令和3年2月18日
就任記者会見
冒頭発言
皆さんどうも遅い時間まで誠にありがとうございます。
お疲れのところ恐縮でございますが、今しばらくお付き合いいただければ幸いでございます。
換気等十分気を使っていただいておりますが、気になる点がありましたらお申し付けいただければ空調等したいと思いますのでお知らせください。
では、改めましてこんばんは、この度、東京オリンピック競技大会・パラリンピック競技大会担当大臣、そして男女共同参画、女性活躍担当大臣を拝命しました、丸川珠代でございます。
オリンピック・パラリンピック担当大臣という点においては再任でございますけれども、非常に大会まで期限が迫った中での就任となりました。
しっかりと務めさせていただきたいと思います。
また、男女共同参画、女性活躍担当大臣という任務は初めて承るものでございまして、しっかり国民の皆様の声を聴いて務めてまいりたいと思います。
まず、オリンピック・パラリンピックについてですが、史上初の延期ということになりまして、いよいよ、開会まで半年を切ったところでございます。
3月25日には福島県のJヴィレッジからいよいよ聖火リレーがスタートする予定となっております。
大会の成功に向けて本当に待ったなしという状況であるという思いでございますので、しっかりと務めてまいりたいと思います。
そのうえで、何よりも大事なのは感染症対策だと考えております。
この感染症対策が万全でなければ国民の皆様の大会開催へのご理解を得られないと思います。ここにまずは焦点を絞りたいと思います。
昨年12月にオリパラの開催に向けてコロナ対策調整会議が行われました。
ここで「中間整理」が取りまとめられましたが、これを踏まえまして、組織委員会、また東京都としっかりと連携して、万全な感染症対策を行いたいと思います。
東京大会の基本コンセプトであります「多様性と調和」を踏まえまして、大会を機に、男女共同参画を一層推進される、そして東京大会のレガシーとできるような取組をしっかり進めてまいりたいと思います。
この度、残念ながら日本の男女共同参画というものが道半ばであるということが、明らかになったのではないかと感じています。
こうした現状を打破し、変革するために、しっかりと取組を進めていくことが重要だと感じます。
まず、女性が直面している課題、本当に多岐にわたりますけれども、これを一つ一つ解決していくということは、「すべての女性が輝く令和の社会」の実現のために不可欠だと思います。
昨年末に策定された「第5次男女共同参画基本計画」を着実に実行してまいります。
加えて、コロナの感染拡大が女性の雇用や生活に非常に大きな影響を与えております。
一方、私、母子寡婦福祉議連の事務局長も務めておりました。
この間、私は母子家庭の支援という立場からでありますけれども、女性の置かれたコロナ禍の状況に対して、支援を政府にお願いする立場でしたけれども、政府に入りましたので、その一角を担わせていただくことになりました。
女性に対し、しっかりと今置かれた状況、まず様々な方にご意見を伺いながらしっかりと取り組ませていただきたいと思います。
また、今日も、国務大臣を拝命するにあたりまして、総理大臣から、全大臣が復興担当大臣という思いで職務に当たってほしいと、ご指示を承りました。
今年は、東日本大震災から10年の節目の年でございます。
私は前回、オリンピック・パラリンピック担当大臣を務める前に環境大臣、また原子力防災担当大臣を務めさせていただきまして、当時、本当に被災地の皆様とりわけ福島の皆様のお話を聞きながら仕事をさせていただきましたので、その時と今の思いを重ね合わせながら、しっかり復興に向かう被災地の姿を世界にオリンピック・パラリンピックを通じて発信したいと思います。
このほか、「日本博」や「beyond2020プログラム」を通じて、大会の機運醸成を図る。
これをしっかり務めたいと思います。
また、ホストタウンを通じた世界と全国各地との絆の構築、このようなコロナ禍の状況ですが、本当にホストタウンの皆様方が活発に取り組んでいると伺っておりますので、しっかりオールジャパンで東京大会が開催できるように、ホストタウンを支援してまいりたいと思います。
そして何よりも主催都市であります東京都の小池都知事や、また今般、組織委員会会長に就任されました橋本前大臣としっかりと連携して、大会の開催に向けた準備を進めてまいります。
