令和3年6月22日
閣議後定例記者会見
冒頭発言
まずこちらからのお知らせでございますが、明日6月23日から29日までは、男女共同参画週間です。今年は、「女だから、男だから、ではなく、私だから、の時代へ。」というキャッチフレーズで、この週間を中心に、全国で様々なイベントを集中的に展開をしてまいります。
明日23日には、駐日女性大使をお招きして、オンラインで懇談会を開催いたします。ジェンダー平等に向けた取組について意見交換を行い、全てで14名の駐日大使、女性の大使がご参加くださいます。
また、最終日の29日には、お手元に配付しております資料のとおり、中央行事として、「男女共同参画社会づくりに向けての全国会議」を開催いたします。内閣府ホームページを通じて、オンラインでライブ中継をするとともに、その後1カ月間の配信をいたします。どなたでも視聴が可能ですので、是非多くの方にご覧いただきたいと思います。
女性も男性も、性別に関わらず自分らしく活躍することができる社会の実現に向けて、機運を高めていきたいと考えております。
私からは以上です。
質疑応答
(記者)
オリンピックを巡って、最近の世論調査で、弊社の世論調査でも「無観客で開催すべきだ」が40%以上に上っていまして、朝日新聞さんの世論調査でも「観客なし」53%、こういった世論の受止を、大臣としての受止をお聞きしたいと思います。
(大臣)
様々な世論調査を拝見しておりまして、まず大会開催ということについて、ご理解いただける方が増えてきたということは、様々なプレイブック二版、三版等に込められました水際対策等について、一定の理解が進んできたからであろうというふうに解釈をしております。
他方、観客を入れたときの様々なリスクへの対応が十分かどうかという点について、まだまだ国民の皆様にご懸念があるのだという受止をしております。
先般、組織委員会で開かれましたラウンドテーブルでも、様々な専門家の評価、あるいはシミュレーションが示されました。例えばそうした中では、これは東京都の方からの情報で示されたものでありますけれども、通常291万人の人が1都3県、東京都内で昼間、通勤通学で入ってこられるということであります。
そうした中で、通学の方が75万人というデータがございますけれども、他方、大会を開催したときに東京都内へ流入してこられる人口というのは19万人ということでありまして、夏休みで学校が休みになる間、東京都内に流入しなくなる人口の方が、大会の入って来られる人口よりも少ない(※多い)ということになります。
こうしたデータであるとか、昨日五者会議の中でも都知事から大会期間中、大会のみならず、コロナ対策ということで病床の確保6,000床、また宿泊療養に関しては5,700室確保しているというような情報もございました。
こうした備えをしっかりと、大会に限らずコロナ対策として行っているというような様々な情報を国民の皆様にしっかりとお伝えしていくことで、安心安全の大会ができるということについての理解をより深めていく努力が必要であろうと思っております。
また、尾身会長からのご提言については改めて申し上げますけれども、より厳しい基準を一般の基準よりも当てはめるようにというご指摘でございましたので、50%以内という、経過措置でもない、またまん延防止等重点措置でもない地域においても、50%以内かつ1万人上限というものを当てはめさせていただきましたし、また地域をまたぐ移動については、大会期間が夏休みと重なります。そもそも夏休み期間中の人流対策というのは、コロナ室においてもかなり注意を払って様々な対策を打ち出すということを伺っております。
そうしたことの中で、政府として総合的に人流対策をしっかり行っていくということで、コロナ室も連携をしっかり進めていくことにしております。
こうしたことを一つ一つ積み重ねながら、国民の皆様に安心安全であるということが確信いただけるよう努めてまいりたいと思います。
(記者)
今のに関連して、昨日の人流対策でコロナ室が支援されるというご発言があったと思うんですけれども、具体的にどういったことを検討されていますか。ございましたらお願いします。
(大臣)
まず、県境をまたぐということについて、尾身会長から非常に懸念があるというご指摘がございました。これについては、一般的に言っても、特に夏休み期間中、特に県をまたぐ移動ということが増えるリスクがあるということで、できる限りこれについてまずご自分の体調をしっかり管理していただいたり、あるいは症状が見られる、発熱等の懸念がある場合には、こうした移動を取りやめていただくということは一般的に呼びかけをされると伺っております。
また他方で、県をまたぐ際等に、今例えば沖縄県等ではそのようなお声がけも可能になっておりますけれども、知事の方から県をまたいで来られる方に、是非検査をしてきてくださいという推奨をされるというケースがございます。
こうしたことについて、コロナ室においてしっかりと知事部局を支援していくということを伺っておりますので、このコロナ室の動きと連携をしていきたいと考えております。
(記者)
橋本会長がですね、昨日の五者協議の後の記者会見で、観客への酒類の販売提供については、大声の抑止、安全な誘導の実現の観点や現在の、一般的ルールを鑑み検討中だと述べています。一部報道によると、既に提供を認める方向で調整が進んでいるようですが、これは適切な対応なのかどうか、適切でないとすれば、政府として組織委に、どのような対応を求めていくのか、大臣の考えをお願いします。
(大臣)
