令和元年12月17日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言
 おはようございます。私から2件、報告をさせていただきます。本日、共生社会ホストタウン28件を登録いたしまして、これにより合計件数が65件となりました。市区町村では、人口が最大の横浜市から、人口約6,000人の鹿児島県の龍郷町まで、様々な自治体を登録することができました。今後も共生社会ホストタウンを更に推進し、東京大会のレガシーとして、共生社会が全国各地で定着するよう、力を尽くしてまいります。続いて2件目です。本日、愛知県名古屋市で開催されます「ホストタウンサミットin昇龍道」に出席を致します。中部圏内のホストタウンが一堂に会するサミットで、各ホストタウンの取組の発信や情報交換の大変貴重な機会となります。東京大会に向けた取組の充実はもちろんのこと、2020年を超えてこのホストタウンの取組をレガシーとして残していく、その機運醸成に一役買ってまいりたいと考えております。私からは以上です。

2.質疑応答
(記 者)
 幹事からは2点伺いたいと思います。まず、1点目に、冒頭御発言のあった共生社会ホストタウンについてですが、来年の東京大会に向けて共生社会を実現するための課題は何だとお考えでしょうか。
(大 臣)
 政府において、ユニバーサルデザイン2020の行動計画に基づいて新学習指導要領の改訂や鉄道駅、ホテル等のバリアフリー基準の見直しなど、様々な取組を行ってきておりまして、今後とも障害者の御意見を聞きながら取組を加速してまいりたいと思っております。加えて、共生社会を全国各地で定着させていくため、パラリンピック競技を受け入れるホストタウンや、これをきっかけとして心のバリアフリー、ユニバーサルデザインのまちづくりに取り組む共生社会ホストタウンの量的あるいは質的な充実も図ってまいりたいと思います。課題ということに関しては、パラリンピックの競技の受入れに対して自治体から、まだやはりどのように行っていいのかというような、施設の面からも含めてまだ戸惑いがあると思っています。ただ、今まで選手を受け入れた共生社会のホストタウンからは、多くの市民の皆さんが選手と触れ合って、パラリンピックの競技や障害者の方々への理解が深まったというふうな良い成果も上げております。見るのとするのとでは違いますし、また聞いているのと実際に来ていただくというのとでは、全く違うといったことを実感をしていただいているので、しっかりと説明をして、出向いて説明をして、そしてお互いが本当にすばらしい状況の中で受け入れる体制を整えていくということが大事なのではないかなと思っております。もう大会まで8か月を切っておりますので、共生社会ホストタウンの知見の共有を更に推進して、促進して、補正予算もしっかりと活用をさせていただきながら、パラリンピック競技の受入れを行うホストタウンの増加と共生社会ホストタウンの発展に、一層力を入れていきたいと思っております。今日で65件なので、三桁を目標にしたいというふうに私は思っております。
(記 者)
 2点目ですが、19日に組織委員会において理事会が予定されております。大会前最後の予算となるV4が審議されると想定されますが、V3の予算規模、1兆3,500億円は維持される見通しでしょうか。また、変更される場合、要因はどこにあるとお考えでしょうか。
(大 臣)
 今、組織委員会の方で、この大会経費のV4について、公表に向けて作業を進めているということでありますので、現在、私自身から申し上げるということはできない状況にあると思っております。
(記 者)
 人材派遣会社が時給1,600円以上などで大会のスタッフを募集していますが、ボランティアと同じような仕事と受け止められる内容で募集されていて、ボランティアとの違いが分かりにくいと議論を呼んでいます。大会スタッフの募集の在り方について、大臣の御意見をお願いします。
(大 臣)
 この民間企業に関しての報道というのは承知をしているんですけれども、実際にこの事実関係の詳細というのは承知をしていないものですから、またしっかりと精査をさせていただかなければいけないのではないかなと思っております。どちらにしても、大会の成功に向けて、それぞれの皆さんが努力をしているということの現れでもあると思いますので、状況をしっかりと見据えていきたいと思っております。そして組織委員会がその件に関しては、今後いろいろな問題が生じていく中で、検討していくことと承知しておりますので、そこについても注視していきたいと思います。
(記 者)
 混乱を来さないように明確な募集の在り方などが求められているかと思うんですけれども、その辺についてはどうでしょうか。