世界のあらゆる方々がコロナの感染拡大の中で非常に厳しい状況に置かれているという認識をもっております。
こうした中で、世界がコロナ禍を乗り越えていく一つの希望の光となる、そして新たな日本のレガシーとなるよう、世界の皆様に希望と勇気をお届できるような大会を実現できるように、全力で取り組んでいきたいと思います。
また、私、サイバーセキュリティの担当でもございます。
サイバーセキュリティ戦略本部に関する事務を担当させていただきますが、こちらについても、東京大会におけるサイバーセキュリティに、しっかりと取り組んでいくとともに、本年中に次期サイバーセキュリティ戦略を策定ということがございますので、こちらもしっかりと進めてまいりたいと思います。
私からの発言は以上でございます。
質疑応答
(記者)
今回、丸川さんが新たに大臣に就任されました。
一方で、同時に橋本前大臣が新たに組織委員会の会長になられました。
新体制になるわけですけれども、まず橋本新会長の印象と、どのように連携を図っていくかということをお聞かせください。
(大臣)
まず、橋本会長は大変大きな決断をして会長の任を引き受けられたと思います。
これまで、オリンピック、冬夏合わせて7回出場をされ、また選手団長としても3回オリンピックに向かわれています。
ちょうど私が前回オリンピック・パラリンピック担当大臣を務めておりましたときに、リオデジャネイロのオリンピックに選手団長として向かわれておられ、現地でも一緒に行動させていただきました。
アスリートファーストということが、まさに橋本会長が就任されて最も大きな期待が寄せられていることではないかと思われます。
実際私もこの間組織委の理事という立場で、アスリートの皆さまのお取組、ご発言等を伺ってきました。
橋本会長を候補に挙げた選任委員会の皆さま、とりわけ女性アスリートの皆さまのお声というのはまさに、アスリートの思いがわかる、大変大きな期待をしているというお声でございました。
こうしたことを受けて、会長の職務を引き受けられたでしょうし、何よりも、アスリートの育成にあたって、競技だけではないと、人として、皆さんに認めてもらえるような徳を積みなさいというようなことを指導して来られました。
インタビューについても、様々な皆さまとの関わりにおいても、後輩の育成にあたられた、大変すばらしいアスリートのロールモデルだと思います。
こうした方が組織委の会長になられて、全力を尽くされるということを今日表明されましたので、まずしっかりその思いを、国の立場からお支えをしたいと思います。
(記者)
来月で震災発生から10年を迎えますけれども、聖火リレーのスタートまで40日を切っている福島県では、13日の深夜に最大震度6強を観測した、震災の余震とみられる地震の復旧対応に今、追われている状況にあります。
被災地に対して、復興五輪の理念を、これからどのように機運醸成のための理解を得ていかれるおつもりか、お考えをお願いいたします。
(大臣)
先般の地震の際は、まず被害にあわれた皆さま方に心からお見舞い申し上げたいと存じます。
10年という節目の年にまさに震災のあの瞬間を思い出すような揺れに見舞われた皆さま、本当に怖い思いをされたと思いますし、決してあの時を忘れてはいけないという思いは、被災地の皆さま方のみならず、私たちも共有をさせていただいたものだと思います。
同時に、私たちはまだ復興の最中にあるということを、多くの国民の皆さまが共有をしてくださったと思いますので、その後にもう一度このオリンピック・パラリンピックを招致させていただいたときの思いにもう一度立ち返って、しっかりと被災地の皆さまの思いを承りながら、お聞きをしながら、それを発信していきたいと思います。
(記者)
コロナ対策についてお伺いしたいんですけれども、組織委員会等々、春ごろに観客の動員だったりとか、そういったことを詰めていくというような話で、現時点での大臣のお考え、観客がどうなればいいか、そして海外からの観客ですね、入ってくるのか入ってこないのか、そのあたりのお考えをお聞かせください。
(大臣)
まずですね、この大会を開催するにあたって一番重要なことは、このコロナ下においてでございますので、国民の皆さまがご理解をいただくことだと思っています。
