令和3年3月9日


閣議後定例記者会見


冒頭発言

 昨日は国際女性デーでした。
 今年は例年の男女共同参画担当大臣としてのメッセージに加えて、政府が、IOC、IPC、大会組織委員会、東京都と共同でステートメントを出しております。
 内容は、東京大会における女性の参画について、これまでの成果をアピールするとともに、大会が社会におけるジェンダー平等の契機となるよう取り組むことを表明したものです。
 東京2020大会を、世界中の人々が多様性と調和の重要性を改めて認識し、共生社会をはぐくむ契機となるような大会とするべく、私たち政府は、IOC、IPC、東京都及び大会組織委員会とともに、東京大会を史上最高のジェンダー平等の大会とすること、そして、スポーツ界における女性の参画を推進すること、コロナ禍において大きな影響を受けた女性への支援を行うことに、全力で取り組んでいきます。
 ステートメントの詳細は、皆様のお手元に今もう配らせていただいていると思います。
 これ、IOCの方はこういう形でホームページに登場しております。
 是非御確認をいただければと思います。まずこれが1点です。
 それから、2件目でございますが、本日閣議の前に、「すべての女性が輝く社会づくり本部・男女共同参画推進本部」の合同会議が開催されました。
 我が国においては、国際社会では当然の規範である男女平等の理念が必ずしも共有をされておらず、男女共同参画はいまだ道半ばであります。
 我が国の人口は51%が女性です。
 女性の声を政策に反映することは不可欠です。
 こうした認識の下で、会議では、菅総理から、第5次男女共同参画基本計画に盛り込んだ女性の登用・採用目標の達成に向けて、令和3年度・4年度に取り組む具体策を、今年6月目途に策定をする「女性活躍・男女共同参画の重点方針」に盛り込むこと、また、今年の4月末までに、所管の独立行政法人や関係団体に対して、女性を積極的に登用するよう要請をすること、さらに、男女共同参画は国際的に共有された規範であるという認識の下で、各府省内で性差に基づく偏見や固定観念に基づく言動があれば、それを指摘し、改善することについて、全閣僚に対して指示がありました。
 また、私からは閣僚の皆様に、各府省が主催をする、または後援をする行事について、登壇者や発言者の性別に偏りがないよう努めていただくこと、各府省の女性職員について、責任ある判断が求められる職務への登用や職域拡大に積極的に取り組んでいただきたいということ、この2点をお願いしまして、これによって政策立案過程に多様な視点を確保していただきたいということを申し上げました。
 「すべての女性が輝く令和の社会」に向けて、5次計画を真に実効性のあるものとするべく、まずはこの夏の、これ、骨太の時期と同じ時期ですね、に女性版の骨太という形でお示しをするんですが、それは重点方針です。この重点方針のとりまとめに全力を挙げたいと思っております。
 よろしくお願いいたします。
 以上です。

