令和3年6月15日
閣議後定例記者会見
冒頭発言
今日2件お知らせがございます。
まず1件目ですが、日本政府が調整してファイザー社から無償提供されることとなったワクチンについては、選手及び各国選手団と一体となって活動する大会関係者を対象に、これまでおおむね2万人分提供されることとなっておりましたが、今般、各会場で活動する競技スタッフやメディアも含めて、ワクチンの無償提供の対象とするように、IOCから組織委員会に対して提案をいただきました。
ファイザー社からは、先に発表があった分と合わせて、おおむね4万人分のワクチンが無償提供されることになったと伺っております。
先に無償提供いただいたワクチンについては、ナショナルトレーニングセンターにおいて、選手については既に接種が開始されていますが、一部の大会関係者についても、明後日17日から接種が行われることになると承知をしております。
今回追加で提供されることになったワクチンの対象者については、今週以降で、速やかに接種を開始できるよう、組織委員会をはじめとした関係者と速やかに調整を行ってまいります。
続いて2件目です。オリパラ特措法に基づく「東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会の準備及び運営の推進に関する政府の取組の状況に関する報告案」が、本日持ち回りで開催された「東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部」で決定されました。
報告書は、今回で5回目になります。主に令和2年度の政府の取組状況を中心に整理しております。この報告書、本日の閣議決定を経まして、国会に提出をいたします。
引き続き、東京都、大会組織委員会、IOCなどと緊密に連携しながら大会に向けた準備を進めてまいります。
以上2件お知らせをさせていただきました。
質疑応答
(記者)
トランスジェンダーで男子から女子へ競技する性別を変更したニュージーランドのローレル・ハバード選手が東京五輪の出場権を獲得しました。身体的な優位性から女子選手が公平に競えないとして一部国内外から批判もありますけれども、大臣はこの問題をどのように捉えていらっしゃるでしょうか。
(大臣)
オリンピック憲章にありますオリンピズムの根本原則、何度も我々は立ち返るものですが、ここには性別、性的指向による差別の禁止が掲げられておりまして、私たちのこの大会のコンセプトの多様性と調和が掲げられています。
そしてIOCではトランスジェンダーの選手が競技に参加する機会を得られるようにということで、条件を定めたガイドラインを2015年に策定しています。そのガイドラインを考慮して、参加資格が決定されていると承知しております。
この一連の取組も含めて、東京大会において、多くの方々の理解が得られる形で多様性と調和の重要性が改めて認識されることを願っております。
(記者)
オリンピックの聖火リレーが明日16日から東日本大震災の被災地の岩手県に入ります。その後19日から宮城県に入ります。聖火や東京大会に反対意見の県民の方もいらっしゃれば、大会を心待ちにしているという県民の方もいらっしゃいます。被災地を巡る聖火リレーはどのような機会になることを大臣は期待されますでしょうか。
(大臣)
福島を出発して始まった聖火リレーが、再び東北三県の被災地に戻ってきました。それぞれ思いを持ってこのトーチを、炎をつないでいただく皆さま方には、それを支えるスタッフの皆さまとともにこの日まで準備にあたっていただいたこと、本当に感謝したいと思います。
そして、この聖火は希望の灯火となってしっかりと東北の今を、復興しつつある現在の姿を発信してくれることを心から願っています。
キャンプ等もいろいろと、特に事後交流や復興ありがとうホストタウンでの交流も進めていただいておりますので、これが大会終わった後もつながっていくものになるように、今しっかりお取り組みをいただければと思っております。
(記者)
今日公表されるプレイブックの関連で、いわゆる罰則分の内容も一緒にされると思うんですけれども、この罰則強化をどうコロナ対策の実効性の担保につなげていきたいか、改めて大臣のお考えをお願いします。
(大臣)
我々としては既に厳しい罰則をもって臨むということを申し上げてきたことを明記しておりますけれども、改めてこれをしっかり選手団及び関係者の皆さまに肝に銘じていただいて、抑止力としてこのルールを受け止めていただきたいと思っております。
もちろん、現場で我々は人の目をもってしっかり確認をするという作業を詰めてまいりたいと思います。
(記者)
菅首相がイギリスのG7サミットに参加して、そこでの首脳宣言の中にも、五輪の開催を支持するというような文言が入りました。菅首相も全閣僚から支持を得たと発言されていますが、大臣の受止をお願いします。
(大臣)
ありがとうございます。まずG7サミットで安全・安心な大会の開催に向けて菅総理が決意を述べ、また万全な感染対策を講じ、準備を進めているということについて説明をされ、担当大臣としては身の引き締まる思いです。
そしてこれに対して、G7各国首脳から大会の開催に対する力強い支持をいただいております。私としても大変この支持は心強いと思っております。
加えて、まだまだ私たちには感染対策としてさらにできることがあるという思いでありますので、残り少ない日数ですけれども、徹底的に感染対策を最後まで詰めてまいりたいと思っております。
以上
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