令和3年10月5日
閣議後定例記者会見
冒頭発言
このたび、ワクチン接種担当大臣、東京オリパラ担当大臣を拝命しました堀内詔子でございます。今日はよろしくお願いいたします。
まず、ワクチン接種担当大臣としてでございますが、今回新型コロナウイルスのワクチン接種を円滑に推進するため、行政各部の所管する事務の調整を担当することとなりました。
ワクチン接種につきましては、7月までに高齢者の接種をしっかりと完了させていただきましたこととともに、足元では全人口の7割を超える方々の(1回目)接種が完了し、そして、それはいわゆるアメリカやドイツを上回っております。1回目を接種した方々の数は、アメリカやドイツを上回っている、といった状況にございます。また、2回目接種もアメリカよりも上回っている、といった状況でございます。また、引き続き、ワクチン接種を着実に進めていくことが私の任務だというふうに思っております。
今後についてですが、既に対象人口の約9割のワクチンをお配りさせていただいている状況ですけれども、既に接種を完了した自治体や、接種の予約に空きがある、そういった自治体の皆さま方もいらっしゃいます。一方で、予約が取りづらい、そういった自治体さんもあるのも現実でございます。希望される方が、できるだけ早く接種を受けることができるように、まずは都道府県の皆さま方に広域調整を行っていただくようにお願いしておりますが、地域の状況に応じてワクチンを追加配分する必要があるというふうに思っております。
また、若年層、若い方々への接種をより円滑に進めていくために、ワクチン自身の有効性や安全性をしっかりと若い方々に理解していただけるよう、引き続き、取り組んでいきたいというふうに思っております。
また、ワクチン接種におきましては、自治体や医療関係の皆さま方のご協力が何としても必要でございますので、しっかりと連携を取って、新内閣でも頑張って皆さま方とよく連絡を取って、連携を取ってやってまいりたいというふうに思っているところでございます。
また、このたび岸田総理より、新型コロナについて様々な事態を想定した対応策の全体像を早急にまとめて、国民の皆さま方にお示しできるように、山際新型コロナ対策危機管理担当大臣に取りまとめを、岸田総理大臣は指示なさいました。私自身といたしましては、ワクチン接種推進担当として、ワクチン接種の推進に責任を持って務めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
山際大臣、そして後藤厚生労働大臣と新型コロナについて、安心確保のために取組の全体像をお示しできるように、連携して取り組んでまいりたいというふうに思っております。
オリパラ担当大臣として続いて申し上げてもいいですか。オリパラ担当大臣として、続いて申し上げます。
史上初の延期となった東京大会については、コロナ禍で様々な制約がある大会となりましたが、関係者の方々の大変なご努力や、そして国民の皆さま方のご理解・ご協力によりまして、開催国としての責任を果たし、そして無事に大会を終えることができました。
今後は大会組織委員会や、東京都、そして関係大臣と緊密に連携し、東京大会を契機として創出された成熟社会にふさわしい、そういった次世代に誇れる有形無形のレガシー、そういったものを発信していくように努めてまいりたいというふうに思っております。
オリパラ担当大臣としては以上です。
質疑応答
(記者)
ワクチン担当大臣としてお伺いします。ワクチンの3回目接種、いわゆるブースター接種ですけれども、前任の河野大臣は、原則自治体での接種という見通しを示しておられます。大臣は同様の認識でおられるのかというのと、その場合、1回目・2回目で実施されたいわゆる職場接種、あるいは自衛隊の大規模接種というのは、想定されておられないのか、その点をお聞かせください。
(大臣)
ありがとうございます。いわゆるブースター接種については、厚生労働省のワクチン分科会において、9月17日にも審議されたところでもございます。私自身といたしましては、引き続き、まだ審議会で調整しているところでございますので、職域接種について、行わないとか、行うとか言える段階ではないというふうに、私自身としては今、認識しております。
(記者)