(大 臣)
 当然、混乱を来さないように、そういったことをしていくということは重要です。これはやはり組織委員会が主となってやっていくことですから、しっかりと発信をしていかなければいけないと思います。
(記 者)
 オリンピック・パラリンピックに向けて、いろいろサイバーセキュリティの部分でも動いていかないといけないところがあると思うんですけれども、ちょっと前に行われたラグビーワールドカップ期間中に、サイバー攻撃を受けたというお話が一部報道でも出ておりまして、まずこの件に関して政府として認識をしているのかということと、認識している場合なんですが、具体的にどんな被害があったのかというのを、まず1点お伺いしたいと思います。
(大 臣)
 ラグビーワールドカップの組織委員会からは、正式にはそのようなお話は出ておりません、具体的に大変な大きな問題が生じたということの報告を受けていないという状況であります。これから今回のラグビーワールドカップに対して、こういったサイバー攻撃が何件どのように行われたかというようなことも精査をしていきながら、引き続き、内閣官房に設置したサイバーセキュリティ対処調整センターを中心として、関係機関と連携をして、しっかりとした対応に努めていきたいと思っております。
(記 者)
 今後オリンピック・パラリンピックには、こういった大規模なサイバー攻撃というのは考えられると思うんですが、まさしく平昌だったりとか、そういったところでもあったようなこともありましたし、今回の東京大会に向けてですね、政府としてどういった防衛策をとっていくお考えなんでしょうか。
(大 臣)
 この問題については、今までも相当力を注いでやってきている分野でもありますし、もう億を超える攻撃があったということは事実でありますので、過去のオリンピックですね、その数がだんだんとオリンピック・パラリンピックを重ねるごとに増えてきているという実態でもあります。東京大会もそれを想定して、先般もサイバーセキュリティに関する演習を5,000人規模で行ったりということで、あらゆることを想定しながら、シミュレーションしながら、いつ何時どのようなことがあっても、しっかりと対応できるように日々努力をしていくという状況です。
(記 者)
 最後1点なんですけれども、専門家の中ではですね、世界中のサイバー犯罪者が最新の技術を試しにかかってくるだとか、年々巧妙化、そういうサイバー攻撃の技術力が発揮されてしまうだとか、こういったイベント便乗型のサイバー攻撃というのも多いと思います。このサイバー攻撃に対する大臣御自身としての認識と危機感はどの程度感じていらっしゃるか伺えればと思います。
(大 臣)
 私もアスリートのときからオリンピックの会場ですとか、あるいはオリンピックビレッジですとかで、大変なテロの問題というものがそれぞれ多様化しているといいますか、しっかりと安全性を保ちながらオリンピック・パラリンピックを運営していくということが、非常に難しい問題であるということは、これは昔からアスリート時代から認識をしてきたことなんですけれども、だんだんとやはりいろいろな攻撃の仕方が多様化してきているということの中で、その対応能力が試されるんだとも思っております。東京大会というのは、やはり成熟した国家として迎える大会としては、非常にテロの問題というのは、相当な状況に置かれるんであろうとは当然想定されますので、今から何をどのように防ぐかということが、当然相手もあることですので、申し上げることはできませんけれども、全てを想定して準備に取り組んで、そして万全の体制で2020年の本番を迎えなければいけないという、これは本当に緊張感を持って取り組むべき第一の問題であると思っております。
(記 者)
 ジェンダーギャップ指数が公表されまして、日本は121位に下がりました。世界でもかなり下位ですけれども、受止めと今後への対応をお願いします。
(大 臣)
 121位ということで、特に経済分野と政治分野での順位が低かったことが、この数字に反映されてしまったんではないかというふうにデータとしてもあるんですけれども、どちらにしても、安倍内閣としては女性活躍を最大の重要課題の一つとして取組を進めてきておりますので、今後とも、今年の通常国会で改正した女性活躍推進法に基づく企業などの行動計画の策定、そして公表や、女性活躍の取組の状況の見える化の徹底をさせていただいたり、昨年の5月に制定された、政治分野における男女共同参画の推進に関する法律を踏まえて、各政党へのお願いをして回っているところでありますけれども、各種施策を一層推進をしていく努力をしていかなければいけないと思いました。
                            
 以上