令和3年7月16日


閣議後定例記者会見


冒頭発言

 まず、こちらから2件お知らせがございます。
 1件目です。毎年11月12日から25日までの2週間、女性に対する暴力の問題に関する取組を強化するため、「女性に対する暴力をなくす運動」を実施しています。運動期間には、全国のランドマークを紫色にライトアップする「パープル・ライトアップ」を実施いたします。このパープル・ライトアップには、女性に対するあらゆる暴力の根絶を広く呼びかけるとともに、被害者に対して、「ひとりで悩まず、まずは相談をしてください。」というメッセージが込められています。
 この度、今年度の「パープル・ライトアップ」の実施団体の募集を、内閣府男女共同参画局のホームページで開始いたしました。地方公共団体、企業、学校、団体、その他幅広い方々からのご協力をお待ちしております。
 お知らせの2件目です。本日の閣議後に、「東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部」の第19回会合が開催され、「東京大会の開催を控えた政府の取組状況」および「東京大会におけるセキュリティ対策の検討・推進状況」について報告をしました。
 菅総理からは、緊急事態宣言の下での開催となり、多くの制約があるが、国民の命と健康を守るため、感染対策を徹底し、安心・安全な大会を実現していくこと、まずは水際対策に全力を尽くし、海外から入国する選手や大会関係者について検査や行動管理を徹底し、大会組織委員会や東京都と連携して、万全な対応を行っていくこと、感染対策とあわせて、セキュリティ対策などに厳重な対応を行い、会場周辺のドローンの飛行禁止、鉄道テロ対策、サイバーセキュリティ対策を徹底すること、テレワークの推進、交通規制などによる都内の交通量の削減などに取り組むこと、等の発言があり、各大臣において、安全・安心な大会の実現に向けて最後まで高い緊張感を持って取り組むよう指示がありました。
 また、関係大臣からは、安全・安心な大会の実現に向けて、それぞれしっかりと取り組むという発言があり、また私からは、感染症対策に万全を期すとともに、セキュリティ対策、暑さ対策など、安全・安心な大会を実現するために大会組織委員会や東京都と連携をして、全力で取り組むので、関係各省でも協力をお願いする旨、発言をいたしました。
 東京大会まで1週間です。担当大臣として、総理からのご指示を踏まえ、関係閣僚、東京都、組織委員会等と緊密に連携しつつ、安全・安心な大会の実現に向けて取り組んでまいります。
 私からは以上です。

