令和元年11月12日
閣議後定例記者会見
1.冒頭発言
おはようございます。冒頭、私から3点お知らせがございます。まず1件目は、全国にはGAP認証等を取得している農業高校などが増えてきております。彼らの作った食材をホストタウンに来る選手たちに食べてもらおうという取組を後押しするため、GAP食材を使ったおもてなしコンテストを実施いたします。高校生等が、GAP認証を取得した食材を活用した料理を、ホストタウン相手国の選手の食文化や競技の特性などにも配慮して考案し、こんなふうに食べてもらいたいという企画を提案致します。それをコンテスト方式で全国の皆様に投票をしていただくこととしております。本日、ホストタウン自治体と高校生等がコラボした40の参加チームを今日公表いたします。12月中旬から1月中旬まで、全国の皆様方から応援投票を頂きますので、是非応援をしていただきたいというふうに思います。なお、投票結果は、3月の表彰式の際に公表いたします。本日夕刻に、このコンテストにエントリーを頂いた福島県の高校生にお越しを頂きまして意見交換をする予定です。続いて2点目は、明日13日の夕刻、総理官邸におきまして、第10回ホストタウン関係省庁の連絡会議及び第4回ホストタウン首長会議を開催いたします。東京大会まで250日余りとなる中、ホストタウンの首長にお集まりを頂き、東京大会に関する最新の情報や好事例を共有し、各ホストタウンにおける取組の更なる推進と機運の醸成につなげてまいりたいと思います。最後に3点目は、内閣府では、毎年11月12日の火曜日から25日月曜日までの2週間、女性に対する暴力をなくす運動を推進しており、本日が初日となります。本運動期間中は、お手元にお配りしたとおり、東京スカイツリーや京都タワーなど全国のランドマークが、女性に対する暴力根絶のシンボルカラーであります紫色にライトアップされ暴力の根絶を呼びかけるほか、自治体や民間団体等との連携の下、各地で様々な意識啓発のための取組が行われます。また、今年は厚生労働省と協働してDVと児童虐待の特性や関連性等を周知することとしており、これらのポスターやリーフレットを全国の自治体、関係機関等で活用していただくとともに、W(ダブル)リボンバッジや広告バナー、SNS等を活用した幅広い広報を展開してまいります。併せて、男女共同参画局のホームページに、DVと児童虐待の特集サイトを開設しております。皆様のお手元に資料を配付しておりますので、是非御覧を頂きたいと思います。本運動を通じ、多くの方に、家庭内の暴力から1人で逃げ出すのは困難であることを知っていただきたいと思います。また、被害に悩んでいる方は、我慢せず相談をしていただきたいと思いますし、被害に悩んでいる人を見かけた方は、相談先を教えてあげていただきたいというふうに思います。私からは以上です。
2.質疑応答
(記 者)
オリンピックの関係でお伺いいたします。冒頭にもありましたけれども、明日の夕方、首相官邸でホストタウン関係府省庁連絡会議と首長会議が開かれ、大臣も御出席される予定かと思いますけれども、残り9か月を切った大会に向けた機運醸成のため、今後、自治体にどのような協力を求めていかれるのか、大臣のお考えをお願いいたします。
(大 臣)
このホストタウンというのをしっかりとレガシーとして築き上げていきたいということで、大変力を入れてきた事業でもあります。多くの自治体に手を挙げていただいて、今では登録件数が392件、自治体数で464、相手国・地域数は156までに増えてきました。10月には、福岡県の飯塚市で共生社会のホストタウンサミットを開催をさせていただき、先日は、福島県のJヴィレッジで復興ありがとうホストタウンサミットにも参加をしてまいりました。いずれのサミットでも、現場で旗を振って汗をかいておられる首長を始めとする関係者の皆様とお会いをする機会があって、皆様の熱気を実感をしてきました。大臣就任以来、ホストタウンの子供たちと触れ合う機会を多く作りたいということで活動してきておりますけれども、先日もJヴィレッジでは、ブラインドサッカーの選手たちの大会を直接見ていただいて、直接選手たちと触れ合っていただくなどの交流を続けてきておりますけれども、更にこういったことをやっていきたいというふうに思っております。やはり選手・アスリートの皆さんは、自国外で大会をする、あるいはオリンピック・パラリンピックを迎えて事前合宿等をやりますけれども、人に触れる、そして文化に触れる、そして食、あらゆることに異なった国で安心して競技に向かっていきたいというのは誰でも思うんです。今までの取組ではなかなかそういったことが、政府と自治体と国とが一体となってホストタウン構想をやってきたというのは日本では珍しいといいますか、今までのオリンピック・パラリンピックの取組では新しい取組だと私も感じているんです。そういった取組を通じて、これから先を見据えた中で2国間あるいは自治体との触れ合い、そして子供たちがどのように感じ、何を今後広めていきたいかということの、それぞれの未来に向かっての自己啓発といいますか、そういうものにもつなげていきたいというふうにも考えております。