平成30年7月10日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言
 おはようございます。
 冒頭、平成30年7月の豪雨につきましては、東日本から西日本の広い範囲で記録的な大雨となりました。お亡くなりになられた多くの方々に御冥福を心からお祈りを申し上げます。あわせて、負傷された方々、避難されている方々をはじめ、災害に遭われた皆様に、心からお見舞いを申し上げます。同時に、まだ救出をされていない方もいらっしゃいますので、1日も早い救出をお祈り申し上げる次第でございます。
 政府におきましては、8日に平成30年7月豪雨非常災害対策本部を設置し、一刻も早い救命・救助をはじめ、できることは全てやるという姿勢で取り組んでおります。
 今回のような豪雨や、先般の大阪府北部での地震に見られる都市型災害は、ここ東京を含め日本各地で起こる可能性があるものと受け止めております。
 2020年東京大会期間中においても、こうした自然災害は起こり得るとあらかじめ認識し、安全・安心な大会に向けて、政府として必要な対策をしっかりと講じてまいりたいと思っております。
 2点目は、「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」使用済み小型家電回収ボックス省庁リレーの実施状況について発言をさせていただきます。
 6月15日から7月6日まで、「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」に関連して、使用済み小型家電回収ボックスを内閣府、本府庁舎に設置しておりました。その回収実績を御報告申し上げます。
 約3週間の期間でございましたが、携帯電話333台、スマートフォン85台、充電ケーブル130個など、合計で738台を回収することができました。この回収ボックスは、昨日から外務省に設置されております。このメダルプロジェクトは、SDGsに貢献する取組みであることもありまして、次のバトンはSDGs推進本部の事務局である外務省に引き継いだところです。
 昨日は、河野外務大臣も自ら携帯電話を回収ボックスに投函いただいたと聞いております。
 その後も、回収ボックスは、文部科学省を始めとして、中央省庁の各ビルをリレーしていくことになっております。
 メダルプロジェクト自体の期限は、来年3月までの予定となっておりますので、国民の皆様にも引き続き使用済み小型家電の回収について、御協力をお願い申し上げたいと思います。
 私からは以上であります。
2.質疑応答
(記 者)
 よろしくお願いします。2点質問させていただきます。
 冒頭、お話ありましたが、近年毎年夏に豪雨による被害が各地で絶えません。2020年の大会直前や本番、また聖火リレーに向けた大雨対策について、どのようにお考えでしょうか。
 また、今後取り組む課題があれば、お願いいたします。
(大 臣)
 2020年東京大会の確実な成功のためには、防災・減災などの安全・安心の確保が必須であると、そういうふうに認識しております。
 政府におきましては、大会のセキュリティ確保のため、昨年の3月に、セキュリティ基本戦略を決定いたしまして、その中で、豪雨への対応を含めた自然災害への対応を掲げて、関係省庁が連携し、避難場所等を示す図記号の標準化、あるいはスマートフォンのアプリを活用した、適時・的確な情報発信等の取組みを進めております。これが政府の取組みであります。
 大会組織委員会の取組みでは、警備計画のほか、競技会場ごとの避難計画を策定することとしており、計画策定後は、災害対応訓練も実施することとしております。
 また、東京大会では、集中豪雨等がリスクの高い課題である、そういうふうに認識をしておりまして、検討を進めていると聞いております。 政府といたしましても、引き続き選手や観客、国民の皆さんが安心して大会を楽しむことができますように、大会組織委員会、東京都を始めとした関係機関と連携して、各種対策をしてまいりたいと思います。
(記 者)
 ありがとうございます。
 2点目なのですが、政府や組織委員会は、2020年のオリンピックの大会を復興五輪と掲げていますが、東北以外で、今回の大雨で被災した西日本各地や、全国でもこれまで地震や豪雨などで被害を受けた地域の方々がいらっしゃいますが、そういった方々にも大会が掲げる復興に共感してもらうためには、何が必要だとお考えでしょうか。
