令和2年3月10日


閣議後定例記者会見


質疑応答
(記 者)
 東日本大震災の発生から明日で9年を迎えます。大臣の受け止めと復興五輪への意気込みを改めてお願いします。
(大 臣)
 東日本大震災の発生から明日で9年ということになりますが、改めて震災で亡くなられた方々に哀悼の意を表するとともに、大震災で被災された方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。大会招致が決定したのは2013年ですけれども、被災地にはオリンピック・パラリンピックを開催しているどころではないという声があったのは事実であります。そうした声をスポーツの持つ力でよい意味で払拭をして、被災地の方々にオリンピック・パラリンピックをやってよかったと思っていただけるように、少しでもオリンピック・パラリンピックを身近に感じていただけるように勇気づけるものとしていきたいと思っております。 東京大会の重要な柱が、復興オリンピック・パラリンピックの実現であります。東日本大震災の際には多くの国や地域から温かい御支援をいただきました。大会開催により、世界各国の注目が日本に集まるこの機会を最大限に生かして、感謝の気持ちをお伝えしながら、被災地が復興を成し遂げていく姿を世界に発信をしていきたいと思います。 2020年東京大会まで150日を切りましたけれども、今後オリンピックの聖火がギリシャから宮城県東松島市に到着をします。被災3県の「復興の火」の展示の後、全国をめぐる聖火リレーは復興の象徴である福島県のJヴィレッジをスタートします。また、最初の競技としてソフトボールが開会式に先駆けて、福島県のあづま球場で実施されるほか、宮城県ではサッカーの試合が実施をされます。 食材、あるいはメダリストが手にするビクトリーブーケ、そして国立競技場のエントランスゲートの軒庇にも被災地産の木材が積極的に活用をされております。 担当大臣という立場で被災地と連携をするのはもちろんのこと、復興庁を初め、組織委員会、東京都とも連携をして、引き続き復興の後押しをしてまいります。
(記 者)
 ギリシャのオリンピック委員会が、コロナウイルスの感染拡大を受けて、12日にオリンピアで行われる東京五輪の聖火の採火式を無観客で実施すると発表しました。これについて、異例の事態だと思うんですけれども、大臣の受け止めをお願いします。
(大 臣)
 ギリシャオリンピアで行われる12日のオリンピック聖火の採火式は予定通りの日程で行われると、昨晩、組織委員会から報告をいただきました。 採火式は無観客として、関係者の人数も絞り込む予定と聞いておりますけれども、政府としては、ギリシャオリンピアでの聖火の採火、アテネにおいての引継ぎ、そして聖火の3月20日の我が国への到着に向けて、引き続き組織委員会と連携をしてまいりたいと思います。 異例であるということですけれども、聖火の採火が行われて、無事日本に向けて出発をしていただけるということですので、これをやはりしっかりとスタートさせて、まさに復興オリンピック・パラリンピックの象徴となるスタートを迎えるべく、しっかりと努力をしていきたいなと、改めて昨日組織委員会から、森会長からの報告をいただきまして、身の引き締まる思いで聞いておりました。
(記 者)
 政府の男女共同参画会議の議員だった石川康晴さんが辞任を申し出られて、それを昨日付で受理されたと思います。これを政府として確認されるというふうにおっしゃっていたと思うんですけれど、何を確認されて受理されたのか、セクハラ行為などがあったというふうに、そういったことがあったと確認されたのかどうかも含めてお伺いできますでしょうか。
(大 臣)
 男女共同参画会議の議員が、議員の就任以前に女性従業員に対する自らの行為について厳重注意を受けたことが明らかになりまして、辞任に至ったということでありますけれども、大変遺憾に思っております。 石川元社長は、女性従業員に対する自らの行為等について会社から厳重注意を受けたものと承知をしておりますけれども、個別の事案についての事実を確認する立場にはありませんが、仮に報道されたような行為があったとするならば、相手の女性が不快な思いをされているならば、決して許されるものではないと思います。 引き続き、セクハラを始め、女性に対する暴力の根絶に向けて、全力で取り組んでいきたいと思っています。