また、来年の期間中ですけれども、2020ホストタウンハウスを設置する予定にしておるんですけれども、ここでは、こうしたホストタウンの住民の皆さんと、相手国や地域の選手の交流の集大成をPRしていただいて、世界中の皆様に地域の魅力を知ってもらうという機会になればというふうに考えております。各ホストタウンで心温まる交流を積み重ねてきていただいて、2020年を超えた末長い取組を活発に進めていく段階にこれからいくんではないかというふうに思っております。ただ単にオリンピック・パラリンピックというものを開催するということだけではなくて、その先に何を残していくかということを考えていく期間にも今入っているというふうに思いますので、引き続き、今までやってきた成果というものを更に寄り添う形でお手伝いをするということと、まだまだこれからホストタウンに手を挙げたいというところも出てくると思いますので、そういった数を増やしていきたいというふうに思います。競技によっては、これからまだ予選をやってオリンピックの、あるいはパラリンピックの出場権を勝ち取ろうという種目であったり国だったりがまだまだありますので、その部分を含めて今後ホストタウンがもっと増えていくように、そして、手を挙げやすい形の中でいろいろな情報を共有しながら、あるいは発信をしていきたいというふうに思っております。
(記 者)
おもてなしコンテストについてお尋ねいたします。参加チームは、福島県が5チームあるかと思うんですけども、ホストタウンは全国で広がっている、全都道府県で広がっていると思うんですけれども、この福島県の5チームというのは、恐らく都道府県で最多だと思うんですが、積極的に参加されている長野県とかホストタウンの特徴というか、1チームもない都道府県もあると思うんですが、福島県は5チームエントリーされている、そういう特徴で何か感じておられるところがありましたらお願いいたします。
(大 臣)
やはりオリンピック・パラリンピックは、復興オリンピック・パラリンピックと位置づけているということもありまして、そういった部分の心の復興も目指して、生徒さんたちがしっかりと復興オリンピック・パラリンピックを発信していきたいという自らの思いというものがこういった数につながってきているのかなというふうにまずは感じました。特に、校長先生ですとかが一体となって取り組んでいこうという力を感じると同時に、生徒さんたちがGAPを取得するというのはやはり大変なんだというふうに私は思っています。なかなか各自治体あるいは農業団体等も含めて、GAP制度を取得するというのは非常に難しい取組だということの声を聞いてきた一人でもありますので、それを農業高校の生徒さんたちが自ら連携をとって、すばらしい食材と同時におもてなしというものも、心を込めてメニューを作り、そして発信をしていくという力、そういったものを感じています。今後、復興オリンピック・パラリンピックというものが、ただ単に復興を遂げていく姿を見ていただくだけではなくて、こういった生徒さんたちが自ら立ち上がって、更にその先を見つめていく取組なんだということがアピールされているということが非常にすばらしいなというふうに思いました。こういった企画をさせていただいたのは政府ではありますけれども、それ以上にすばらしいものなんだなということを私たちに伝えることができる、そういった情熱というものを感じているときに、更にこういった取組を推進していかなければいけないなというふうに感じたところです。
(記 者)
聖火ランナーの日本人の一番最初の聖火ランナーが野口みずきさんに決まりましたけども、御感想ですとかエールですとか一言いただければと思うんですが。
(大 臣)
正式に発表されまして、感動しました。私の予想ともぴったりでした。それは、やはりオリンピックで金メダルをとったランナーですので、大変ふさわしいなというふうに、その発表をお聞きして私自身感動しました。やはりオリンピックの聖地ですから、アテネは。その採火式で採火された火のまず最初のランナーが、アテネで大変感動を届けていただいたマラソンの金メダリストが最初のランナーというのは、非常にすばらしいなというふうに思いました。
(記 者)
五輪のマラソンと競歩についてです。組織委員会の森会長らによる札幌訪問が先週ありました。コースの候補地の視察だったり、また、実務者協議が急ピッチで進む中、大臣として12月の臨時会に向けていろいろ必要になる中、組織委員会や、また札幌市などへ期待する部分だったり今後の動きなど何かあれば是非お願いします。
(大 臣)
森喜朗組織委員会会長が自ら北海道、そして札幌市にお出向きを頂いて、直接お願いと、そして今後の取組についての意見交換をしていただいたということは、非常に良かったというふうに思っております。北海道や、そして札幌市の思いというもの、そして、これから組織委員会がやっていなければいけないこと、そして、IOCと連携をとって、あるいは国際陸上競技連盟や日本陸連との連携をやはりしっかりと強化をして、正に選手たち、アスリートがここで走ってよかった、走りたいというふうなものにしていくというのが私たちオールジャパンで進めていく大切な仕事だというふうに思っております。まずはその中で組織委員会とIOC、そして自治体が、これからコース等も設定をされていくというふうに思いますけれども、選手たちがこのコースを走るんだということが今一番心待ちにしていることだというふうに思うんですけれども、そういったコースや日程ですとか、そういったことを早急にそれぞれの立場の意見を交わしながら決めていっていただきたいなというふうに思っております。
