令和3年2月26日
閣議後定例記者会見
冒頭発言
まず、本日、私からの発言といたしましては、共生社会ホストタウンの登録につきまして、新たに埼玉県本庄市、奈良県田原本町、そして福岡県大川市の3件を決定いたしました。
これにより、共生社会ホストタウンは98件、102自治体ということになります。
また、あわせまして、先導的共生社会ホストタウンといたしまして三重県伊勢市を新たに認定し、これで15件となりました。
共生社会ホストタウン、3桁に届きたいというのは橋本会長の思いでいらっしゃいました。
無事、この度100自治体を超えることができました。
これからも、引き続き、まだ開催まで5カ月ございますので、と言っても、もう2月も終わりますけれども、できるだけ多くの自治体の皆様に共生社会ホストタウンに取り組んでいただけるように、私たちとしてもお声がけをし、共に進めてまいりたいと思っております。
以上でございます。
質疑応答
(記者)
東京大会の関係機関トップによる会合が、来週にも開催される予定と伝えられておりますが、大臣としてこれまで把握されている開催日時などの詳細と、大臣としてどのような姿勢で臨まれるか、お尋ねしたいと思います。
(大臣)
開催の時期は、まだ調整をしておりまして、日々刻々と、いろいろと皆さんの調整の申し出が変わるので、調整をまさにやっているところでございます。
この会は、IPCにもおいでいただいて、五者会議でやりたいということで議論を進めてきているところです。
一番皆さん御関心のところはIOCの会長、あるいは橋本会長から、それぞれに観客、特に外国からの観客についてどう考えるかと、その可否、あるいは数についていつ決めるのかということだと思います。
私も、昨日橋本会長が3月25日までにはとおっしゃったことは確認をしておりまして、この意図は、バッハ会長が示された4月あるいは5月、これはちょっと遅いのではないかということがおっしゃりたかったということでした。
御本人から伺いました。
ですので、特別に明確な期限を示したつもりはないということでしたので、まさにこの点について、五者協議で何らかの議論があり得るべしという構えでおります。
また、観客の上限数、あるいはどういう観客の方においでいただくかということについては、段階的にということを橋本会長が御発言なさったことについても、私も伺っております。
(記者)
丸川大臣は、一昨日の定例会見で、ワクチン接種を五輪開催の前提とせずに、徹底した検査などを選手団に施すとおっしゃっていましたが、その際、同様の厳格な検査体制を観客に対して行えるかどうかが焦点だとおっしゃっていました。
その焦点ということの意味を具体的にお聞かせいただきたいのですが、現在、東京五輪は観客を入れて行うか、無観客で行うか、大会そのものを取りやめるかという3つの選択肢があると思うんですけども、いつ、その答えがはっきりするのでしょうか。
第3の選択肢の開催取りやめはないと言われるのであるならば、無観客なのか、観客を入れるのか、観客を入れるとしたら、そのための安全確保として、どのように現段階で選手団が大会関係者と同様のPCR検査を施すのかといった、具体的な対策の手立てが焦点になっていくと思います。
その方針はいつ下されるのでしょうか。
(大臣)
まず、ワクチンの接種を前提としない実行の方法について、アスリートについては一つ確立したと思っているということについてですが、中間まとめをした時期と今で違うことがあるとすれば、変異株が出てきているということです。
実際、全豪オープンでは、私たちが学んだことの一つとして、ある意味当たり前なんですけど、検査は万能ではないということであります。
ですので、検査をしてもなお、その後発症される方、あるいはその後感染力を持つ方がいるかもしれないという前提に立たなければいけませんので、そのような体制を取りながら、観客の方を受け入れる場合にどのような措置が必要かということを、国内と国外で分けて考えなければいけないだろうと思います。
ただ、いずれの場合においても大切なのは、観客の皆様方が、選手の方にやろうと考えているような事前の健康管理や行動規制に御協力をいただけるのか否か、あるいは、検査を受けていただくといった場合に、その検査の品質が担保され、それが定期的にきちんと行われる体制が持てるのかどうか、また、そうした御協力をいただけない観客の方がいた場合、どうするのかということになろうと思いますので、今、まさにそれを議論させていただいているところでございます。
(記者)
わかりました。次の質問です。
昨日記者会見を開いた丸山島根県知事は、聖火リレーのみならず五輪の開催自体も反対しており、国にオリンピックを開催すべきでないと訴えられているということですが、丸川大臣はこれを聞いてどのようにお考えになるでしょうか。
(大臣)
まず、昨日、経済産業省や厚生労働省においでになったというのは、報道では拝見しましたが、私のところにはおいでになっておられず、また、要望書もいただいておりません。
ですので、私は子細にその要望の内容を直接伺ったかというと、そういうわけではございません。
ですので、側聞するに、ということになりますが、大会の開催で感染が拡大されることを懸念されているということでございますので、御理解を得られるように感染拡大の防止に全力を挙げていく。
そして、御理解を得られるような形で開催するにはどういう知恵が出せるだろうかということを、これからまたさらに、春までということでございまして、今、いろいろな期限についての議論も、いろんな声が上がってきているところでございますけれども、それも含めてきちんと検討させていただいている最中でございます。