(大 臣)
 2020年東京大会、復興オリンピック・復興パラリンピックというような位置づけでありますが、そう位置づけられた背景は、2011年3月に発生した東日本大震災、これは死者1万9,630名、行方不明者2,569名、全壊した家屋が12万1,781棟、半壊が28万962棟という、かつてない未曽有の被害があったわけであります。その際に、多くの国、地域といった国際社会から大変な御支援を頂いたわけでありまして、招致活動の期間は、正にその中で行われたということ。
 したがいまして、東日本大震災に対する支援への感謝の気持ちと、復興しつつある姿を見ていただくという思いのもと、復興五輪と位置づけられた経緯があると、そういうふうに認識しております。
 その一方で御指摘のとおり、東日本大震災のほかにも、日本は自然災害が多い国でありまして、2013年9月に招致が決定した後も、例えば、2014年広島県豪雨、それから御嶽山噴火。2016年熊本地震。2017年九州北部豪雨などがありました。私の地元の岩手県でも2年前に台風10号で24人の方が亡くなり、1人の方が行方不明だという、そういう大災害もあったわけであります。
 全国各地で様々な自然災害が起こっているということも事実でありまして、政府としては、被災各地に対してしっかり支援を行い、復旧・復興を着実に進めるということが重要と考えております。
 その上で、東日本大震災にとどまらず、幅広い自然災害からの復興という点に関して申し上げれば、スポーツの力によって各種の自然災害からの復興・復旧を支援するという点は、大変重要な視点であると、そういうふうに考えております。このため、東京大会は東日本大震災からの復興にとどまらず、今回の平成30年7月豪雨も含め、各地で被災された方々などに希望を感じていただける大会とする視点、これが大切だと考えております。
 こうした観点から、東京大会を日本全体の祭典とすることが極めて重要であって、ホストタウンや文化プログラムの推進などを通じまして、日本中で祝福されるものとなるよう、しっかりと対応する必要があると思います。
 一例を挙げれば、今の新しい国立競技場をつくっておりますが、入口のエントランスが、東側、北側、南側3か所ありますけれども、そこで使う木材は、東側と北側は東日本大震災で被災した東北の3県の木材を使うと。南側のエントランスの木材は、これは昨年、最近九州でも大変な被害、地震、大雨がありましたので、九州の木材を使うと。こういうような具体的な取組みがございます。
 東日本大震災があった、それゆえに復興オリンピックというふうに位置づけたという背景はありますけれども、この自然災害に対してスポーツを通じて被災された方々をしっかりサポートする姿も見せていかなければならないと、そう思っています。
(記 者)
 大臣、冒頭説明になりましたメダルプロジェクトについてなんですけれども、内閣府に設置した分に関しては、携帯など700台以上が回収できたということなのですけれども、手応えとしてはどのようにお感じになられていますでしょうか。
(大 臣)
 まだまだやりようがあると、そういうふうに思っております。まずは隗より始めろということで、霞が関で始めたわけですけれども、具体的に我が事務局でも、いろいろ関係省庁と、環境省中心ですけれども、話を進めておりまして、例えば、ホストタウンの事業の取組みとして、積極的にホストタウンの中で取り組んでいただく。それは例えば、小学校、中学校、高校なども環境教育の一環として進めることができるか。
 あるいは商工会議所、商工会などにもこのボックスを置いていただいているわけですけれども、商工会には会員がおりますから、地元企業にもこういうような働きかけをして、せっかく設置しているボックスを知ってもらうとか。郵便局にも今設置されておりますので、そういう広報を徹底するとか。
 まだまだ工夫の余地はあると、こういうふうに思っていますので、来年3月までやりますけれども、更に推進をしていきたいと思っています。
(記 者)
 省庁に置いた、そういった省庁向けのボックスとしての手応えとしてはどうでしょうか。第一段階として。
(大 臣)
 なかなか、700幾つよく集まったなと思っております。各省庁で、同じぐらい、これを上回るぐらいのものが集まるといいなと思っています。手応えは感じました。
(記 者)
 ありがとうございました。
(大 臣)
 どうもありがとうございました。
 
 以上