国民の皆さまが、安心安全な大会ができると思って初めて、大会が成功できるということだと思いますので、感染対策がいかに万全であるかということ、また感染者数や、感染拡大の状況あるいは重傷者の方の数の状況、医療への負荷、こうしたことの状況がどのように変化していくかということが重要でありますので、それらを踏まえて、国民の皆さまの理解を得ながら前に進めていきたいと思います。
観客の数、あるいはどのような状況で大会を開催するのかということについては、皆さまがご承知のように、この春に判断をするということになってございますが、観客の、会場に対してどれだけ入っていただけるかのパーセンテージについては、我が国の基準に従うということでございますので、まずは、政府として感染症対策をしっかり進めていただくということだと思います。
(記者)
約4年ぶりにこの庁舎に戻ってこられたと思うんですけれども、4年前と比べて今、何か変わった印象があれば伺いたいのと、あと今日金色のドレスを認証式でお召しになられていたと思うんですけれども、どのような意気込みを表されていたのか伺ってもよろしいですか。
(大臣)
まず、思いもよらないことでありましたので、まさか再任すると思っておりませんでしたので、改めてここへ戻ってきたんだなという思いがございます。
そして、その間、もちろん様々な形で、オリンピック・パラリンピックの準備の進展というものについては、職員の皆さまから伺っておりましたし、また国会でも議論が行われておりましたけれども、改めて本当に多くの皆さま方が様々なご尽力をいただいてここまで来たなという思いでございます。
一方で、コロナ下という、本当に私が前回大臣をやらせていただいていた時には想定もしていなかったことに世界中が今、見舞われている中で、オリンピック・パラリンピックはどのような希望を世界に与えられるのかという、大きな課題を背負っているなということも感じました。
また、いち国民として、ステイホームの時間もありましたので、様々な報道等に触れる期間がございました。
アスリートの皆さま方がどういう思いでこの一年を過ごしてきたのかということに触れる機会もございましたので、それを思うと本当に、安心して、心をオリンピック・パラリンピックに専心していただけるように準備をするのが、私たち大会準備をする側の役目だと痛切に感じました。
ぜひ、そこは伝えていただきたい。
金のドレスのことですが、もちろん橋本聖子先生はJOCの立場からですかね、あの時ブラジルにいらっしゃった、選手団長のお立場でしたけれども、非常に多くの、最多の金メダルを取っていただいたわけですが、その後、30個、と仰いました。
全く今、環境が違いますので、それがどうなるかわかりませんけれども、聖子大臣の思いをしっかり背負って、アスリートの支援も頑張りたいと思います。
(記者)
第5次男女共同参画計画を策定する中で、今回、選択的夫婦別姓をめぐる議論が注目されました。
この、選択的夫婦別姓に対する大臣のお考えをお聞きしたいのと、今後どのようにこの議論を進めていきたいか、お願いします。
(大臣)
まず昨年末、第5次男女共同参画計画が策定されました。
これは、夫婦別氏制度について大きな議論が、これは自分の党の中でのことでございますので、大変な議論であったことは承知をしております。
そして選択的夫婦別氏制度を含めて、夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方に関して、国民各層の意見や、国会における議論の動向を注視しながら、司法の判断も踏まえ、更なる検討を進めるということにされたということでございまして、民法を所管する法務省において、国会における動向を注視しながら検討が進められていくと承知をしております。
この選択的夫婦別氏制度の導入について、婚姻前の氏を引き続き使えないということが不便であるという意見が、第5次の計画を定める時に行った意見募集で多数寄せられたということを承知しております。
このことについての国民の世論調査を行った結果については、特に若い世代の皆さま方にそういう意見が、まさにこれから結婚する、家庭をつくるというような世代の皆さま方に大変多い意見だということを承知しております。
国民の間に様々な意見があることというは承知しております、また、これを世代で捉えていいのかどうかというのは非常に難しい問題、各個人の家族に対する考え方や、あるいは価値観なのかもしれませんが、一方で、世代ということの差の大きいことも、その世論調査で伺えますので、そうしたことを十分に配慮しながら、これから国民の皆さま方の活発な議論が進むよう、支援をしてまいりたいと思います。