現在、飲酒、あるいは酒類の提供のあり方については組織委員会が検討していると伺っております。他方、地域においては、知事がそのときそのときで何時まで提供できる、どのような形であれば提供できるということが、その地域が、例えば経過措置にあるのか、あるいはまん延防止等重点措置にあるのかによっても違いますが、一定の呼びかけや、あるいは望ましい姿というのをお示しになられると思います。
こうしたこともありますので、地域の知事との連携・調整も十分によく配慮して、相談した上で決めていくことが必要だというふうに思います。
(記者)
大臣として、そういう形は、その観客がお酒を飲みながら観戦というそのものについては望ましいというお考えですか。
(大臣)
大会の性質上、ステークホルダーの存在というものがどうしてもございますので、組織委員会としてはそのことを念頭に検討されると思いますけれども、大声を出さない、あるいは拍手だけで応援をするという観戦スタイルをしっかり貫かれるような形で、ご検討いただきたいと思います。
(記者)
大会関係者のワクチン接種に関することでございます。
それまでファイザー製の4万本が確保されてきたかと思うんですけれども、大臣は従前からボランティアに関して、できるだけ多くの方に打っていただきたいということでお話されていたかと思います。
今後の政府の見通し、新たな確保があるのかどうかなどについて伺えればと思います。
(大臣)
まず、組織委員会において職域接種という形で確保をしている中で、大会運営関係者のワクチン接種を随時進めていただいております。
またボランティアの皆さんに関しては、東京都が大変大きな協力をいただいておりまして、東京都自身の都市ボランティアについても、東京都が前向きに検討していただいていると伺っております。
他方、ボランティアの皆さん、全国からおいでになります。お住まいの地域で打っていただくことが望ましいわけでございますが、この点についてはまだ引き続き、調整が必要な状況になっております。
(記者)
先週6月18日の定例会見で弊社の記者が丸川大臣に対して、選手村への酒類の持込やコンドーム16万個の配布計画について質問をしまして、それに対して丸川大臣は、組織委員会でどのように検討されるのかまずは伺ってから相談したい、と回答なさいました。20日にですね、選手村がマスコミに公開された際に、組織委員会の北島隆ゼネラルマネージャーが、コンドームは帰国時に配布、酒類は持ち込んでも多人数では飲まないよう呼びかけることを発信しましたけれども、これは丸川大臣からの相談があり、例えば会見のやり取りが報道されたことを受けての説明でしょうか。
また、選手、関係者、国民を守るためにバブル隔離の運営と手続きの方針として、選手や関係者に、飲酒禁止、セックス禁止を強く言い渡すことを、オリパラ推進室や組織委員会、IOCはなさらないのでしょうか。
(大臣)
まずですね、先週の報道と関係あるのか、ちょっと私にはなんともわかりません。様々な報道もあり、また様々なご指摘もある中で、組織委員会がご判断をされております。
コンドームについては帰国時にお配りになるということは私も報道で拝見しました。まだきちんとご報告を受けておりませんけれども、公の場でそのように説明されたということは、そういうことであろうと理解しております。
また酒類の持ち込みについては、今まさにご質問あった通りでありまして、組織委員会の中で慎重にご検討いただいているものと思います。
他方、私どもの立場から、1人1人が、まず1人の人としての権利を持っていますので、そうしたことを十分に配慮した上で、どのような制限が可能かということを常に検討していかなければなりません。私的な空間で、個人がどういう行動をとるかということについてまで国家の権力が及ぶというのは、なかなか考えにくいことでもありますので、では私的な空間をどういうふうに設定するのか、あるいはどう捉えるのかということについては、十分な検討が必要なものと考えております。
(記者)
本邦活動計画書についてお聞きしますが、9日の衆院文科委員会で、大臣の方から、もし例文のまま来たら当然弾きますという発言や、コピペされたものが出回っている実態はないとの発言があったと思いますが、この件に関して、例文をコピーして提出しているような例もあるとの報道を聞いています。
もし仮にコピぺされたような実態があるのではないか、またはそういったものが受理されて入国した場合は、受理された場合は入国などが認められるか、大臣の受止をお願いします。
(大臣)
まず9日の文科委員会で私が申し上げましたのは、そうした書類が出てきたときには、そうしたものは受け付けられませんということを申し上げました。実際にコピー・アンド・ペーストしたものを提出している方、もしかしたらいらっしゃるかもしれません。
提出されることと、受け付けるかどうかということは別のことであるということをまずご理解ください。
私が申し上げましたのは、受け付けられないということであります。具体的に私もどのような計画書が出ているかというのを、二、三見せていただきました。詳細に書き込まれているものについてもなお、なぜ早く入ることができないのかという具体的な理由が書かれていないもの、あるいは入ってきてからの活動がなぜすぐ始めなければいけないのかということが具体的に書かれていないもの、こうしたものについては全て弾いております。
