令和3年4月16日
閣議後定例記者会見
冒頭発言
おはようございます。まずこちらから1件お知らせがございます。
今日は文部科学大臣と同時に、こちらでも発言をさせていただく内容です。
内閣府と文科省とで共同で、子どもを性暴力の当事者にしないための「生命(いのち)の安全教育」の調査研究事業というのを実施してきました。
これは、子どもたちが犯罪、性犯罪の被害の当事者にならないための教育が必要だということが、性犯罪被害を受けた方たち、あるいは憲法の改正に取り組んでこられた関係の方たちから非常に声が上がってきたものを、ずっと取り組んできたことでございます。
この調査研究事業が、このたび報告書を取りまとめましたので、皆さんにお示しさせていただいております。
まず、前提として性暴力、性犯罪は被害者の尊厳を著しく踏みにじる行為であり、その心身に長期にわたり重大な悪影響を及ぼすものです。
こうした性暴力の根絶に向けては、性暴力の加害者にも、被害者にも、傍観者にもならないための教育や啓発が非常に重要であります。
このことに対しての取り組みを強化していくことが必要だと、そういう思いで、この調査研究事業を進めてまいりました。
有志者による検討会を開催し、有志者の知見を得ながら、工夫をした分かりやすい教材や、年齢などの発達段階に応じた適切な啓発資料などについて検討し、教材のイメージや指導の手引きを作成しました。
これを受けて文部科学省において、モデル事業を今年度実施することとし、予算も取っていただいております。
当初3,200万円で熟考程度になるというお話を伺っておりますけれども、昨年6月、関係府省会議において、性犯罪、性暴力対策の強化の方針を取りまとめ、令和4年度まで性犯罪、性暴力対策の集中強化期間として取り組みを進めているところです。
文科省においても、これからわれわれと話をしている中で、お互いに希望していることというのは、あるいは3年度にまずモデル事業をやると。
令和4年度、それをさらに横展開していって、その先普通に学校で受けられる授業のプログラムにしたいというように思いを持っております。
冒頭に言ったことの繰り返しになりますけれども、法律の改正、これ平成29年の後、やはりもう一歩踏み込んで、被害者の立場に立って改正が必要だということで、今その法精神にかける前の議論というのが法務省において進められているわけですが、一方で、そもそもこういう被害を生まないために何が必要かということを考えたときに、教育だということが、多くの当事者の間で共通した意識でございますので、やっと一歩踏み出すための素材というか、土台というのができたというものでありますから、これからしっかり文科省と連携してこれは進めていきたいと考えております。
以上です。
質疑応答
(記者)
14日の衆院文部科学委員会で、丸川大臣のほうから、東京大会に参加する選手を対象に、新型コロナウイルスの検査を毎日する方針を明らかにされました。
医療や行政が逼迫する中、選手を毎日検査するのは可能なのでしょうか。
改めて大臣のご所感をお願いします。
(大臣)
おかげさまで、検査の体制というのは今、非常に充実をしてきているというふうに感じております。
民間の事業者の中でも、かなりの勢いで検査の体制を増強しているところも出てきておりまして、恐らくこれから社会経済活動を動かしていく上で、検査の充実が必要だという思いを持っている方がたくさんいらっしゃるからなのだと理解をしておりますが。
私どもは私どもで、ワクチンを打てる国もあれば打てない国もあるという中で、世界各国から選手をお迎えするにあたって、安全安心な大会を実現できると考える方策の一つとして、この毎日の検査ということを具体的に検討しています。
選手はもちろんですけれども、それに帯同するコーチや監督、あるいはコンディショニングにあたる方たち、また選手の生活の場面に関わってくる方たち、どの範囲までが検査が必要な方たちなのか。
また分村もありますし、予選の会場というのは幾多の県に散らばっていますので、こうしたところとの移動も含めて、どのような検査の体制を構築していくかということについて、具体的に実務的な検討というのを進めているところです。
(記者)
4月14日にIOCのコーツ調整委員長が、「オリンピック東京大会は確実に開催される、選手や観客のための安全対策は実施され、完全に人類が勝利したことを示す」といった旨のメッセージを発表されました。
ですが、日本政府からは、完全に人類が勝利したことを裏付ける具体的な安全対策が何も示されていません。
