令和2年5月15日


閣議後定例記者会見


質疑応答
(記者)
 IOCのバッハ会長が、昨日の理事会後の会見で、大会の延期に伴ってIOCは最大8億ドルを拠出すると表明されました。お金に関しては、これまでIOCとしては数億ドルという言い方をされてきていて、今回その使い道も含めて具体的になった一方で、追加でかかる費用の総額がまだ示されない段階で8億という数字が出たことに、若干個人的には違和感もあるんですけれども、大臣の受けとめをお願いします。
(大臣)
 昨日5月14日にIOC理事会が開催されまして、これは新型コロナウイルス感染症がアスリート、IF、NOC、そして財政に与える影響や東京大会にかかわる影響、それと、2020年のIOC総会のオンラインでの開催等について議論が行われたと承知をしております。その中で、今お話がありました、東京大会の延期に伴うIOCの追加負担を最大で8億ドルを見込み、このうち6.5億ドルを大会延期にかかわるコスト、そして1.5億ドルをIFやNOCの競技に対する支援ということを承知しております。  IOCの理事会における議論の詳細については承知をしておりません。いずれにしても、東京大会の延期に伴う費用については、4月16日にIOCと組織委員会が開催したエグゼクティブ・プロジェクトレビューにおいて、IOCと組織委員会を含む日本側は共同で延期によるコストを含む影響の取り扱いが共通の課題であるということを確認して、今後共同で評価、議論をしていくということで合意をしています。引き続き、大会の主催者であるIOC、組織委員会及び東京都の検討状況を注視していきたいと思っております。  今おっしゃったように、全体の追加経費が出ていない中での決定という話に違和感ということですけれども、まだ中身が示されたわけでありませんので、今後、追加経費が出されていく上において、IOCと組織委員会等で具体的な話になっていくんだろうと思います。共同で評価、議論をしていくということでは合意しておりますので、引き続き状況はしっかりと注視していきたいと思っております。
(記者)
 追加経費の問題は、IOCの協力を得られるのかどうかというところがこれまで大きなポイントになってきたと思うんですけれども、IOC側が明確に協力する姿勢を示したことで国内の議論が進むと大臣はお考えでしょうか。
(大臣)
 私としては、やはり国内での追加経費というものに対しても目を向けていただきたいなとは思います。ただ、この追加経費について、延期に伴うIOCの追加負担ということでありますので、IOCの立場としては全体を見る立場でありますので、延期に伴う経費ということは、例えば世界水泳ですとか世界陸上ですとかが開催が延期になりましたが、そういったことの経費も延期に伴う経費として見ている可能性もあるかと思いますので、どれだけ東京大会に包括されるかということについて等は、今後評価、議論をしていく中で、組織委員会とIOCがしっかりとお話をしていただく中で、政府としてどのように対応していくかということになると思っています。
(記者)
 緊急事態宣言が、本日から39県に関しては解除されました。少しずつ出口に向かっている形になっていると思いますが、アスリートとか競技団体に、この39県の解除をどういうふうに受けとめてもらいたいか、もしありましたらお願いします。
(大臣)
 やはり大きな目標に向かって、誰もがそうだと思いますけれども、一生懸命に自粛をしながらできるだけのことを、テレワーク等を通じたり、あるいは自宅でのトレーニングも続けながら、選手や関係者の皆さんに懸命な努力をしていただいていました。少しずつ解除されていく中で、精神的な部分においても非常に前向きになってきているのではないかなと思います。  そういった中で、先日13日ですけれども、萩生田文部科学大臣が早速に、大変な御理解のもと、スポーツ庁鈴木長官とともに、Web会議で4名の選手の意見をお聞きいただきました。  例えばナショナルトレーニングセンターの使用をぜひお願いしたいですとか、今選手が抱えている切実な思いを直接文部科学大臣にお話しをしていただきまして、大臣もいろいろな工夫をしながらですとか知恵を絞りながら対応していくということもおっしゃっていただいておりました。選手としても、Web会議等でメディアを通じてその状況が報道されていましたので、それを見たスポーツ関係者は非常にモチベーションがまた上がっていったのではないかなと思っております。  やはり、何と言っても選手の環境というものをしっかりと整えてあげなければいけないと思います。まずは感染予防というものがしっかりとなされていかない限り、これはなかなか難しいと思いますけれども、安心と安全の状況を、しっかりと感染防止対策をした上で、あらゆる状況を加味しながら、選手の環境整備というものを、よりいい環境に持っていってあげられるようにしていかなければいけないと思っております。
(記者)
 オリンピックの追加経費の関連で、組織委員会が削減項目について検討されていると思うんですけれども、国として削減項目として今把握されているものがあるかどうか、お聞かせ願えますでしょうか。
(大臣)
 まだ実際には詳細は出されてきておりませんので、国としては、今後組織委員会、あるいは東京都、そしてIOCと、追加経費が大体どのぐらいかというようなことが具体的に出された段階で対応することになると思います。現段階では、メディアを通じてですけれども、例えば聖火リレーの縮小ですとか、あるいは開閉会式を検討しているですとか、そういったことは組織委員会からお聞きしております。  やはりあらゆる状況を見ながら、決定から7年間かけてやってきたことを1年延期することによって見直すということは大変な作業でありますので、時間がない中でありますけれども、しっかりと精査した上で、また、示されていくことにできる限りのサポートをさせていただきたいと思っております。
                
 以上