令和元年8月15日
閣議後定例記者会見
1.冒頭発言
おはようございます。冒頭私から1点ですが、私の海外出張についてお知らせを致します。8月18日から23日まで、パラオ、ミクロネシア連邦、グアムを訪問いたします。東京大会の開会まで1年を切りました。そこで、我が国との歴史的関係が深い太平洋諸国の地域の中でパラオ、ミクロネシア連邦、グアムを訪問し、パラオのメレンゲサウ大統領を始め、各訪問国・地域において要人との会談等を通じて、2020年東京大会に向けての協力関係の一層の強化を図るとともに、東京大会後を射程に入れた末永い交流の実現に向けた取組についての提案などを行ってまいりたいと思っております。この度の訪問は、東京大会を契機として地方自治体と参加国・地域との交流を行うため重点的に取り組んでおりますが、ホストタウン事業との関係で、今回訪問する国・地域のホストタウンに既になっている、また今後ホストタウンになる予定の地方自治体の皆さん、市長さんや町長さん、担当者の皆さんと一緒に現地を訪れて、各種交流事業等に参加してまいります。太平洋島嶼国・地域については、我が国との歴史的関係が深く、既に15か国・地域についてホストタウンがございますが、具体的には、今回訪問するパラオについては、既にホストタウンになっている茨城県の常陸大宮市、宮城県の蔵王町、ミクロネシア連邦につきましては、ホストタウンを新たに希望をされておられます島根県の海士町の町長さん、そして担当者の方とともに、それぞれ要人との会談を行い、現地の小学校や高校における交流事業に参加してまいります。また、グアムでは、グアムのホストタウンであります福岡県のみやま市、柳川市、みやこ町、築上町の中学生が、テレビ会議システムを利用してグアムの中学生と遠隔で交流する現場を訪問いたしたいと思っております。ホストタウンは、オリンピック・パラリンピックを東京のみならずオールジャパンで盛り上げていくための取組であり、日本の地方自治体のみならず相手国の国民の皆さんの御理解と協働がとても大切であります。こういう点を踏まえまして、今般のパラオ、ミクロネシア連邦、グアム訪問をきっかけといたしまして、2020年の大会本番に向けてはもちろん、2020年を超えて各国・地域とホストタウンとの末永い交流を促進するための太平洋島嶼国・地域ホストタウン青年プロジェクト、これはまだ仮称でありますけれども、このプロジェクトを立ち上げて、その実施について提案を行ってまいりたいと思っております。このプロジェクトは、東京大会本番前の2020年2月に、各国・地域とホストタウンの架け橋になる若者を15の太平洋島嶼国・地域から各1名、1週間招へいし、ホストタウンとの間で文化や経済などの様々な分野における交流を図る取組でありまして、今後の末長い交流の礎づくりを目的として、今回の訪問時に提案するものであります。日程につきましては、後程、貼り出しを致したいと思います。私からは以上です。
2.質疑応答
(記 者)
今月行われたテスト大会についてお伺いいたします。11日に実施されたボート大会のテスト大会では、観客1人が熱中症の症状を示したほか、選手延べ10人が体調不良を訴えました。今回の事案についての受け止めと、今後の暑さ対策についてお考えをお示しください。
(大 臣)
暑さ対策は、かねてから申し上げていますように、2020年大会にとってとても大切な対応でありまして、正にテストイベントを通じていろいろな出来事を検証して本番に備えなければならないと思っております。このボートのテストイベントの日は、気温が33度を超えたという大変暑い日に開催されたということで、御指摘のような体調不良を訴えた方も出たわけでございます。これは観客、それから選手もそれぞれですね。暑さ対策につきましては、基本的には直ぐに水分を補給できる環境、あるいは日陰の確保、救護所の設置、そしてソフト面では、熱中症等患者情報の発信などハード・ソフト両面での取組を進める必要があると思ってございます。大会本番に向けまして、この夏、国と東京都、組織委員会等がしっかり連携をして試行を行いまして、テストイベントの検証結果を踏まえて、今後の対策の更なる充実強化ということもやっていかなければならない、そういうふうに思っています。
(記 者)
パラリンピックの関係で質問させてください。国内では今、バリアフリー化というのが大会に向けて進んでいると思うんですけども、一方で、例えば英語や中国語での手話とか、あと外国語での点字ということについては、ソフトの面になるのかもしれませんけれども、基本的にその対処策というのがそれほど執られているような感じはしないんですね。それについては、そういった部分で対策が必要なのかどうかというそんな意識というのと、もしもお考えの中で、どういった対応策が必要なのかお考えがあればちょっとお聞かせください。
(大 臣)
