令和2年9月29日
閣議後定例記者会見
冒頭発言
冒頭4件お知らせがございます。
まず1点目です。
内閣府男女共同参画局に置かれる課の新設についてです。
本日、閣議におきまして、内閣府本府組織令の一部を改正する政令を決定いたしました。
これは、10月1日から、男女共同参画局の暴力対策推進室を男女間暴力対策課に格上げをするものであります。
内閣府の2017年度の調査によりますと、無理やりに性交等をされた被害経験のある女性は約13人に1人に上り、また、約7人に1人の女性が配偶者からの暴力を何度も経験しており、女性に対する暴力は深刻な社会問題となっております。
性暴力、そしてDVは、重大な人権侵害であり、決して許されるものではありません。
今回の課の新設を契機に、女性に対するあらゆる暴力の根絶に向けて、政府全体で、取組を一層強化してまいりたいと考えております。
続いて、こちらです。2件目です。
性犯罪・性暴力は決して許されるものではありません。
性暴力の根絶に向けた取組を強化するとともに相談・支援体制の充実が重要です。
このため、10月から2つの取組を開始いたします。
まず1つ目の取組ですが、各都道府県に置かれている性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターについて、全国共通の短縮電話番号を設けることといたしまして、10月1日から運用を開始いたします。
この番号におかけいただければ、最寄りのワンストップ支援センターにつながります。
新しい番号は♯8891です。
「早くワンストップ」と覚えていただきたいと思います。
2つ目の取組は、性犯罪・性暴力被害者のためのSNS相談です。
若年層を狙った卑劣な性暴力事案も起きており、若い世代が相談につながりやすくするためには、SNSの活用も必要と考えております。
このため、10月2日から来年1月末までの4カ月間、SNS相談を実施することといたしました。
名称はCure time(キュアタイム)です。
毎週月曜日、水曜日、金曜日、土曜日の16時から21時まで対応をいたします。
性暴力被害専門の相談員が対応し、必要に応じて地域のワンストップ支援センターなどにつなぎ、支援を行います。
1人で悩まず、まずは相談をしてください。
また、周りに困っている方がいれば、この相談先を教えていただきたいと思います。
メディアの皆様におかれましても積極的な情報発信をお願いしたいと思います。ありがとうございます。
続いて、3点目です。
明日30日、「APEC女性と経済フォーラム」に参加します。 このフォーラムは、APEC域内の経済発展のためには女性の活躍が必要であるとの認識の下に、年に1回、APEC域内の男女共同参画担当大臣が一堂に会する会合です。
本年はオンラインで行われまして、新型コロナウイルス感染症の拡大により影響を受け、支援を必要としている女性が直面している現実を踏まえ、男女共同参画の観点から、必要な取組について各国で共有することになっております。
我が国の取組をしっかりと発信をしたいと思っております。
最後、4点目です。
明後日の10月1日に、国連総会において、1995年に北京宣言を採択した世界女性会議、いわゆる北京会議から25周年を記念するハイレベル会合が開催されます。
私から、ビデオメッセージ形式でステートメントを述べます。
私は、その年に参議院議員になりました。
代表団の一員として、1995年の北京会議に参加いたしました。
世界各国の方々の熱い思いに心を打たれたことを記憶しております。
あれから25年、担当大臣として25周年を迎えられたことを大変光栄に思っております。
ステートメントでは、新型コロナウイルスへの対応などの我が国の取組や、世界各国で尽力されている全ての方々への敬意を述べました。
ステートメントは国連のホームページで配信され、その後もアーカイブされることになっております。
また、内閣府男女共同参画局のホームページにも掲載をいたします。
多くの皆さんにご覧いただければ幸いに存じます。
私からは以上です。
質疑応答
(記者) 東京大会につきまして、先日金曜日の調整会議で組織委員会とIOCが52の項目の簡素化を合意されましたが、大臣の評価をお聞かせいただけますか。
(大臣) 1年延期となって、様々な対応が必要となっていく中で、組織委員会挙げて大変な御尽力をいただいてきました。
まずは第1弾として52項目を見直す形で、IOCと大会組織委員会が会議において簡素化の見通し内容についての合意をされたということを承知しておりますけれども、こういった一つ一つを、時間はかかることであるけれども、しっかりと議論をしてまとめていただいているということに、まず感謝を申し上げたいと思います。
この中で、これからまだ検討が進められていく内容もありますので、検討状況をしっかりと見させていただきながら、政府として、そのことについてやるべき対応というものをしっかりと連携をしながら考えていきたいと思っております。
(記者) 性暴力についてお伺いします。
今日、♯8891を発表されましたけれども、ワンストップ支援センターなど、性被害に遭った人への支援の必要性について改めて教えていただければと思います。
また、関連して、今週25日に自民党内閣部会の中で、杉田水脈議員が相談事業に関して「女性はいくらでもうそをつけますから」と発言したとされています。
御本人は発言を否定されていますけれども、こうした考え方についての大臣の受けとめをお願いいたします。
