令和3年3月12日


閣議後定例記者会見


冒頭発言

 今日は2つ、私から皆様にお伝えしたいことがありますので、先にお話をさせていただきます。
 まず、明後日3月15日から26日まで「国連の女性の地位委員会」、いわゆる「CSW(Commission on the Status of Women)」が開催され、私から、「一般討論」と、それから「閣僚級円卓会合」において、ビデオメッセージ形式でステートメントを述べます。
 女性版国連総会とも言われている会議でございますが、この「CSW」は、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントに関する国際社会で最も重要な会議の1つです。
 今年は、「公共分野における女性の意思決定の参画と暴力の根絶」をテーマに、各国の取組や課題を共有することになっています。
 私からは、昨年12月に閣議決定されました第5次男女共同参画基本計画の内容、また、我が国から国際社会に向けた貢献、そして我が国の新型コロナウイルスのジェンダーの視点からの取組を発信させていただきました。
 そして、世界各国で女性と女児のために尽力をされている全ての方々への心からの敬意を述べさせていただきました。
 このステートメントですが、国連のホームページで配信をされまして、今年、私たちが把握している限りで言いますと、ウェブ上の開催といいますか、リアルのものも多少あるのかもしれませんが、基本的にはそれぞれそのいる国からのネットを通じて会議をするという形になっているようでございまして、このステートメントも国連のホームページ上で配信をされます。
 その後もアーカイブをされるということになっておりますし、内閣府の男女共同参画局のページにも上げさせていただくことになっております。
 また、この機会に、いつも国会期間中でこの会議に担当大臣が出席できないという状況にありますので、いつの日か、担当大臣がしっかり行けるような環境が整えば望ましいなと願っております。
 それから、もう1点は、サイバーセキュリティに関することでございます。
 政府は、サイバーセキュリティ戦略本部決定に基づきまして、クラウドサービスのセキュリティ評価制度であるISMAPの整備を進めてきたところですが、本日、この制度において安全性が評価されたクラウドサービスリストを公開するに至りました。
 10時に公開をいたします。
 この制度は、統一的なセキュリティ要求基準に基づいて、第三者が監査するプロセスを経て安全性が評価されたクラウドサービスを登録するという制度です。
 今後、政府機関は、このリストに掲載されたサービスから、原則としてクラウドサービスを調達することになります。
 また、公開されるリスト等を民間等においても是非参照いただいて、セキュリティに配慮したクラウドサービスの活用が推進されることを期待しております。
 この制度を通じて、デジタル社会の実現と、より一層のセキュリティの向上を図ってまいります。
 私からは以上でございます。