(記 者)
 それについて、何点かお伺いさせていただきたいんですけれども、大臣が今おっしゃっていただいたように、社内でセクハラや性暴力に関わって厳重注意を受けられた方が、わずか3か月後に性暴力に関わる問題の報告を受けたり、女性に関わる政策を考える議員をなさっていたことにもなって、なぜこうした方が選ばれてしまったと思われますでしょうか。まず、石川社長を選ばれた理由について、お聞かせいただけますでしょうか。
(大 臣)
 有識者の任命当時は、石川元社長が女性従業員に対する自らの行為について厳重注意を受けていたことについては把握をしていなかったわけでありまして、いずれにしても、男女共同参画会議の議員がこのような厳重注意を受けたことが明らかとなって、辞任に至ったことについては、本当に残念ですし、遺憾に思っております。 今後どのような形で、しっかりとそういったことがないように、事前の調査も含めて、委員を選任していくかということになると思いますけれども、これに関しては、可能な限りの手段を講じて、情報収集を行いながら、検討に遺漏のないように、しっかりとやっていきたいと思います。 やはり、こういったことがありますと、せっかくのこの男女共同参画会議において、期待をしていただいている、特に女性の皆さん、女性活躍という視点においても、重要なことだと思いますし、そういった期待を寄せていただいている国民の皆さんの期待を裏切らないためにも、しっかりとした情報を収集して、そしてその取組が多くの方々に発信がしっかりできて、そして納得していただけるような取組にならなければ意味がないと思いますので、ここは厳重にやっていきたいと思います。
(記 者)
 最後に、これに関わる議員を選ばれた任命責任というのは、基本的には首相になると思うんですけれども、ただ、政府としては内閣府が所管されているということで、こうした事態が起きてしまったことに関して、大臣としてどう責任を感じられているかどうか、お聞かせいただけますでしょうか。
(大 臣)
 やはり、こういったことがあったという事実に対しては、非常に責任を感じております。その責任を感じていく中で、今後そういったことがないようにしっかりと取り組んでいかなければいけないと思いますので、このことも含めながら、今後について更に情報を収集しながら検討していきたいと思います。
(記 者)
 震災から9年に際しまして、被災地では、被災者の方にはオリンピック・パラリンピックの開催が復興に結びつくとは感じられないと思っていらっしゃる方がたくさんいるというのも事実です。 復興五輪の成功に向けて、改めてどのような取組が必要だとお考えでしょうか。
(大 臣)
 まだまだオリンピック・パラリンピックどころではないという声があるということは承知しております。やはりオリンピック・パラリンピックというものの意義、そういうものをこれからももっともっとしっかりと発信していかなければいけないなと思っております。まずは、スポーツの力というのは、まだまだ計り知れないものがあると思いまして、特に昨年のラグビーのワールドカップでも、釜石でやっていただきました。一つ中止にはなってしまいましたけれども、ただ、あの盛り上がりの中で、復興の姿というものに対して、非常に、特に子供たちですとか、そういった地元の方々が次世代に向かって、次の世代に向かって勇気と希望をいただいたというコメントも見させていただいて、まさにスポーツの力というものは、こういったところにしっかりと根づいていくものだなと感じました。東京オリンピック・パラリンピックというものを通じて、東北の持つやはりすばらしいポテンシャル、これを多くの被災地の方々に自分たちがしっかり頑張っているからこそ、東京大会の成功があるんだと、あったんだと思ってもらえるような取組に、しっかりと進めていきたいと思っております。2020年以降のレガシーとしても、やはり文化ですとか、伝統、芸術、東北のすばらしい地場産業、あるいは特に農業であったりですとか、新しい水素を中心としてエネルギーであったり、東北の持つもの、東北の持つ力ならではのすばらしさを発信をして、これからのさらなるスピード感を持って復興を遂げていく東北に後押しができるような東京大会にしていきたいと思っています。
                            
 以上