(記者)
大臣ご自身はどのように、橋本大臣はこれまで「一人も取り残さないように」ということで、なるべく広く認めた方がいいんじゃないかという立場だったんですけれども、大臣はどういうふうにお考えですか。
(大臣)
今ちょっと私個人の考えをここで述べさせていただくのは控えさせていただきたいと思います。
今就任したばかりでございますので、本当にいろいろな議論がある中で、ご不便をされている皆さま方、私も前回大臣に就任して驚いたことがありまして、本当にいろいろご相談申し上げたり、政府の方で取り組んでいただいたこともございますので、そうしたことも踏まえて、どういうことができるのかを、議論を後押しする形で取り組んでいきたいと思います。
(記者)
先ほど、組織委の新会長となった橋本前五輪相を全力でサポートしていくと仰いましたけれども、主催都市の小池都知事とはどのような連携を進めていきたいと思っていらっしゃいますか。
(大臣)
まさに主催都市あってのオリンピック・パラリンピックですから、小池都知事との連携も非常に重要だと思います。
そして、特にコロナ下で一番、私がこの職務に就く前に、いち国民の声として寄せられていたお声の中には、医療への負荷は大丈夫なのかというところだと思います。
この医療への負荷ということ、実は医療の現場は都道府県が見ておられるわけでございまして、これは東京都との連携がなければこの課題を乗り越えていくことはできません。
しっかり小池都知事と連携をしながら、また、国の水際対策とても重要だと思っておりますので、ここともどういう連携をしていくのかということについては、じっくり協力をしながら前に進めていきたいと、スピード感をもって前に進めていきたいと思います。
(記者)
今日の、五輪大臣を拝命するという連絡を受けたのはどの段階かということと、今日総理からどのような言葉を仰っていたか教えてください。
(大臣)
本日ご連絡をいただきました、ということだけに限らせていただきます。
「国民のために働く内閣の一員として頑張ってください」それから、「全員が復興担当大臣ですから、よろしくお願いします」ということを一番最初に仰られました。
(記者)
今回の森前会長の発言に関連して、道半ばであることわかったとおっしゃってましたが、改めて、森前会長の発言に関して、率直にどのように思い、どのような点が問題だと感じたのか、改めてお聞かせください。
(大臣)
非常に残念であったと思います。まず、女性として残念であったということです。そしてまた、オリンピック・パラリンピックに、その時点で過去に携わった人間でございましたが、もうあと大会まで5か月という時にこういう事態になったことは非常に残念でございました。
そして、「あってはならない発言だった」という橋本大臣の言葉その通りだと思います。
なにより、これを世代で切っていいのかと思います。
こういう世代だから、ああいう世代だからという話ではなくて、相手の立場に立つというのはどういうことか、逆に言われた側がなんでその人はそう言ったのかということを理解するのに、どういう環境が必要なのか。
私も皆さんがいらっしゃるマスコミの世界にいました。
皆さん私よりも若くていらっしゃると思いますので、1990年代の働き方ですとか、男女の共同参画の状況、あるいは現場がどんな状況であったのかは想像つかないかもしれませんが、今とは比べ物にならない厳しい状況であったことは、先輩方にお聞きいただければと思います。
そうした中で、本当に大きく社会が変わってきた、働く環境が変わってきた、女性の置かれた環境が変わってきた、ひとえに先輩方が大変なご苦労をされてご尽力いただいてきた賜物だと思います。
けれども私たちの社会は急速に変化をしてきました。
ですので、その変化に必ずしもすべての人達の意識がついてきている訳ではない。
だからこそ、これだけ多様な意見が社会に存在しているのだと思います。
多様性というのは、一つこのオリンピック・パラリンピックのテーマですので、多様性を受け入れるのは、非常に重要な取組だと思います。
しっかり、文化を変えていく、多様性を受け入れる社会という文化を作っていくという思いで取り組んでいきたいと思っています。
以上
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