令和3年9月7日


閣議後定例記者会見


冒頭発言

 冒頭1件お知らせがございます。今週の11日土曜日、「共生社会ホストタウンサミットin福島」が開催され、私もオンラインで参加をいたします。
 東京2020パラリンピック競技大会の閉会直後に開催をされる、今回の共生社会ホストタウンサミットにおきましては、共生社会ホストタウンの自治体の皆さまから、これまでの取組を発表いただくとともに、パネルディスカッションでは、日本パラリンピック委員会の河合純一委員長にもご参加をいただきまして、首長の方々とともに、パラリンピックの開催が共生社会ホストタウンにもたらしたもの、そして今後の展望について、意見交換をいただきます。
 詳細については事務方にお尋ねをいただければと思います。
 私からは以上です。

質疑応答

(記者)
 東京大会、コロナの影響で1年延期されましたが、5日に閉幕しました。大臣は安全・安心な大会を掲げておられましたけれども、大会をどのように評価されましたか。
(大臣)
 まず、ご取材本当に長きにわたりましてありがとうございました。13日間にわたる東京パラリンピック大会、一昨日閉幕して、東京大会の全ての日程が終了いたしました。
 1年延期、そしてコロナ下で様々な制約のある中での大会となりましたけれども、オリンピックについては難民選手団を含めて206の国と地域から1万1,000人の選手が参加され、33の競技が行われました。
 パラリンピックについては、難民選手団を含めて、163の国と地域からおよそ4,400人の選手が参加され、22の競技が行われました。パラリンピックの参加選手数については、過去最高ということになりました。
 開催国としての責任を果たし、無事に大会を終えることができたと考えております。
 改めて、ご協力をいただきました、まずお一人お一人の国民の皆さまのご理解に感謝を申し上げ、併せて大会の開催に大変大きな力を発揮してくださったボランティアの皆さま方、またあらゆる大会関係者の皆さま方、そして被災地において、この大会の成功のために様々な尽力をいただいた皆さま方、心から感謝を申し上げたいと存じます。
 成果ということで言いますと、無観客ではございましたけれども、大会期間中、本当に多くの皆さまがアスリートに多くの声援を送ってくださいました。これはアスリートの皆さんにとって大変大きな後押しになったのではないかと思っています。
 オリンピックでは過去最多のメダルの獲得、そして優勝というものがございました。またパラリンピックではアテネ大会に次ぐ、アテネが52だったんですね、全メダル数が。そして今回は51ということで、一つは足りませんでしたけれども、過去2番目に多いメダルを獲得し、両大会を通じて数々の記録が更新されました。
 我々、大会の意義ということを、このコロナという大きな困難に直面する中で、世界が一つになって難局を乗り越えていけるということを示す機会だということを申し上げてきましたけれども、選手の皆さんが1年の延期の中でも、自分と向き合い、大会において最善を尽くし、そしてチームとともに喜び、また悔しさを共感しながら、次に向けた思いを国民の皆さまに伝えられる姿など、まさに世界を、また日本を一つにしていく一体感が醸し出され、またスポーツの持つ価値ということも確認できた大会ではないかと思います。
 また、今回、史上最もジェンダーバランスの優れたオリンピックの大会となりました。パラリンピックは史上最多の女性選手が参加する大会となりました。
 日本選手団のうち、オリンピックはおおむね半数の47.5%が女性、パラリンピック選手団においては、史上最高の41.7%となりました。特にオリンピックについては日本の女子種目のメダル総数30個、これは史上最多です。
 また、女子種目のメダル総数、さらに金メダルの総数が、男子種目を上回りました。これは夏季オリンピックで初めてです。女性の活躍が際立つ結果になったということで、女性活躍、また男女共同参画担当大臣としても非常に嬉しい成果となりました。
 また、共生社会ということについて、史上初めて東京が夏季パラリンピックを2度開催する都市となり、共生社会の実現に向けた大きな契機としたいということを申し上げてきました。
