道ミサイルの発射等の挑発行為を非難し、核・ミサイル開発の放棄を求めてきた。こうした中、今回、北朝鮮が再び国連安保理決議違反である発射、それも日本列島の上空を通過するものを強行したことは極めて遺憾であり、我が国として断じて容認できない。

  3. 北朝鮮は、ICBM(大陸間弾道ミサイル)級を含む弾道ミサイル等を繰り返し発射しており、今回の発射を含め、これら一連の挑発行動は、我が国の安全保障にとって一層重大かつ差し迫った脅威であるとともに、国民の安全に関わる重大な問題である。また、今回を含め、上空を通過する形での発射を繰り返したことは、航空機や船舶はもとより、上空を通過したと判断される地域の住民の安全確保の観点からも極めて問題のある行為である。このような北朝鮮の行為は、北朝鮮による弾道ミサイル技術を使用したいかなる発射も禁止している関連する国連安保理決議及び日朝平壌宣言にも違反し、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすもので、我が国を含む国際社会全体に対する深刻な挑戦である。我が国は、北朝鮮に対して厳重に抗議し、日本国民の強い憤りを伝えるとともに、最も強い表現で非難した。

  4. 我が国としては、北朝鮮に対し、改めて、関連する国連安保理決議を即時かつ完全に履行するとともに、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向け具体的な行動をとるよう、強く求める。

  5. 政府としては、総理からの迅速・的確な情報提供、安全確認等の指示を踏まえ、引き続き、我が国の平和と安全の確保、国民の安心・安全の確保に万全を期すべく、以下の対応をとることとする。

    (1)通過したと判断される地域に重点を置いて、落下物等による被害がないか、改めて確認を行う。

    (2)北朝鮮の今後の動向を含めた情報収集・分析に徹底を期すとともに、国民への情報提供を適時・的確に行う。

    (3)我が国として不断に必要な態勢をとることにより、不測の事態の発生を防ぐ。

    (4)我が国独自の措置及び関連国連安保理決議に基づく措置を引き続き着実に実施していく。また、米国及び韓国を始めとする関係各国や国際社会との協力・連携を更に強化し、関連国連安保理決議の実効性の確保を図るとともに、国連安保理における更なる対応を含め、北朝鮮に対する断固たる対応を早急に検討する。

    (5)こうした我が国としての不測の事態への対応や、国際社会としての北朝鮮に対する措置を促進すべく、日米同盟を更に強化し、これを基軸として日米韓協力を含む関連の取組を一層推進する。

    (6)国家安全保障戦略等に基づき、反撃能力を含む防衛力の抜本的強化のための各種施策を着実に実施する。こうした取組を通じ、抑止力・対処力を強化していく。


  6. 国民の方々には、冷静に、平常どおりの生活を送っていただきたい。

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