(記 者)
武藤総長が、コースの候補地を何か所か視察されてそれぞれに言及されているんですけど、大臣としてはコース、アスリートの観点からして、今おっしゃったところがあればなんですけども、何か札幌の候補地に対して思いなどありますか。
(大 臣)
今、報道等で知る限りですけれども、北海道マラソンのコースがベースになるんだろうということは承知しておりますけれども、北海道の魅力ですとか札幌の魅力といいますか、そういったものが盛り込まれるようなコースになることは期待したいなというふうに思います。
(記 者)
日程についてなんですけれども、森会長が、ドーピング検査等々の関係で最終日は難しいだろうというようなお話が札幌市、道庁であったんですけれども、森会長から出たんですけれども、その辺、武藤事務総長から、IOCから、最低やっぱり最終日にしてほしいというような話があったというところなんですけれども、実際いろいろドーピング検査に詳しい大臣としては、日程について御所見あれば。
(大 臣)
その日程に関しては、大会組織委員会を中心として、当事者間において検討が進められていくものだと承知しておりますので、その状況というのを、これからどのように決められていくかということに対して、私自身は注視していくということになろうかというふうに思います。ただ、その上でですけれども、森会長がドーピングコントロールのことも含めて、最終日にマラソンを持っていくというのは非常に難しいんではないかというふうに言っていただいたのは、大変な現場への配慮があっての思いだと思いますので、そこは非常に重要なところをポイントとして挙げていただいたなというふうに思います。これはアスリートの視点からです。ドーピングコントロールというのは、非常に緊張感が漂うものでありますので、選手へのストレスというものをなくした中でしっかりと対応してあげなればいけないものですし、また、大会が終わってからのドーピングというのは当然なんですけれども、大会外検査というのが必ずやらなければいけないということになっておりまして、こういった問題も含めていくと、森会長としては、現場の声を聞いてきた方であるからこそ、少し前倒しをした方が現場の混乱がないんではないかという提案だというふうに思いますので、今後そういったことがIOCとしっかりと協議をされて、アスリートファーストの視点で正に今後日程を決めていっていただきたいなというのが、元アスリートとしての私の見解です。
(記 者)
今日の夕方、大会組織委員会が東京大会の副賞としてビクトリーブーケの発表を行います。被災地の花も活用される方針ですが、大臣の期待感などありましたらお願いいたします。
(大 臣)
ここのところ、リオもそうでしたけれども平昌も、お花ではなく、ブーケではなくてマスコットですとか記念品のようなものをメダル授与のときにお渡ししているという状況だったんですけれども、日本大会、この東京大会では、またブーケを選手にお渡しをするということを今日発表されるということで承知をしています。特に東北のお花を使用するということは非常に喜ばしいなというふうに思っております。正に復興オリンピック・パラリンピックのシンボルになりますので、そういったことを含めて、頂いた側のアスリートが、そういう思いも込められているんだということが伝わるようなプレゼンといいますかメダルセレモニーになっていただければなというふうに思います。やはり選手というのは、選手だけではないですけれども、花というのはやはり心の癒やしですとか、メダルを頂いたときのブーケというのは、私自身も経験ありますけれども、非常に有り難さと同時に、それを頂いたことへの思いと、そして、それを更に感謝の気持ちを込めて多くの観客の方にお見せをするという意味においては、非常に会場が和やかといいますか明るい一体感を持ったシチュエーションになっていくので、それを東北のお花を、花きを使っていただけるということは非常に有り難いなというふうに思いました。また、ブーケに使っていただく花には限りがありますよね。たくさんの種類を入れることはできませんので、2つ3つ、それがかわいくアレンジされるんだというふうに思うんですけれども、ブーケだけではなくて、会場ですとかあらゆるところに花を使った装飾というのは、どの会場にも必要だと思っておりますので、引き続いて東北のお花というもの、花きというものをあらゆる舞台で、東京大会で使用していただけるように、組織委員会とも連携しながらPR活動を続けていきたいというふうに思います。
以上
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