かなり字数がたくさん書いてあるなと思う報告書というか、提出してある案文も見ましたけれども、こうしたものも弾いているということで具体的に見せていただいておりますので、もしかしたら毎日新聞さんのルートでその書類を提出された方というか、毎日新聞さんにその書類を渡された方は、それが提出されたというところまでは確認されているかもしれません。是非その提出した書類の方が実際に入国の許可を得られたかどうかということをご取材いただいて、もし入国されているということであればそれは大問題でございますから、私どものほうでしっかり厳しくその点について、組織委員会に指摘をさせていただきたいと思います。
(記者)
先日ウガンダの代表選手がコロナに感染した件で、野党の合同会議でその選手の濃厚接触者について、空港検疫では確認しておらず、自治体に任せているということが明らかになりました。
これについて、改めて説明と、今後選手が来日する際に空港検疫で態勢についてチェックは、濃厚接触者のチェックはどうしていくのかお伺いしたいです。
(大臣)
通常の空港検疫においても、濃厚接触者の疑い、難しいんですけど、陽性の疑いじゃなくて濃厚接触者になるかもしれない人というのは、ご自身の待機場所までご自身で行っていただくと。そしてそこで待機をするということになっています。
ですので、今回の場合も、待機場所に行っていただいて待機をしていただくという方法をとりましたが、ただ一般ですと、他の人と接しない車でご自分で移動してくださいということになるところを、管理された車両で皆さん一緒に移動をしていただきましたので、徹底して管理された状況の中で待機場所に行っていただいております。
そして、私たちの検疫の仕組みですと、まず空港で陽性の方が出ました。濃厚接触の人がいるかもしれませんということになると、厚生労働省の方で調査をして、そして地元の、つまりそれを受入をされる保健所の方で最終的に判断をするという、こういう仕組みになっています。
ですので、今まさに我々から厚生労働省の方で調査した情報を、泉佐野の保健所の方へお渡しをしていて、もう泉佐野保健所からほどなくそのことについて、濃厚接触者の方がいたかいないか、またそれがいるとしたらどういう状況なのかということについても、ご説明があると思います。
(記者)
となると、今後も今回のような形になった場合は、自治体に行くということは今後も変わらないんですよね。
(大臣)
自治体に受入場所を作っていただいておりますのは、まさにバブルを作るために作っていただいておりまして、既にオーストラリア、入国と取材された皆さんお分かりになると思いますけれども、完全に隔離をした状態で移動をしていただき、今回のウガンダの選手の皆さんもそのトイレ付きのバスで移動していただいて、全く他の方と接触をしない形で移動していただいております。
受け入れていただく待機場所というか、つまり彼らが過ごす場所についても、100%国民の皆様から隔離され、接触される方については毎日検査を行っていただくという状況でやっておりますので、徹底したそのような管理の中で、これからも万が一空港検疫で引っかかる方がいらっしゃった場合には、そのままバブルの中に入ったままの状態で待機すべき場所に行っていただくということになります。
(記者)
ウガンダの選手の件なんですけれども、この間錦織テニス選手がコロナウイルス陽性であって、オーストラリアのテニス大会で行われたように、同じ飛行機の全ての選手を隔離されたんですけれども、何でオリンピックなのに、こんな大きな大会なのに、バラバラにするんでしょうか。
細部を書かれていないんですけれども、国民の安心安全のために一緒にみんな全部同じようなオーストラリアのやり方の方がいいんじゃないかなと思いますけれども、いかがでしょうか。
(大臣)
濃厚接触者の特定については、厚生労働省の方と保健所の方でご判断をいただいておりますけれども、もし差し支えなければそちらで詳しく聞いていただければ、オーストラリアと我が国のやり方がどうして違うのかということが分かっていただけるかと思います。
私の知る限りでは、機内の気流、空調の空気の循環、これはどのような構造になっているかということを基準に、どこまでの方がその方を中心とした気流に触れるのかということで判断をしていると伺っております。
(記者)
最後にちょっとオリンピックから離れて大変恐縮なんですけれども、夫婦別姓を認めない民法や戸籍法の規定が憲法違反だという裁判が最高裁で明日判決が出るんですけれども、改めて丸川大臣の選択的夫婦別姓に対する考えやご見解をお伺いしたいです。
(大臣)
私個人の考えについては、これまでもお伝えをしてきませんでしたし、今もってなお大変恐縮ですが、私の職員にもその話をしておりません。
夫婦別姓についての議論というのが、国民の中でしっかりと深まって、幾つか選択肢が示される中で、それぞれが何を意味するのかということをご自身のこととして理解していただく、議論の深まりが重要であるという観点に立って、今まで職員の皆さんと一緒に、様々な議論を喚起する、そういうことに努めてまいりました。
幸いにも、私が就任してからそれぞれの党での議論も深まりまして、それぞれなりのご見解を示されたり、課題を提示されたりということで議論が深まってきております。
こうした中で、明日判決が出るというような報道がございましたけれども、現時点で私がそのことについて何かコメントすることはありません。ただ、国民の皆様が議論をする素地が作られてきた中で、よりそれぞれの自分ごととしての議論が深まることを願っております。
以上
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