令和2年12月11日


閣議後定例記者会見


質疑応答

(記者)
 東京大会の選手村の滞在期間について伺いたいと思います。
 IOCが各競技の開始5日前から終了2日以内とする新たなガイドラインを示しましたが、これに従えば、開閉会式に参加できない選手が一部発生します。
 大臣は、過去に旗手も務められ、選手にとっての開閉会式へ参加することの意味ということをどのように考えられているのかを伺いたいのと。あと、大会組織委員会の森会長は、コロナ対策の観点からも、開閉会式に参加する選手の削減について過去言及されていますが、その辺りについて今回のガイドラインを踏まえ、大臣のお考えをお願いします。
(大臣)
 IOCから、選手の選手村到着を競技開始の5日前と、競技終了後2日以内に退村をするということでの方針を示したガイドラインが示されたわけですけれども、先週の2日にコロナ対策調整会議において取りまとめた中間整理において、感染リスクを低減することを目的とし、競技終了後速やかに退村するなど、入退村のタイミングを調整し、滞在期間を短縮するといった考えを示しました。
 今回の選手村に係るIOCのガイドラインは、この中間整理に示した考え方を踏まえたものと認識をしております。
 開閉会式については、私も、選手時代、あるいは日本選手団の団長のときにも、開閉会式、何度も参加をさせていただきましたけれども、国を代表して開閉会式に参加するということは大変名誉なことであります。
 ただ、一方でコンディションを考えて開閉会式への参加を見送るアスリートもいるなど、様々な意見があると思います。
 そういったコンディションを考えると、なかなか、例えば開会式の翌日が試合だったりという選手もやはり出てくるわけですので、私は、選手団長のときには、やはり競技団体ですとか、アスリートと、コンディションに関しての相談もしながら、出たいという選手は、やはりできる限り体調に配慮をして参加をするということを考えてきたケースもありまして。
 長年にわたってそういうようなことがあったので、前々回あたり、ロンドン大会からですけれども、アーリーデパーチャー制度というのがありまして、入場行進はするけれども、すぐに開会式場から退席してもいいという制度が設けられたりですとか、様々な工夫が凝らされてきたと承知をしております。
 その中で、ガイドラインに関しては、より詳細な検討が行われていくものと理解をしておりますけれども、開閉会式の参加数が減ることにもなると考えておりますので、今後適切なコロナ対策をとって、選手にとって安全・安心な環境を構築していただくことは当然必要でありますけれども、各競技団体や選手の視点も踏まえて、そして、選手の開閉会式に対しての思いというものもしっかりと寄り添いながら、今後開閉会式の在り方について検討をしていただければと考えております。
(記者)
 海外でコロナのワクチンが許可されたり、既に接種とかが開始されたりしているんですけれども、日本政府は、オリパラのために海外から入国される人たちに対してワクチンの接種を義務付けることを検討なさったり、検討を始める予定とか御意向とかはありますでしょうか。
(大臣)
 東京大会については、ワクチンを前提としなくても安全・安心な大会を開催できるよう、必要な検査、行動管理をはじめとした総合的な感染症対策についての検討を進めているところでありまして、バッハ会長もワクチンを義務とはしない旨の発言をされていると承知しております。
 その上で、コロナ対策調整会議において取りまとめた中間整理では、ワクチンが利用可能となった場合の対応について、今後取扱いの詳細を定める必要があるということとしておりまして、政府としては、引き続き、IOCや大会組織委員会、東京都などと緊密に連携して、安全・安心な大会の実現に向けた準備を進めてまいりたいと思っております。
(記者)
 まだ検討の結果が決まったというわけではなくて続けていらっしゃるということ。
(大臣)
 はい。あくまでもワクチンを義務としないと。義務とはしないと。
(記者)
 しないことがもう決まっている。
(大臣)
 そうです。
(記者)
 ただ、その後のワクチンの利用の取扱いはまだ検討なさるということ。
(大臣)
 前のときの記者会見と同じことになってしまうんですけれども、やはりアスリートに関しては、それぞれパーソナル医療で施されてきているという部分がありまして、コンディションであったり、あるいはアレルギー体質であったりということで、様々な体調に対しての非常に細かい部分、ナーバスな部分も持ち得ているわけですので、打つ、打たないというのは、今後スポーツドクター等も踏まえて、それぞれの強化対策の中で決定をされていくものだと思います。
(記者)
 アスリートじゃない方も。
(大臣)
 それも同じだと思います。
(記者)
 大臣は、JOCの選手強化本部長時代に、オリンピックへの選手団派遣の際にインフルエンザの接種というのを義務付けているところがあったと思うんですけれども、今回の新型コロナ予防接種というのは必要要件ではないというのは、新型コロナとインフルエンザと、どんな、どこに環境が違うのでしょうか。
(大臣)
 インフルエンザ、そして新型コロナワクチン、様々な感染症に対して、今までも遠征先が例えばアフリカであったりとか、いろいろな感染症を持ち得ている国に行く場合に義務付けているということは過去にもありました。
 ただ、その場合にも選手の体調と、どういう状況であるかということもしっかりと検査した上で接種をしてきたという経緯がJOCの中ではありました。
 今回も、この新型コロナワクチンというのは非常に、今までにない新しい感染症ということもありまして、スポーツドクターと話をしている段階では、しっかりと選手等の体、体調と向き合いながら、すぐに判断をするべきものではないという意見が多かったと承知しております。