質疑応答

(記者)
 東京五輪開幕まであと1週間となりました。本日、大臣から冒頭ご説明があったように、推進本部が開かれたということですけれども、そちらで確認された事項について教えてください。また、五輪準備の最終段階になりましたが、政府としてどのようなポイントに注意をされていくのか、ご説明をお願いいたします。
(大臣)
 まず、推進本部第19回ということになります。この会では、東京大会を控えた政府の取り組み状況と東京大会におけるセキュリティ対策の検討・推進状況について政府から報告をし、菅総理から、各大臣において安全・安心な大会の実現に向けて、最後まで高い緊張感を持って取り組むよう指示がありました。関係大臣から、それぞれ所管する分野がございますので、安全・安心な大会を行うために取り組んでいる内容について、さらにしっかり取り組むという発言がありました。
 そして私からは、感染症対策に万全を期すとともに、セキュリティ対策、暑さ対策、安全・安心な大会を実現するために、こうしたことについて大会組織委員会や東京都と連携して全力で取り組むので、関係各省でも協力をお願いしたいということを発言いたしました。
 菅総理の発言にもありましたとおり、政府としては、安全・安心な大会を実現していくことが最重要であり、国民の命と健康を守るために感染症対策を徹底すること、セキュリティ対策などに厳重な対応を行うこと、ということが特に強調されました。その他についても、当然のことですが、当事者で連携をしてしっかり取り組むということをお互いに確認したところです。
(記者)
 大会関係者の行動管理につきまして、昨日、内閣委員会でプレイブック違反の可能性に触れられた上で、昨日中に組織委から回答を求めることをおっしゃっていました。回答があったのかどうかと、それから具体的にどのようなケースを把握されているのか、安心・安全な大会に向けてどう担保していくかを教えてください。
(大臣)
 既に報道等で出てきている事実といいますか、私どももその報道を見て大変驚きまして、ただちに組織委員会に連絡を取り、当事者を把握するようにと。それから、その報道がどのようなものであったのかということをきちんと確認をするようにということを含めて、プレイブックのルールが守られていないというようなことについて、組織委員会に対しては宿泊施設に配置する監督者の体制強化、また厳格な運用を行うということについて、どのような対策を取るのか問いかけをいたしました。
 組織委員会からは昨日のうちに、ホテル側の監視体制について、宿泊施設の職員と連携をしながら監督要員を配置するなど、施設の状況に応じて必要な体制を確保することとし、順次、管理体制の増強を図っていくという報告がございました。
 私どもの方からは、早急に管理体制の強化を行っていただくべく、引き続き、本日も含めてですが働きかけを行ってまいります。
(記者)
 大臣と総理、バッハ会長の会談についてお伺いさせてください。改めてですが、会談の中でバッハ会長とどういった話をされたのか。また、会談の中でバッハ会長が有観客を要請したという報道がありますが、これについて、大臣のご認識と受止をお願いします。
(大臣)
 まず、どのようなやりとりがあったかということですが、冒頭、菅総理大臣から、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に関して、アスリートが躍動する姿を通じて、未来を担う若者に夢と感動を伝えるとともに、世界が新型コロナという大きな困難に直面する今だからこそ、東京大会では世界が団結し、人類の努力と英知によって難局を乗り越えていけることを日本から世界に発信したいというご発言がありました。
 また、バッハ会長からは、世界中のアスリートが東京を目指して最後の練習に励んでいるということに加えて、東京大会は新型コロナという世界の困難を乗り越え、連帯の力をアスリートが率先して示す歴史的な機会となる、というお話がございました。
 その後、菅総理大臣から、政府として万全な感染対策を講じ、安全・安心な大会を実現する決意であり、この中で全ての参加者が感染対策をはじめ適切な行動を取ることが、国民の理解、大会の成功のために不可欠であり、IOCは主催者として選手や大会関係者に感染対策を徹底していただきたいということをお話しになりました。
 これに対してバッハ会長からは、困難な状況の下でアスリートを迎え入れる東京の人々に対する心からの敬意および感謝の意が示されました。
 そして、アスリート、ICO関係者、またメディア関係者それぞれについて、ワクチンの接種率についての披歴がございました。アスリートは85%、ICO関係者はほぼ100%、メディア関係者も70%〜80%の高い割合でワクチン接種を終えているということです。
 加えて、日本の極めて厳格な感染対策により、過去に例を見ないほど万全の準備が整ってきており、安全・安心な大会開催に向けた日本の取組を高く評価するという発言がありました。  また、ICOとしても、引き続き、全面的に協力する考えであるという発言がありました。
 発言については冒頭の発言、そしてその後、書面で皆さまにお示しがあったと思いますが、それ以上の内容についてのコメントは差し控えさせていただきたいと存じます。
(記者)
 有観客という要請をされたという報道に関してというのは。
(大臣)
 そういう報道があったことは承知をしております。
(記者)
 一部報道にもありますが、濃厚接触者と判断された選手の取り扱いについて、現在の検討状況をお聞きできればと思います。
(大臣)