(記者)
最初の話の観客の関連で、橋本会長は4月5月じゃ遅いんじゃないかというお話だったんですけれども。
大臣として、政府としては、やはり4月5月じゃ遅いという認識なのか、もうちょっと早く決めたほうがいいというような、その辺りの考えを聞かせていただけますでしょうか。
(大臣)
一義的には主催都市と組織委員会がきちんと御判断いただかなければならないのですが、ただ、我々は水際をお預かりしておりますので、水際でどれだけのことをさせていただけるかということとの見合いだと思います。
水際に留め置くか、あるいは、水際でかなり厳しくハードルを上げるということは、オペレーション、つまりその後、選手がどういうふうに移動していくか、観客がどういうふうに移動していくかということと直結をいたしますので、そこはよく調整をさせていただかなければならないということが1つです。
それから、変異株に対して、まだ十分な知見があるとは言えない状況の中で、どのように対応していくのかということが、もうしばらくは、私どもの方で議論をさせていただかなければいけないことだと思っています。
(記者)
水際措置の関係でお伺いしたいんですけど。
今公表されているのは、現在実施しているビジネストラックとか、そういったものは緊急事態宣言解除後も延長するということで言われていて、橋本会長がおっしゃるような3月25日の聖火の時期に一定の判断をされるのであれば、水際措置がまだ延長されているか、まだ解除されて間もないころに判断をしなければならないと思うんですけれども、政府として、海外の客を入れることをその時点で判断することが可能なのかどうか、結構ハードルが高いような気がするんですが、いかがでしょうか。
(大臣)
御指摘のとおり、大変難しい判断になろうかと思います。
けれども、一方で、安心・安全の大会をやりますという具体的な内容が明らかにならなければ、国民の皆様方の理解を得ることは難しいと思っています。
できる限り、国民の皆様が、これなら安心して大会を迎え入れられるという環境を作らなければ、その先の準備を進めていくことができませんので、私どもにとっても難しい判断でございますけれども、まずは国民の皆様の安心・安全を優先して議論を進めたいと思っています。
(記者)
選択的夫婦別姓を含む夫婦の氏の在り方について、先日も大臣にお答えいただきましたけど、改めて県議会への文書に名を連ねられた理由というのをちょっとお聞かせいただければありがたいんですが。
(大臣)
私の議員、一議員としての考えでございます。
これは、一議員としての私に対して、また、いずれお尋ねをいただければと思いますが、私、今、男女共同参画ということの推進の先頭に立っており、尚且つ、今回私がこの大臣の職に就いた経緯を考えますと、何としてでも国際社会の理解を得なければいけないという思いでございます。
私がどういう一議員としての考えを持っているかということは、今まで役所の皆さんにもお伝えしたことがありません。
これは無用な忖度はしないでいただきたいからです。
去年、橋本大臣が非常に熱心にお取り組みをされました。
このことの議論の経過というのを、それぞれの役所の皆さん、受け止めておられると思うんですね。
こうしたい、ああしたいという思いがお有りになると思う。
それを私の考えが邪魔をすることはあってはならないと思いますので、皆様方に、今までの思いをきちんと、男女共同参画基本計画に入れていただいたものをさらに実践していく活発な活動をしていただけるように、私なりに環境を作っているつもりですので、そこは是非、御理解をいただきたいと思います。
(記者)
質問が重なるかもしれないんですけども、選択的夫婦別姓の制度導入に賛同する意見書を地方議会で採択しないように求める文書が、自民党の国会議員有志により一部の地方議員に送られていたことが明らかになりましたけども、丸川大臣もその文書に名を連ねており、その理由について、「私個人の信念」というふうにおっしゃっています。
丸川大臣は、森前会長と同じく清和会、日本最大の極右団体である日本会議国会議員懇談会、そして神道政治連盟国会議員懇談会にも所属していらっしゃいます。
大臣にとって清和会の大先輩である森氏は、総理在籍中に、神道政治連盟国会議員懇談会の結成30周年記念の祝賀会で挨拶をし、その中で、「日本の国、まさに天皇を中心としている神の国であるということを国民の皆さんにしっかりと承知をしていただく」との発言をして批判を浴び、失脚されました。
日本国憲法が、天皇を中心とする天皇主権の神の国ではなく、国民が主人公である国民主権の民主国家と定めていますが、丸川大臣の夫婦別姓を認めない「私個人の信念」とは、森氏が開陳した現行憲法の理念に反する皇国史観に類するような主張でしょうか。
可能なところで教えてください。
(大臣)
私、森会長の個人のお考えにそんなには詳しくないので、あまりその点についてお話をしたり、また、直接そのお話をされているところに居合わせたことがありませんので、よく存じ上げません。
(記者)
丸川大臣のおっしゃった「私個人の信念」ということに関して、森さんのことは関係なくていいんですけど、丸川大臣の個人の信念というのは何か、お答えください。
(大臣)
私は民主主義国家の一員だということです。
日本国憲法の下で立法をしながら、国民の声を聞くに当たっては様々な声を聞く。東京都選挙区選出ですけれども、国会議員というのは、東京の声だけではなくて国全体の声を聞くようにということが、私たちの課せられた使命だと思っております。
以上
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