 パラリンピック競技も、非常に多くの放送事業者の皆さまが競技を放送してくださり、また学校連携観戦についても、自治体のご判断によって、限られた地域ではございますけれども実現されたということで、競技を見た子どもたちから、非常に感動した、行けてよかったというような声も伺っております。次の時代を生きる子どもたちが、人間の持つ可能性に気付き、多様性を認め合える心を育んでいただくための貴重な機会となったと考えております。
 また政府においては、共生社会ホストタウンの推進や、ユニバーサルデザインの街づくり、心のバリアフリーということを取り組んでまいりました。この11日にも共生社会ホストタウンのサミットを行います。こうした、この大会をきっかけとした取組をしっかり、今度はレガシーとして、次世代につながっていく形で活動を続けていただける支援をすることが政府の重要な取組と考えております。
 また、復興五輪ということで申し上げますと、これは大会の大きな一つの柱として、サッカーと野球、それからソフトボール、これらの競技が被災地で行われ、また聖火リレーでは、福島で製造された水素が活用されました。
 被災地産食材の選手村での提供・PRについては、非常に選手の皆さんから高い評価をいただき、それぞれが選手個人のSNS等で発信をされ、また、アメリカのソフトボールの監督が記者会見で福島の桃がおいしいという発信をしてくださるなど、世界の発信という意味においては非常に大きなものがあったのではないかと思います。
 また、ビクトリーブーケについては、被災地の花を活用しましたけれども、ご提供いただいた被災地の皆さまには改めて感謝を申し上げたいと思います。
 復興ありがとうホストタウンの取組については、これも、引き続き、交流を続けていけるようにしっかりとサポートをさせていただきたいと考えております。
 また、感染対策は一つの大きな私どもにとっての課題でございました。定期的な検査や厳格な行動管理、健康管理など防疫上の措置、パラリンピックではこれらをさらに強化した形で取り組みました。
 また、医療機関、医療関係者の皆さまにも多大なご協力を賜りました。おかげさまで、保健所によりクラスターとされた事例は大会期間を通じてありませんでした。また、大会関係者から市中に感染が広がったという事例も報告をされておりません。陽性と判明された方もいずれも軽症で、入院された方もいらっしゃいましたけれども極めて少ないという状況であったという認識をしております。
 ボランティアをはじめとする大会関係者の皆さま、医療関係者の皆さまのご尽力、また国民の皆さまのご理解とご協力があったからこそ、安全・安心な大会が実現できました。
 また、この場をお借りして、内閣官房の職員も、水際対策等で空港に直接昼夜を問わず投入をさせていただきまして、組織委員会とともに、一緒になって防疫措置にあたり、またホストタウンのサポートにも現地に直接入りまして、様々な運営がスムーズに行くように支援を行ってまいりました。
 サイバーセキュリティについては、非常に長い期間をかけて対策を積み重ねてまいりまして、大きな問題なく、大会を終えることができました。
限られた人数の中でのやりくりでございましたけれども、非常に大きな支えを発揮してくれたと感謝を申し上げたいと存じます。
 ご協力をいただいた全ての皆さまに、改めて感謝を申し上げたいと思います。
(記者)
 パラリンピックに参加されたアフガニスタンの選手団の件でお伺いさせていただきます。一時出場が断念された中で、参加をされて、実際にアフガン国内での抑圧が危惧される女子選手についても参加をされましたが、この選手団の参加というのを大臣はどのように受け止められていたのかということと、昨日この選手、既に日本出国したということですが、日本国政府としては何かサポートというものがあったのか、お願いします。
(大臣)
 まず日本国政府としては、水際措置において、しっかりと対応させていただいたということに尽きます。そして今回複数の国の政府が関わって、選手の東京大会への参加を叶えることができました。
 またテコンドーの国際連盟をはじめ、フェデレーションが果たした役割というのは非常に大きかったと伺っております。まさに母国が大変な状況にある中で、スポーツにかける思いというものを多くの関係者が支える形で、大会参加が実現されたことを非常に感謝とともに、ありがたくうれしく思っております。
 私もテコンドーの試合を拝見させていただきました。コーチも一緒に参加をされていたわけですけれども、大変な中で参加をされたという思いにあふれておられるように拝察をいたしました。