基本的に自治体接種となった場合は、いわゆる自治体の集団接種や、あるいはかかりつけ医の接種が想定されます。1回目・2回目接種は、自治体にこうやって職場接種、自衛隊大規模接種など、様々な場所で受けられたので混乱がなかったということですが、自治体接種の場合は1か所に集中するといって混乱が生じる可能性もあるかと思いますけれども、その点大臣どのようにお考えでしょうか。
(大臣)
そのブースター接種については、先ほど申し上げましたように、9月17日のワクチン分科会で3回目をやるといったことが示されたという状況でございまして、まだまだその対象範囲とか細かい方法について、しっかりとした審議が煮詰まっていないというふうに私自身は認識しております。円滑に接種が行われていくように、自治体の皆さま方や医療関係者の皆さま方ともよく相談しながら行ってまいりたいと思っております。
(記者)
2代目のワクチン担当大臣ということで、河野大臣のときにはまだ方法も、ワクチンの入手から契約、どういったルートになるのかということについて全くない中で、それを切り開くというような中で、平成の運び屋になるということをおっしゃったんですが。堀内大臣は、このある程度実績のある中で、どういう形でこのワクチンの接種推進について貢献していきたいというふうにお考えなのか。どういったところを今のワクチン体制から進めていきたいとお考えなのか、その基本的なところをお願いします。
(大臣)
河野大臣のときは、本当に大変な、一からのスタートの中でご努力いただいたところでして、そして先ほど申し上げたように、おかげさまで国民の、本当に多くの方々が接種を進んでいるといった状況にまで持ってきてくださいました。私自身も引き続き、まだまだ、一方でまだまだ2回目打ちたくてもまだ打てないといった方々もいらっしゃいます。予約が取れないといった方々もいらっしゃいます。また、1回目すらまだ打てていない、希望しているにも関わらず打てていないといった方も中にはいらっしゃるといったのが現状でございます。まず国民の皆さま方、ご希望なさる方々が2回目をしっかりと接種いただけるように、しっかりとやってまいりたいと。
一方で、ご希望になるのを迷ってらっしゃるお若い方々、今いろいろな情報を皆さん持っていらっしゃる、そういった中で悩んでいる方々には、正しい情報をしっかりと発信してご判断いただけるような、そういった環境を作っていくために心がけていきたいと思っています。
(記者)
3回目接種の関連なんですけれども、河野前大臣は、調達についての前倒しの交渉など、今後の課題について言及しているんですけれども、大臣は現時点で、円滑な3回目接種に向けて、どういったことが課題に上がっているかというのを、現時点でどのような認識でしょうか。
(大臣)
しっかりとワクチンを供給体制を作っていく、ワクチンの確保をしっかりしていかなくてはいけないというふうに思っております。
また、自治体の皆さま方にも、12月ぐらいをめどにしっかりと、ワクチンを3回目を打つようなことがあったときのご用意、ご準備を今お願いしているところでございます。
いろいろな環境づくりをしていくことによって、しっかりとした決断が下されたならば3回目接種をスムースに行っていくようにしてまいりたいと思います。
(記者)
関連してですが、今2回目の接種の全人口6割超えたということで、最終的に接種率がどのぐらいになるかというのは、8割というような発言が河野前大臣ありましたけれども、具体的にどのぐらいの接種率が目標として大臣今お考えあるかというのをお聞かせください。
(大臣)
今、対象人口の9割の方の接種の分のワクチンの配付は、ほぼ今週の末ぐらいにしっかりと行っていけるような状況にあるといった中で、あとは接種をしていただく。それはやはり地方自治体の皆さま方と、医療者の皆さま方のご協力をいただきながらやっていかなくてはならないと思っております。
希望できる方が、できるだけ早くしっかりと接種ができる、そういった方向に向けて今、全力を尽くしているところでございますので、数字といたしまして、具体的に1、2、3、4、5、6というだけの数字を示すと言うよりは、本当にご希望なさる方が皆さま打っていただけるように、そういった体制づくりを目指しています。
(記者)