 アスリートについて、変異株等に対応した追加的な対策についてというのは、コロナ対策調整会議で4月28日に出したものですが、これやプレイブックを踏まえて、濃厚接触者とされた場合に感染拡大防止措置を講ずることを条件にして、試合への出場を認めるか否かということについて、組織委員会、ICO、また東京都との間で調整を行ってきたところです。
 こうした中で、濃厚接触者となったアスリートが発生した場合に、14日間の個室での滞在、外出の禁止、また1人での食事、個別移動などの追加的な措置を受入責任者の下で厳格に行うこと。また、14日間、毎日PCR検査を行っていただくこと。その上で練習や試合参加をする際には、競技開始時間になるべく近く、かつ競技開始前に結果が判明するタイミングでPCR検査を行って、陰性を確認する。そして、接触が想定される競技の場合は、さらに終了後にもPCR検査を実施すること。そして、濃厚接触者が陽性と判明した場合に速やかに対応できるよう、対戦相手など濃厚接触者となる可能性のある人を事前にリストアップすること。こうしたこと、つまり、さらに厳重な防疫措置を講じることによって、感染拡大を防止しつつ、アスリートの競技参加を可能とすることとし、昨日、保健所等の関係者に周知をしたところです。
 政府としては、引き続き、関係者間でこの運用が厳格に行われることを丁寧に確認してまいりたいと思います。
(記者)
 先日、組織委員会の方が開閉開式のテーマについて公表がありました。その中で、音楽を担当されている小山田圭吾さんについて、過去に障害者をいじめていたことがあり、その件について、今、批判の声が挙がっています。これについて、この人選がふさわしかったのか、大臣の受止をお願いいたします。
(大臣)
 大変恐縮ですが、まだ報道を確認しておりませんので、報道を確認させていただきたいと思います。組織委員会においておそらく対応されておりますので、組織委員会に確認してみます。
(記者)
 新型コロナの影響で、事前・事後交流を取りやめた自治体数について、改めて最新の数字を教えていただければと思います。
(大臣)
 ホストタウンや事前キャンプ地での事前合宿や事後交流については、まず545自治体での受入が検討されていました。このうち、183の自治体において受入の取りやめがあったと報道等で承知をしています。
 その背景の主なものとしては、相手国の選手団が直接選手村に入ることにした等で事前合宿を行わなかった、これが130自治体あります。それから、自治体側で十分な受入体制を取ることが困難ということで取りやめたのが、21自治体です。出場権を獲得できなかったという理由が9自治体です。取りやめがあった183の自治体のうち、74の自治体では、他の国・地域の受入は引き続き予定されておりますので、現時点で受入予定があるのは436自治体ということになります。
(記者)
 大会関係者の行動制限の中で、食事、外食についてなんですけれども、入国後14日間を超えた関係者は公共交通機関は使えると思いますが、食事する場所はやはり競技会場や宿泊しているホテルのレストラン、もしくはテイクアウトして自室で食べるという制限がそのまま適用されているという認識で大丈夫なのでしょうか。
(大臣)
 私がプレイブックを通じて、また組織委員会等に確認をしている限りにおいては、14日目まではプレイブックのルールに従って行動していただくことになります。つまり、食事の場所、行動範囲等については制限がございます。15日目からについては、日本で在住をされている方と同じく、その地域ごとのルールに従っていただくということになります。
(記者)
 そうすると、外からバブル内にウイルスを持ち込まれる危険というのも増えてくるんじゃないかと思うんですけれども、そのリスクに対する考え方を教えてください。
(大臣)
 大会関係者が選手等との接触の度合いに応じて、定期的に検査を受けていただいております。この検査を受けなかった場合のルールについては、私どもも組織委員会と共有をさせていただくということになっておりますので、大変厳しい措置が取られることを前提に行動していただくようにお願いをしています。
(記者)
 大臣も強く要請されている大会関係者の削減についてなんですけれども、今現在、開会式など、どのような人数になっているのか。把握されていますか。
(大臣)
 大変恐縮ですが、まだ調整をしていただいていると伺っておりまして。相当努力をして絞り込みをしていただいているようには伺っておりますが、まだ精査をしている最中ということでございます。
(記者)
 今日時点での把握されている入国者数について、お伺いできますでしょうか。
(大臣)
 大変恐縮ですが、内閣官房として今手元にあるのは、ホストタウンの関係の入国者になります。ホストタウンで事前合宿をするということで入国をされている皆さまというのは、7月1日〜15日まで、スタッフだけということも含めて、92の国、地域から4,561人でした。
 空港での検査については、7月3日の入国のセルビア選手団から1名陽性が判明した以降は全て陰性という報告を受けております。
 ホストタウンにおける感染については、すみません、表現がややこしくて申し訳ないのですが、空港ではないけれども外国から入ってきて、ホストタウン等で感染が判明した方が、一昨日、ロシア選手団から1名、陽性が判明しております。
 一方で、ホストタウンの受入側、自治体関係者側の陽性者というのは、7月13日までの間に計10名、陽性が判明している状況です。こうした陽性となった方々と選手等との近距離での接触はないと伺っております。
 
                
 以上