(大臣) 最初は、8891、キュアタイムの件です。
先ほども、冒頭お話をさせていただきましたけども、内閣府の調査では、13人に1人の女性が無理やりな性交等をされたという被害を経験されておりまして、問題なのは、そのうち誰にも相談しなかったという方が6割なんですね。
私は、やはりこういった声なき声というものをしっかりと拾っていく、聞いていかなければいけないと思っていました。
そこで、被害を訴えることを躊躇せずに必要な相談を受けられるような相談体制ができないものかと議論をさせていただく中で、「8891(早くワンストップ)」、覚えやすい番号で設定をするということで、多くの方に知っていただいて、被害に遭った場合はすぐに相談をいただけるようなことを目的といたしました。
また、特に若い世代の方ですけれども、電話よりもチャットですとかSNS相談のほうがいいというような声もたくさん寄せていただいておりましたので、そういったことも全て対応できるような体制づくりをしたいということで、設けさせていただきました。
また、杉田議員の発言については、9月25日の自民党の部会において、そのような発言があったということはお聞きいたしました。
承知をしておりますけれども、非常に私は残念だなと思います。
今、このコロナ禍において、性暴力・性犯罪、いろんな虐待も含めて、大変な困難な状況に陥っているということで、今回のこういった取組、ワンストップ支援センター等も含めての取組について、大変な力を注いで頑張っておられる職員や、あるいは地方自治体においても、連携して声なき声をいかに聞いて政策にしっかりと結びつけていくかという努力をされている方の、そういったことを踏みにじるような発言でなかったかなと、私は非常に残念に思います。
こういった声というものは、個人の発言かとは思いますけれども、やはり自民党として適切な措置というものをされていくべきではないかと私は考えます。
一人でも多くの女性が、声を上げることができない、そういった困難な状況に陥っている方たちに対して、内閣府としては全力でその対応に努力をしていきたいと考えております。
(記者) 昨日講演会で、オリンピック・パラリンピックの関係で、中止はないだろうという発言をされたと思いますが、先日の政府の対策会議とかIOCとの調整会議とかを踏まえて、大臣の認識の変化などがもしおありでしたら、その発言の真意がありましたらお願いします。
(大臣) 中止ということを私は一切考えたことがないものですから。
講演でも、率直に自分自身の考えと、今までの取組、そして、バッハ会長、菅総理との電話会談の折にも、絶対的な自信をもって会談をされているということをそばにいて肌で感じましたので、より一層私は来年の開催に向けて、自信を持ってしっかりと、そして、安心・安全ということの中で、確実に素晴らしい大会が開催できるように準備をしていきたいと、改めて身の引き締まる思いで昨日は講演させていただきました。
(記者) 先ほど、杉田議員に対して自民党として適切な措置をしていくべきだとおっしゃいましたが、具体的にどのような措置が必要だとお考えですか。
(大臣) それは、私自身は、今、内閣のほうにおりますので、党としてどのようにすべきかということはお任せをするしかない立場であります。
ただ、反響がやはり大きいだけに、そして声を出すことができない女性が困難な状況に陥っているというこの現状を踏まえたときに、党として、しっかりとした形をとっていくというのは必要ではないかという私自身の個人的な考えです。
(記者) 性暴力に関してですが、新型コロナウイルスの拡大でさらに性暴力に関する相談が増えていることもあるかと思いますが、今、このタイミングでこういう支援を拡大していくことの意義、また今の性暴力の相談に関する実態を教えてください。
(大臣) いろいろな研究会ですとかを立ち上げながら、今どのような問題が実際に、現実に問題となっているかということも含めて研究をさせていただいているところです。
また同時に、私自身が考えています教育の面、この点についても力を入れていきたいと思っています。
明日9月30日に、第1回の子供を性暴力の当事者にしないための「生命(いのち)の安全教育」、これを進めていくことになっておりますけれども、内閣府と文部科学省が今年度共同で、子供を性暴力の当事者にしないための「生命の安全教育」というものの調査研究事業を進めております。
有識者の知見を得ながら、工夫したわかりやすい教材ですとか、年齢等の発達段階に応じて適切な啓発資料等を検討していきたいと考えております。
また、もう一つ、今の質問で付け加えさせていただきたいんですけれども、本年の6月に、私のもとで、関係省庁とともに、性犯罪・性暴力対策の強化の方針、これを取りまとめて、被害者の支援ですとか、教育・啓発などの強化に取り組んできておりますけれども、病院、そして警察、弁護士、学校、児童相談所、婦人相談所、こういった関係機関との連携というのが非常に重要になってきておりますので、こういった実態を踏まえていく中で、こういう関係者の方との意見を集約しながら、しっかりと連携をとることによって実態がわかり、そして、その対応はどのように対応していくかということにつながっていくんだと思っておりまして、しっかりとあらゆるところで情報共有しながら、徹底した措置をしていきたいと考えております。
以上
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