今後、河野大臣とはどのような連絡を取り合いながら引き継ぎをしていくのかということと、全体としてはこれまで政府がやってきたコロナ対策、コロナワクチンの対策として、河野大臣がやられてきたどういうところが今後さらにもっと継続したり、パワーアップさせていかないといけない部分になるかと感じているのかと、先ほど迷っていらっしゃる若い方たちとか、女性の方も含めてだと思うんですけれども、正しい情報をどのように発信していくのか。堀内大臣の個人としての現在のご意見あればお聞かせいただければと思います。
(大臣)
河野大臣とは引き継ぎをこれからさせていただく予定でございます。直接お目にかかってというよりは、河野大臣もお忙しい中、いろいろ電話などで引き継ぎができればというふうな形で思っております。
河野大臣が今までワクチン接種を一から始めて、これだけの成果を成し遂げてくださったのは、とても素晴らしいことだと思っております。
一方、岸田総理からは、山際大臣と、そして後藤大臣とよく連携して調整して進めていくようにといったご下命もいただいているところでございますので、これから山際大臣、後藤大臣とともに調整をしていきたいと思っております。まだ昨日、任命していただいたばかりでございますので、これからちゃんと3人の中の連携調整を図ってまいる所存でございます。
(記者)
今回、堀内大臣初めての入閣ということで、ワクチン担当とオリパラ担当をされるわけですけれども、どういったリーダー像を描いて、これから引っ張っていきたいとお考えなのか。どういったリーダー像を描いているのかというのをお聞かせ願います。
(大臣)
ありがとうございます。岸田総理もおっしゃっていらっしゃいますように、国民の皆さま方のお気持ち、置かれていらっしゃる状況に寄り添えるような、お一人お一人のお話を受け止められて、しっかりと耳を傾けて伺いながら、意思決定を皆さま方と連携しながらしていける、そういった新しい、新しくもないですね、そういったリーダー。今までもそういった方いらっしゃったと思います、そういう方向のリーダー像を目指して、しっかりと任務を果たしてまいりたいと思っております。
(記者)
東京オリンピック・パラリンピックについてお伺いします。
赤字が見込まれる経費の課題など残されていますけれども、新大臣としてはどう取り組まれるのか。また今回の東京大会では様々な問題が浮上してきました。その中でも、名古屋の河村市長が金メダルを噛んだ問題で、昨日JOCの山下会長が、既に取り替え済みだというふうにお話ししてらっしゃいますが、そのことについては大臣、どのように受け止められていましたでしょうか。
(大臣)
経費につきましては、大会に要した経費、今、大会の運営主体である組織委員会の方で、きっちりと示していってくださるものだというふうに認識しております。まずは収入とか支出とか、それぞれについて、組織委員会が精査をしてくださるもの、そのように思っているところでございます。
金メダルについては、金メダルを噛まれてしまったということで、ご地元の選手が金メダルをとったことに、河村市長はとても発奮なさっていたというか、とてもお喜びでいらっしゃったので、ああいうふうになられてしまった、ああいう行動をなさられたのだと思っております。
一方では、選手の方は突然のことだったので、ちょっとびっくりしましたというような表情をなさっていらっしゃいました。オリンピックで金メダルをとるということは、本当に素晴らしいことでございますので、それは国民の一人として私も大変嬉しく思っているところでございますが、表現の仕方がそれぞれの方のなさり方だったんだなというふうには思っているところです。
でもオリンピックにつきましては、すごく金メダルも非常に大会でとって、今までで最高の数でしたよね、金メダルが。そういったすごい金字塔を打ち立てていただいているので、それは国民の一人として、私も喜びたいですし、また、選手の皆さま方の1年延期にもなったにも関わらず、努力をなさってきた姿というのに、心から敬意を表したいと思います。
(記者)
確認なんですけれども、3回目接種について、大臣先ほど自治体に12月をめどに3回目の準備を、というような発言あったと思うんですけれども、これ仮に12月から始められても対応できるように自治体に準備をしている、単純にご指示をしているという。
