内閣官房長官声明

更新日:令和4年10月4日 内閣官房長官談話など

官房長官声明

  1. 本日7時22分頃、北朝鮮が青森県付近の我が国上空を通過する形で弾道ミサイルを発射した。発射された弾道ミサイルは、太平洋上の我が国排他的経済水域(EEZ)外に落下したものと推定される。政府としては、航行中の船舶・航空機の安全確認や、上空を弾道ミサイルが通過したと判断される地域の安全確認等必要な対応をとり、対応に万全を期しているところであるが、現在のところ被害報告等の情報は確認されていない。

  2. 我が国を含む関係各国及び国際社会は、北朝鮮に対し、これまで累次にわたり関連の国連安保理決議等の完全な遵守を求めるとともに、度重なる弾道ミサイルの発射等の挑発行為を非難し、核・ミサイル開発の放棄を求めてきた。こうした中、今回、北朝鮮が再び国連安保理決議違反である弾道ミサイル発射、それも日本の上空を通過するものを強行したことは極めて遺憾であり、我が国として断じて容認できない。

  3. 北朝鮮は、今年に入ってからも弾道ミサイルを計20回にわたって発射しており、これらの高い頻度で続く一連の挑発行動は、国際社会に対する深刻な挑戦である。このような中で、今回発射された弾道ミサイルは、平成29年9月15日以来およそ5年ぶりに我が国上空を通過し、太平洋上に落下したとみられる。我が国上空を通過する弾道ミサイルを発射したことは、我が国の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威であるとともに、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものである。

  4. また、事前の通報なくして、かつ、我が国上空を通過する形で弾道ミサイルを発射することは、航空機や船舶はもとより、上空を弾道ミサイルが通過したと判断される地域の住民の安全確保の観点からも極めて問題のある行為である。

  5. このような北朝鮮の行為は、関連国連安保理決議及び日朝平壌宣言への違反である。我が国は、北朝鮮に対して厳重に抗議し、最も強い表現で非難した。

  6. 我が国としては、北朝鮮に対し、改めて、関連する国連安保理決議を即時かつ完全に履行するとともに、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向け具体的な行動をとるよう、強く求める。

  7. 政府としては、総理指示を踏まえ、引き続き、我が国の平和と安全の確保、国民の安心・安全の確保に万全を期すべく、以下の対応をとることとする。

    (1)弾道ミサイルが通過したと判断される地域に重点を置いて、落下物等による被害がないか、改めて確認を行う。

    (2)北朝鮮の今後の動向を含めた情報収集・分析に徹底を期すとともに、国民への情報提供を適時・的確に行う。

    (3)我が国として不断に必要な態勢をとることにより、不測の事態の発生を防ぐ。

    (4)我が国独自の措置及び関連国連安保理決議に基づく措置を引き続き着実に実施していく。また、米国及び韓国を始めとする関係各国や国際社会との協力・連携を更に強化し、関連国連安保理決議の実効性の確保を図るとともに、国連安保理における更なる対応を含め、北朝鮮に対する断固たる対応を早急に検討する。

    (5)こうした我が国としての不測の事態への対応や、国際社会としての北朝鮮に対する措置を促進すべく、日米同盟を更に強化し、これを基軸として関連の取組を一層推進する。

    (6)新たな国家安全保障戦略等の策定プロセスを通じ、いわゆる「反撃能力」を含め、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討するとともに、スピード感を持って防衛力を抜本的に強化していく。


  8. 国民の方々には、冷静に、平常どおりの生活を送っていただきたい。

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