パラリンピックでいろいろな障害のある方が選手として参加されているわけでございますし、海外からも障害を持った方がおいでになると思います。視覚障害の方や聴覚障害の方、点字とか、それから手話というのが国内においては重要な意思伝達の方法だと思いますが、私の知る限りにおきましては、点字も国際標準がない、手話も日本で日頃使われているのと外国で使われるのと、これは全くイコールじゃないというようなことがございます。そういうことを聞いております。私もかねてから、そういう点はちょっと問題意識としてありましたけれども、今後それを補ってどういうことかできるか、今おっしゃった、いろいろアプリの活用とか別の手段でそういう点を補うとか、そういうことをしっかりと検証していかなくちゃならないと思います。
(記 者)
ありがとうございます。本日は終戦記念日になりますけども、大臣は、靖国の参拝ですとか玉串の奉納等の予定はありますか。
(大 臣)
今日は伺いませんでした。多分、皆さん伺った方も、この時間ですから参拝されていると思いますが、予定としても今日参拝の予定、玉串を奉納するという予定はございません。
(記 者)
一昨日、パラリンピックの競技スケジュール等の公表とチケットの抽選販売を始めると組織委員会が発表しました。オリンピックと比べて大分価格も手頃になっていますが、大臣の期待をお願いいたします。
(大 臣)
パラリンピックにつきましても、またかねてよりパラリンピックを是非成功させなければならない。パラリンピックが成功して初めてトータルとしての2020年東京大会が成功したことになるということを申し上げてまいりました。そのためには、やはり国民の皆さんのパラリンピックに対する理解、それからおもしろさ、魅力、そういうものをまず理解していただくことが大切だと、こう思っておりまして、そこにメディア関係の皆さん方も、新聞紙上もテレビも、こうした障害者スポーツを随分記事にしていただいたり発信をしていただいて、大分理解や魅力についての思いが国民の皆さん方にも広がっていきつつあると、こういうふうに思っております。何をもって成功したかということになると、いろいろ尺度はあると思いますが、一つは、やはりパラリンピックのスタジアムが観客の皆さんで一杯になるということが一つの指標といいますか、一つの在り方だというふうに思っておりますので、パラリンピックのスケジュールも発表になりました、それから、チケットも間もなく抽選が始まると、受付が始まると、こういうことですので、この機会に更にパラリンピックに対する期待、そういうものを国民の皆さん方に広く持っていただいて、結果として、2020年大会パラリンピック競技大会も成功に終わったと、そういうことになることを期待しております。
(記 者)
お話ありました太平洋島嶼国と地域の今後に関連してなんですけれども、大会後も末長い交流をということをおっしゃってましたけれども、具体的にこれらの地域とこういうトピックで交流を深めてほしいというような点、もしありましたら、もう少しお聞かせ願います。
(大 臣)
おかげさまでホストタウンの取組は、今416でしょうか、かなりの市町村が手を挙げていただいて登録をされているところであります。それぞれ既に様々な文化交流をしていただいておりますが、島嶼国の方々、やはりいろいろ経済的な面もありまして、来ていただくことはなかなかやはり、そう頻繁に来れないということで、今回は発想を逆に持ちまして、ホストタウンになっている自治体の首長さんや担当者の方が現地に訪れて、現地でその交流をするということにいたしました。そして、普通ですと、行ったら今度来てということですが、来年の2月に、15ある島嶼国地域の方々、2020年を超えてもこの連携は続くのだと、若い方々を1名ずつですけれども、今度はお招きをして、そして日本国内のホストタウンの市町村と交流してまいりたい、こういうことをしていくことによって、この地域においてもそうした2020年を超えた交流というものが続いていく、その礎づくりになればいいなと、そういうふうに思っております。
(記 者)
特に太平洋の島嶼国ですと、今よく言われています海洋プラスチックごみ、G20なんかでも問題になっていますけれども、その辺りの環境問題に関連しての取組というか大会を見据えての何かもし大臣がお考えになっていることありましたら。
(大 臣)
一般論で言えば、オリンピックは持続可能性というものを追究していかなくちゃいけないと思っております。そういう中で、昨今、海洋プラスチックを始めプラスチックの問題が取り上げられておりまして、組織委員会の方でも、廃プラスチックを利用しての表彰台を作成するという取組も進んでいるということでありますので、今回の訪問で具体的に何かプラスチックの問題について何かプロジェクトをどうこうするということはありませんけれども、一般的な交流の中で、オリンピック持続可能性の追究という中で何かいい意見、いいいろんな交流ができれば、それはいいかと思います。
(記 者)
ありがとうございました。
以上
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