質疑応答

(記者)
 IOCの会長選挙でバッハ会長が再選されました。
 昨日も大臣からコメントを出されましたが、改めて受止をお願いします。
(大臣)
 再選されたことに、まず祝意を申し述べたいと思います。
 加えて、私どもにとって、この2020年東京大会まで準備を進めてくる道のりというのは、まさにバッハ会長の第1期目と共に歩んできたものだと思っております。
 バッハ会長は2013年、ちょうど東京が開催地として選定された、あのブエノスアイレスのIOCの総会で会長に就任をされました。
 2期目に至るまでは、今まで誰も経験したことがないような感染症の拡大という大きな課題とも向き合いながら、東京大会の開催に向けて大変な御尽力をされてきた、とても心強い存在であります。
 2期目におかれても、強力なリーダーシップを発揮していただけるものだと期待を寄せております。
 また、私どもにとっては、昨日、東日本大震災十周年の式典を迎えましたが、発災から10年を迎えて、ますます復興五輪、復興パラリンピックという思いを強くしているところでございます。
 こうしたことから、私どもも、バッハ会長が再選された機会に、またこれをしっかりと国として取り組んでいかなければいけないという思いを新たにいたしましたので、安心・安全な中にも、こうした夢と希望を与える大会にしていくべく、バッハ会長とよく連携をしていきたいと思っております。
(記者)
 今もおっしゃいましたが、先日の五者協議の挨拶などでも、東京大会の開催について安全・安心が最優先されると強調されてきたと思います。
 具体的に何をもって安全・安心と判断するのか、現時点で考える指標などがありましたらお聞かせください。
(大臣)
 前回、五者協議の冒頭、公開されていた部分でも、バッハ会長が、まず大会の中核的な、「コアは」という言い方をされたかと思いますが、「competition」である、つまり選手が競技をすること、公平な競技をすることだと強調をされました。
 これは私たちの間で共有されている認識だとおっしゃいましたけれども、まさに選手がまず安心して参加できる大会であるということが、1つの大きな基準だと私は思っております。
 そして2つ目には、地域が安全に受け入れていただける大会であるべきだと思っております。
 この2つの大きなことが、まず、この大会を実現する、安全・安心といったときに、私たちがクリアしなければいけない課題だと思っています。
(記者)
 IOCのバッハ会長が、中国からの五輪のワクチンの提供の申し出があったことを発言されましたけれども、その受止と、中国製ワクチンの接種を求めるべきだとお考えかどうか、そのあたりはいかがでしょうか。
(大臣)
 まず、事前に伺っておりませんで、調整もありませんでした。私どもも、橋本会長と一緒で。
 私たちが把握している情報というのは、今のところ時差もございまして、IOCのホームページ上にある情報、それから報道ベースのみでございます。
 皆様も、そのコメントをご覧になったかと思うんですが、バッハ会長も、中国のワクチンが承認された国においてのワクチン供給において触れておられるという認識ですので、承認された国において御判断されることであろうと思います。
 私どもの国で、中国のワクチンを中国の企業が承認申請しているかどうかについては、私は把握しておりません。
 いずれにしても、この大会はワクチンを接種しておいでにならなくても安心して大会に参加していただける、安全に大会を受け入れられる、そのための行動管理、また、検査をはじめとした総合的な感染症対策を取ることにしております。
 そのための検討を今も続けているところでありますので、ワクチンの接種は前提としないという原則は変わりません。
(記者)
 今の、中国からのワクチンの供給について質問なんですけれども、全世界でワクチンの供給の格差が生まれている中で、アスリートが特権的に接種するかのように受け止められるというのは、東京大会にとっていいことなのか悪いことなのかわりませんが、もう少し慎重な検討が必要かと思うんですけれども、日本側に調整なしに、ああいう場でバッハさんが発言されたことに対しては、大臣はどのように感じますか。
(大臣)
 これから、おそらく、もう一度五者協議をやるのであれば、事務的に御趣旨を賜って、調整をするのだろうと思います。
 受止というよりも、各国で判断されることについて付言をされたという趣旨なのかなと、ちょっと私の立場では何とも申し上げづらいのですが、趣旨をよく理解した上で、また調整をさせていただければと思っています。
(記者)
 選択的夫婦別姓の件なんですけれども、自民党のワーキングチームを立ち上げまして、メンバーは男性のみということなんですが、このことについての大臣のお考えをお願いします。
(大臣)
 自民党の中の話ですので、今は政府の立場にありますので、コメントを、それについてするのは控えさせていただきたいと思いますが、私の立場としては、議論が深まるということは、いずれの場面においても望ましいことだと思っておりますので、是非これからも、各党はもちろんでございますが、国民の各界、各層の皆様方が意識を持って議論をしていただけると大変嬉しいなと思っております。
(記者)
 昨日の震災の追悼式の式典で、総理が復興五輪、五輪・パラリンピックに一切触れなかったということが話題になっておりますけれども、この件に関して御見解をお願いします。
(大臣)
 式辞の文言のコメントについて私が何か申し上げる立場にないと思っておりますが、ただ、私自身が官邸に、突然大臣に就任するということになって伺ったとき、総理が指示書というのをお渡しになって最初におっしゃったのが、「全員が復興大臣です」と、「よろしくお願いします」ということをおっしゃったので、総理の心の中には大変強く復興への思いというのがお有りになるんだと思います。
 また、復興五輪ということはもうかなり浸透してきて、いろいろなお立場の大臣がこれに共感し、また声をかけてくださいますので、私たちにとっては招致のときから復興を、復興しつつある被災地の姿を世界に発信する大会だという思いで、引き続き、取り組んでまいりたいと思います。
(記者)
 国内の観客制限の判断時期について、バッハ会長が総会後の記者会見で、5月、6月の状況も反映できるようになると発言しています。
 先日の五者協議では4月で合意されていたと思いますが、このずれについて、大臣の御認識を。
(大臣)
 まさにおっしゃるとおりでして、五者協議で合意をしたのは、4月中、ということでございます。
 これは橋本会長、組織委員会武藤事務総長も触れておられると思いますし、私どももその認識でありますので、バッハ会長がどういう御趣旨でおっしゃったかというのは、ちょっと改めてよく私どもも伺ってみないとわからないなと思います。
 感染状況というのは予測ができないということを念頭に置かれているのかもしれないなと思いますが、もし調整が必要なことであれば、また調整をしてから改めて最終決定を、つまり、いつ決めるかということについても、そういう調整が必要ではないのかなというのが私側の認識でございます。
 
                
 以上