 そういった全体のことを踏まえて、WHO、あるいはIOCも含めて、コロナの感染症ワクチンを義務付けるとしないということに至ったのではないかと。
 私自身が過去の選手へのワクチンの接種、あるいはインフルエンザの予防接種に関して、今までそういった方たちの話を聞いた上で、私なりの今意見でありますけれども、そこは今回は少し違うのかなと思います。
(記者)
 男女共同参画でお伺いします。
 選択的夫婦別姓を巡って、自民党の内閣第一部会の合同会議の中で、第5次計画が議論されていますけれども、既に3回開催されているんですが、修正が繰り返されて、まだまとまっていません。内容が削除される部分があるなど後退とも見られる修正もありますけれども、大臣の受止をお願いします。
(大臣)
 現在、政府において第5次男女共同参画基本計画の策定に向けて検討を進めているところですが、御指摘のように、昨日12月10日も開催された自民党の内閣第一部会女性活躍推進特別委員会の合同会議におきましても、大変活発な議論があったとお聞きしております。
 選択的夫婦別氏制度の問題というのは、国民の間に様々な意見があると承知しておりますけれども、これからの我が国の未来を担っていく若い世代や現実に困っている方々をはじめ、国民の皆様の声をしっかりと反映できるよう、そして、我が国が抱える困難な課題に対応していくため、多様な声を真摯に受け止めて議論を進めていくことが重要だと思っております。
 大変多くの先生方がこの合同部会に御出席をいただいていると聞いておりますけれども、今までにない議論が交わされたと聞いております。
 やはりその中で考え方ですとか、今までの考えていた夫婦別氏制度というものと、今般この第5次計画に盛り込もうとしている前向きな部分に対しても、非常に考え方が変わったというような先生方の声もあると聞いておりますので、やはりそういう意味では、私はしっかりと議論をしていただくというのは非常に重要なことだなと改めて思いました。
 今まで自民党内ではそういった議論ができる場が少なかったと承知しておりますので、多くの先生方が、やはりそれぞれの考え、そして国民の皆様の声を聞く中で御自身の考えを述べていくことによって、非常に私は前向きな議論がされていると思います。
 やはりそれぞれの様々な声を聞くからこそなかなかまとまらないという部分もあるかと思いますけれども、非常に重要なことだなと思っております。
 これからまた来週にもそういった議論が交わされる部会が開催されると思いますけれども、大いに、いろいろな御意見が出されるということを期待をしたいと思っております。
(記者)
 もう一度ワクチンのお話で、日本の政府の方が、打診というか検討をにおわせているようなことを噂で私どもが聞いているんですけれども、それでも大臣は基本的に義務化はしないという御方針だということでよろしいですか。
(大臣)
 はい。あくまでもIOC、そして組織委員会等でしっかりと議論をしていただく中で決定していくことであります。
 現段階においては義務付けられてはいませんので、安心・安全の完全な防疫措置を講じて来年の大会に向かって準備をしていきたいと考えています。
(記者)
 これは現段階から来年も変わらないということ。
(大臣)
 はい。そうです。
(記者)
 昨日開かれましたホストタウン首長の方々とのオンライン会議の中で、大臣が御発言されましたホストタウンにおけるコロナ対策の国の財政支援の方針につきまして、国の交付金で都道府県が基金を造成して、ホストタウンのコロナ対策とか保健所の医療体制整備に当たるという今検討をされている仕組みの概要につきまして、改めて御説明いただけませんでしょうか。
(大臣)
 昨日もオンライン会議をさせていただきまして、多くの首長様、あるいは関係者の方々に参加をいただきました。
 時間の関係で全ての首長さんに御意見を伺うということはできませんでしたけれども、非常に良い御意見もいただいたなと思っております。
 その中で、やはり一番は、第3次補正予算において、アスリート・住民双方の検査経費を国において負担をするとともに、公共交通機関を利用する場合に選手等と一般の方々との席を空けるなどの社会的距離の確保への支援なども検討をしております。
 また、ホストタウン等における海外選手の受入の際に必要となる、都道府県における医療機能強化、保健所における連絡情報共有体制強化の支援策についても、あわせて検討を行っているところであります。
 この予算は国からの交付金で、各都道府県に基金を造成いただいて、そしてこれを原資として御活用いただくスキームを考えております。
 こうした検討状況について、昨日はホストタウンの首長さんとオンライン会議において説明をさせていただいたということでありますので、これから補正予算が決定していくわけであります。
 安心・安全の大会ということは、ホストタウンで受け入れていただく、そしてそこで選手が万全の体制でオリンピック会場に来ていただく、パラリンピック会場に来ていただく、そして、終わってからもまた事後交流としてホストタウンに行かれるということにおいては、ホストタウンが成功することが東京大会の成功につながっていくということになるし、レガシーになっていくものですから、できる限りホストタウンの首長さんの要望というものには応えていきたいなと思っております。
 昨日は説明だけでありましたけど、非常に安心したという声、これでしっかりと準備できると思っていただいた自治体も多数あったと聞いておりますので、これからもしっかりと連携をして、ホストタウンの成功に向けて努力していきたいと思います。
 
                
 以上