 今後、パリ大会を出すことができる環境が整うことを願っておりますし、私どもとしても、アフガンの情勢をしっかり注視をしながら、また女性の人権という観点からも、国際社会が一つになってしっかりとこの状況に対しての対応を連携して進めていくことが重要であると考えております。
(記者)
 昨日の出国についても、サポートはされていると。
(大臣)
 水際措置については、他の選手団の来日・離日と同様にサポートさせていただいております。
(記者)
 先日、菅総理が次の総裁選に出馬しないことを表明されましたけれども、大臣としてこのニュースをどういうふうに受け止められたのか教えてください。
(大臣)
 まずコロナ対策に全力を尽くしたいということをお話しになられました。未だに緊急事態宣言の影響を検討しなければならない状況にある中で、非常に真摯にこのコロナ対策に打ち込んでこられた菅総理の姿勢、思いそのものであると受け止めております。
 閣僚の一人として、大会は終了しましたけれども、しっかりと菅政権が続く限りの中で、総理をお支えし、国民の安心安全を守る仕事に取り組んでまいりたいと思います。
(記者)
 菅総理にとっても、このオリンピックの開催というのは、非常に大きな賭けだったと思いますけれども、担当の大臣として、そういった面でも、総理の功績といいましょうか、そういったことについても思いはありますでしょうか。
(大臣)
 国際社会に対する責任という思いと、国民の安心安全を守る責任という思いと、その両側の面をどちらも非常に重く考えて、大変重たい決断の中で、この大会を開催されたということを私も真摯に受け止めて、徹底して安心安全を守るべく、組織委員会にも都にもお願いをしてまいりました。
 結果、先ほど医療関係についてご協力もいただいた成果もありまして、クラスターの発生もなく、重症者も出さず、また市中の感染も起こさずに大会を終えられたというのは、一つの菅総理の思いの実現であったと思っております。
(記者)
 費用負担の割合なんですけれども、国が最終的に負担するかどうかは置いておくとして、東京都や組織委員会との協議自体には応じる考えは大臣お持ちなんでしょうか。
(大臣)
 必要があればもちろん協議をするべきだと思います。まず今、組織委員会がこれから取り組まれるとおっしゃっているのは、できる限り支出の部分をしっかりと丁寧に確認をして、できるだけ収支差を小さくするということがあります。
 非常に大きな事業ですので、精算を急いでいただいたとしても、なかなかすぐに出てくるというものではないと思いますけれども、まずその組織委員会がしっかりと支出を圧縮しながら、どのように決算を、全体像を作ってくるかと、仕上げてくるかということを拝見して、また今日は武藤事務総長、昨日でしたか、開催都市契約に基づいてという言葉もありましたので、しっかり組織委員会からもお話を伺って、必要な協議にはもちろん臨みたいと思います。
(記者)
 大会を通じてパラリンピックとか、会場でのお弁当の廃棄とかありましたけれども、大臣としては大会について成功だったという認識でしょうか。
(大臣)
 大会当初にあった課題を、大会をやりながら調整をして、乗り越えてきたという印象がございます。お弁当の問題についても、開会式というのはまさに大会の初日でございました。
 そこからパラリンピックの終了に向けて、それぞれのベニューにおいて、発注の数やタイミングについて、非常に丁寧に精査をされて、パラリンピックでは、パラリンピックも一部人が入れ替わったり、ボランティアさんの数が変わったりするところもございましたので、当初なり、あるいはそのベニューの間の連携ということについて、うまくいかなかった部分もあるかもしれませんが、そういうことが分かってからは、全体として把握できてからはそれを乗り越え、努力というものがなされてきたと思います。
(記者)
 金曜日の会見から状況が変わりましたので、菅総理の辞任意向が出されるなど、現段階での総裁選に対する大臣の考え等お伺いします。
(大臣)
 今、内閣にいる立場ですので、しっかりとまず閣内の一員としての役割、職務に邁進をしたいと思います。
 また一議員として、一党員として、考えるべきことについては、まだこれから、それぞれの候補者がどのように、実際に立候補をされるのか、またそれぞれ総裁選の中でどのような主張をなさるのかということを伺ってみないと、何とも言えない状況でございます。
 
                
 以上