それどころか、自民党の二階幹事長は、4月15日、TBSの番組の収録で、「オリンピック東京大会の開催について、とても無理と言うならやめないといけない、五輪で感染をまん延させたとなれば何のための五輪か分からない」と語りました。
また、厚生労働省感染症対策アドバイザリーボードメンバーの西浦博教授や、東京都医師会の尾崎治夫会長も、「コロナ対策を優先し、夏のオリンピックは1年再延長するべきである、たとえ無観客であってもなかなか難しい」との見解を示しておられます。
加えて、英国BMJ、BMJと言いますと、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルという雑誌も、4月14日付で五輪の開催によって、アウトブレイクを封じ込める能力が著しく損なわれる可能性があるとして、五輪開催によって感染拡大が起きることを指摘して、五輪開催の再考を求める論考を掲載しています。
政府は、本気でオリンピック東京大会を開催し、二階氏の心配を杞憂に終わらせたいのであれば、オリンピックの安全な開催手法について、今すぐ国民や国際社会に対し説明する義務があると思われます。
国内外に対して説得力を持った具体策を今の時点で示せないならば、五輪開催の可能性は遠のき、実際に開催されないとなれば、聖火リレーの運営経費である116億円も全くの無駄になります。
以上について、丸川大臣のお考えをお願いいたします。
(大臣)
4月中にプレイブックを改定して、感染対策の具体的な方向性なり、内容をお示しさせていただくことになると思います。
もう一度、実は大会前に改定するだろうという話を伺っておりますので、プレイブックを通じて、まず関係者の皆さまにしっかりと、安心安全の大会が開催できるという確信を持っていただきたい、そのように考えております。
(記者)
昨日自民党の二階幹事長が東京オリンピックについて中止の選択肢があることを示唆しています。
その後釈明したことについての担当大臣としての受け止め、どのようにそれを受け止められているかお願いします。
(大臣)
小池さんもおっしゃっていますけど、そのようなことにならないように、しっかり安心安全の大会の実現に取り組むようにという叱咤激励ではないかと受け止めております。
(記者)
菅総理が昨日から渡米して、その後バイデン大統領との首脳会談を予定されています。
会談で東京五輪が話題にのぼるとすれば、例えば開催への支持など、どういったやりとりを期待されますでしょうか。
(大臣)
先だって、駐日米国臨時代理大使がおいでになりまして、大会の参加に向けて着実に準備を進めておられるお話を伺いました。
是非、アメリカは大きな選手が率いておいでになりますので、アメリカも万全の態勢を敷いておられるようなお話を伺いましたので、是非しっかり連携をしたいと思います。
(記者)
14日に下村政調会長の方からワクチンの接種の検討について発言があったと思います。
9日の閣議後会見で大臣の方が、現在もこの後も検討しないというお話あったのですが、今の検討状況などがあれば教えて下さい。
(大臣)
具体的な検討は政府で行っておりません。
(記者)
先ほどの大会期間中の選手の検査の頻度について、毎日ということですけども、それは組織委員会の間では、そういった考え方を共有して、そういうところで進めているということでしょうか。
(大臣)
私の認識では共有しています。
(記者)
組織委員会もそういう理解で。
(大臣)
実務的な作業を一緒に詰めています。
(記者)
分かりました。
(大臣)
アスリートの皆さま方に、今回いろんな発言がこのところ相次いでおりますけれども、私たちはIOC、IPCがまず開催を決定する権限を持っていて、そのIOCのコーツ調整委員長が必ず開催する、予定どおり7月23日から開催されるという言葉を、非常に心強く思っております。
それを実現するために、政府として、政府もなすべきことをしっかりやっていきたいと思っています。
是非このIOC、IPC、また主体者の東京都、そして組織委員会の固い決意というものをアスリートの皆さんには信頼をしていただきたいと思いますし、五者がしっかりと連携しているということにも認識を持っていただければと思います。
(記者)
毎日の検査なのですが、5月からのテストイベントでも同様の措置を取られるご予定かどうかを教えてください。
(大臣)
基本的にはその方向で調整をしております。
以上
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