(大臣)
そのような、12月から追加接種を開始することを想定して、接種体制を確保していただきたいというふうにお願いしているところでございます。
(記者)
これもう既に指示をされているということでよろしいですか。
(大臣)
これは私自身昨日着任したばかりでございますので、私が具体的にそういう指示をした状況ではないんですが、そのように指示を、というかお願いをしている、指示というよりはご依頼を申し上げているところでございますが、それをご依頼申し上げているのは厚労省からの方でございます。
(記者)
堀内大臣は、2018年5月25日に、過労死を促進させる恐れがあるとして慎重な審議を求められていた、高度プロフェッショナル制度を含む働き方改革関連法案が、衆議院厚労委員会で野党の反対を押し切って強行採決された際に、傍聴する過労死死者の遺族の方々の前で、大きな身振りで飛び跳ねながら、自らの賛意をアピールし、採決への参加を促していた姿が聞かれております。
今回大臣に就任されたことで、それがインターネットでもまた拡散されたり、批判の声が上がっております。その姿勢は党利・党略ばかりを意識し、健康や生命を損なうほどの労働に追い込まれる市民への理解を欠落させていたのではないでしょうか。
当時お考えだったことと、それから今振り返ってどうそれをお考えか、お聞かせください。
(大臣)
働き方改革の中のものとして、法案が成立する必要があったというふうに思っております。やはり1時間当たりの労働生産性の向上というのがどうしても、この厳しいグローバル社会の中で我が国に求められているのではないかというふうに思っております。という状況ですが、どうですか。それでご納得いただけますか。
(記者)
ありがとうございます。ただ、遺族の方々がいらっしゃる前とかで、派手に採決されていた姿に対する批判というのが現在上がっておりますけれども、そのときの姿勢や、市民のことを考えていたのかということを、今振り返ってどうお考えでしょうか。
(大臣)
その当時は、やはり成長していく日本というものをこれからも続けていくためにも、いわゆる働き方改革というのはどうしても必要だというふうに思っていたところでございます。
やはり、少子化の今の日本の中で、働いてくださる、そういった方々になってくださるお子さんも少なくなってきているわけで、やっぱりお一人お一人が日本人として、しっかりとお仕事していっていただくための整備というか、そういったものが必要だというふうにそのとき思っておりました。
ただ、私自身の身振り手振りとかが、大変、過労死なさった方々の御遺族のお気持ちを害してしまったのならば、それは本当に申し訳ないことだったと思っております。
(記者)
ワクチンの接種なんですけれども、どんどん接種される方が増えておりますけれども、どうしても自由な、それぞれの接種されるという意思に任せている限り、どうしても打ちたくない、心理的な危機感がある、あるいはアレルギーなどを持ってらして、それが打てないという方がいらっしゃると思います。ワクチンパスポートを作ったりして、接種している方、されていない方のサービス、公的サービスですとか、いろいろ立ち入れる場所への区分などが生まれてくると思いますけれども、どうしても打てない方、打ちたくないというのがある方、取り残されている、ちょっと少ない3割、2割、1割ぐらいのワクチンを打たない方というものに対する対応というのは、どういうことを考えていらっしゃるでしょうか。
(大臣)
本当に、ワクチンをご自身が打ちたいけれども、例えば体質的にどうしてもワクチンを打つことができないとか、または本当に自分のお気持ち的にいろいろなことを考えて、どうしてもためらってしまう、そういった方々がいらっしゃるのは、それはもう当然のことだと思っています。
そういった皆さま方が、ワクチンを受けないことによって差別を受けないといった雰囲気というか、風土づくりというか、世論づくりというか、社会づくりというか、表現が難しいですが、そういったことを必要だと思って、ちゃんとそういう方々がワクチンを打てないことによって、いわゆるつらい思いをしたり差別を受けたりしないように、しっかりとやってまいりたいというふうに思っています。
以上
|