質疑応答

(記者)
 間もなく東日本大震災から10年を迎えます。
 東京大会は復興五輪と位置づけられてきましたが、改めて、どんな大会にされたいか、大臣のお考えをお願いします。
(大臣)
 明後日11日、東日本大震災から10年の節目を迎えます。
 改めて、震災でお亡くなりになられた皆様方、またその御遺族の皆様には心から哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様方には心からお見舞いを申し上げたいと存じます。
 延期をして、ちょうど10年の節目の年に開催されることになりましたこの東京2020大会は復興オリンピック・パラリンピックでございます。
 これは、閣議決定をされた基本方針にも位置づけられておりまして、東京大会の最も重要なテーマの一つであります。
 私どもがこの大会を招致したときから、その思いは今も変わっておりません。
 大会開催によって、世界各国の注目が集まることになります。
 まずは聖火リレーでございますが、これは25日から、まさに福島県Jヴィレッジでスタートをいたします。
 宮城県、それから岩手県をめぐるのは6月になりますけれども、この機会に、世界に復興をなし遂げつつある被災地の姿を発信して、東日本大震災からの復興の後押しとなるよう、被災地と連携した取組を進めてまいります。
 聖火リレーは3月25日に福島県からスタートいたしますが、7月の本番においては、福島県では野球とソフトボール、そして宮城県ではサッカーの競技が実施をされます。
 また、もう既に皆様御承知かと思いますが、岩手、宮城、福島の3県の自治体では、復興ありがとうホストタウンということで、復興の際、あるいは被災した直後に支援を受けたゆかりのある国との交流を進めていただいております。
 これを是非、大会開催後も継続していただけるように、私どもとしては後押しをしていきたいと存じます。
 また、東京大会で調達される食材については、被災地産の食材の活用によってその魅力を発信するとともに、安全性についても適切な情報発信を行って、風評を払拭し、被災地の食の魅力を伝えていきたいと考えております。
 また、被災地産の花卉(かき)についても、ビクトリーブーケに使用される花に被災地の花が活用されることになっています。
 その魅力もしっかり世界の皆様に発信してまいりたいと思います。
 また、東京大会においては、聖火台や福島県などで使われる聖火リレートーチの燃料に水素が利用されます。
 福島で製造されたクリーンな水素が活用されることになりますので、この点もアピールをしていきたいと思います。
 これからも、この復興オリンピック・パラリンピックの旗を引き続き高く掲げて、次世代につながる取組を進めてまいりたいと思います。
(記者)
 丸川大臣は昨日総理と夕方に面会しているかと思うんですが、そこではどのようなお話をされたのでしょうか。
(大臣)
 総理も大変非常に強い思いを持って男女共同参画、女性の活躍を進めたいというお気持ちがおありでいらっしゃると私は感じておりまして、今日の、重点方針に盛り込む内容も含めて総理に御報告をさせていただき、特に、女性を責任ある判断を伴う立場で登用していただきたいということ、それから、また、職場等において、性差に基づく差別にまつわるような発言、あるいは固定概念に基づいた発言、こういうことがあったときには積極的に指摘をし、そしてまたそれを直していくように各省で取り組んでいただくことを、総理とお互い一致をしたというところであります。
 おそらく私たちの職場には、まだ、これをどう指摘するのかと、また、そういう発言があったときに、当人にどのようにこれを理解、納得していただくかというコミュニケーションの手法が必ずしも確立しているわけではありません。
 おそらくこの後局長から各省に御説明をいただくと思うのですが、是非外部の専門家をお招きして、どのように指摘すると相手に届くのか、あるいは、指摘をされた本人にどのように、普段だと研修なんですが、もっとより踏み込んでその人に考え方を理解してもらい、そしてその人の行動が変わっていく働きかけができるかという、そういうものを外部の専門家から指導を受けて、コミュニケーションの在り方というものを確立してもらいたい。
 それが根づけば文化が変わっていくと私は思いますので、それを進めていただきたいということでお願いをいたします。
(記者)
 確認ですが、昨日の総理の面会では、五輪の観客とか、五輪関連のお話はされていないですか。
(大臣)
 残念ながらお話しておりません。
 それについては、まだ、いろいろニュースは聞こえてきておりますが、内閣官房で御検討をいただいております。
 また、現段階では準備に要する人員をどう捉えるかということでございまして、観客や、あるいは関係者を大会に向けてどう考えるのかというは別の話だと理解をしております。
(記者)
 今回、ステートメントを拝見して、史上最多の女性選手、ほぼ男女半々のアスリートが参加するということで、とても楽しみにしています。
 日本のダイバーシティーの状況を世界に発信する絶好の機会だと感じています。
 日本のアスリートもほぼ半々だと思うんですが、最近は、結婚しても出産してもアスリートとしてキャリアを継続する女性アスリートというのがすごく増えていて、これも心強く感じています。
 今回のオリンピック選手でも既婚の女性は少なくないと思うんですけれども、アスリートがオリンピックに登録するときの選手登録は、通称使用は可能なのでしょうか。
 戸籍名のみなのでしょうかということと、もし通称使用でも登録できるとなるならば、既婚女性として戸籍名ではなく通称、つまり多くの場合は結婚前の姓になるかと思うんですが、アスリートとしてのキャリアをスタートさせた当時の姓、この通称での登録を希望する女性というのはどのくらい、多いものなのか少ないものなのか、どんなふうに見ていらっしゃるか教えてください。
(大臣)
 実は、私もそれ疑問を持ちまして、しばらく前に投げかけをしているんですが、まだ聞いている途中です。
 すみません。まだ答えは返ってきておりません。
(記者)
 それは、オリンピック、そちらのほうから御回答いただけるという。
(大臣)
 組織委員会。そうです。
(記者)
 一部で聖火の出発式の無観客開催という報道がありますけれども、その辺の構想はもう決まっているんでしょうか。
(大臣)
 すみません。私もまだ聞いておりませんで、おそらくいろいろな検討をされている段階だと思います。
 
                
 以上