平成29年9月22日
閣議後定例記者会見
1.冒頭発言
おはようございます。私から二点御報告致します。
一つは、今朝明け方帰ってきましたが18日からオーストラリアを訪問してまいりました。東京オリンピック・パラリンピック開催まで3年切りましたが、今までのオリンピック開催地での色々な経験を、東京大会にも生かしていきたいと思います。参考になることがより多くなるのは、国柄、国情が近い国の都市で開催されたオリンピックということで、2000年シドニーオリンピック、2大会前のロンドンオリンピック、二つの大会からは色々な経験をしっかり取り入れていきたいと思います。今回はキャンベラとシドニーへ行きました。
キャンベラでは最初にアンチ・ドーピング機構(ASADA)に伺い、説明を受け、私もドーピングに対する認識を新たに致しました。アンチ・ドーピングは、スポーツの尊厳、公平性、さらに選手の健康、そういう面においても大変重要なことであると十分認識しておりましたが、それを実施するに当たり、ASADAでは法律があり、法律に基づいて取締り、強い権限を持っています。また財政的な支援もしっかり受けているということで、お聞きするところによると、2000年シドニーオリンピックの時は、今日程ではなかったということですが、その後このアンチ・ドーピングに対する取組が強化され今日に至っているということでした。入管とも連携しながら、事前に情報を集めるそうです。この選手は問題がありそうだと思うと、そこに力を入れたり、外国の選手であっても、オーストラリアの競技に参加する限りにおいては、色々と証拠提出を求めることができるそうです。例えば、携帯電話を提出しなさいと言い、提出しなければ1日ずつ罰金を科すことができ、延滞すれば1日ごとに罰金が加算していくという取組や、スポーツに親しむ子供の段階からアンチ・ドーピングの教育をして、「やはりズルしちゃいけないのだ」と、将来的に子供がアスリートになった時や、大人になった時、ドーピングには一切手を染めないというような教育をしているということで、本当に随分先んじたことをやっているなと感じました。2020年に向け我が国においては、これからサンプルを集める人のボランティアをどうやって確保するかとか、検査する人の養成をどうするかとか、そういうことの段階なのかなと思っておりますが、議法でこのアンチ・ドーピングに対する法律も検討されていますので、それも踏まえ2020年に向けて、しっかり体制を整えることが重要だということを強く感じました。キャンベラではオーストラリアスポーツ研究所にも行きました。ここは選手の競技力アップをするところですが、施設を拝見しながら、活動内容も聞きました。先日、ナショナルトレーニングセンターに行き、そこでもハイパフォーマンスセンターをつくっていました。ただトレーニングするだけではなく、スポーツ医学、スポーツ科学、栄養、そういうものを総合的に取り入れ、選手力を強化していく、こういう取組はオーストラリアのスポーツ研究所をモデルにして始めたということで、先んじてオーストラリアはずっとこれを行ってきたわけであり、色々な経験を是非これからも取り入れて、選手強化につながればと強く思いました。
シドニーではオリンピックパークを見学し、説明を受けました。開会式を行った競技場を初め、オリンピックの選手村も含めて、シドニーオリンピックはパッケージで行われたわけですが、その跡地利用をどうやって進めているかと思いましたが、大変に立派にやっておられました。ただこれをそのまま日本に持って来られるかというと、やはり大分状況が違うなと思いました。オーストラリアの場合は、シドニーの市街地からそんなに遠くないところにも土地が広大にあり、広い土地を十分活用して、オリンピックが終わってからも、そのオリンピックで使ったものを核として、新たな宅地や、ホテル等、様々な再開発をこれからも進めるということですが、東京の場合、お台場周辺といっても、そんなに再開発する土地もなく、制約もあり、ちょっと背景が違うなという印象は受けましたが、進める中で興味を引いたのが、例えば開会式を行ったメーンスタジアムは、州政府が民間に貸出し、民間がそれをリースで借受け、様々なスポーツイベント、ラグビー、サッカー、オーストラリアンフットボールとか、また、ロックコンサート等、そういうものをリースを受けた民間業者がやってちゃんと利益を出すというように、民間にリースし貸出すというようなこともされていました。日本と形態が違うので、どこまでできるかということはありますが、大変興味深いやり方をしているなと思いました。それから2019年ラグビーワールドカップもあるので、オーストラリアのラグビー協会も訪れ、プルバー会長とも色々お話させていただきました。やはり色々課題として言われたのは、例えば輸送の問題や、スタジアムの近く、やはり30分程度のところで練習、トレーニングができるグラウンドの確保や、宿泊の問題、こういう点が大会を成功させるに当たり一つの重要なポイントだという説明も受けました。短い日程でしたが、総じて大変参考になることが多く、2020年大会に是非生かしてまいりたいと思っております。
そして二つ目、明日福島に出張する予定です。福島で内堀知事と懇談させていただき、ジャパンパラ陸上競技大会を見学します。そして、パラリンピックやオリンピックのアスリートも参加されているということで「ふくしまスポーツフェスティバル」の視察、さらに野球、ソフトボールの会場になるあづま球場、それから被災地の様々な食材をオリンピック・パラリンピックへ提供してもらおうという中で、調達基準がありますが、GAPの認証を既に取得している果樹園などにも伺わせていただきたいと思っています。パラリンピックの成功というのが、トータルとしての東京大会の成功の鍵だと思っていますので、視察をし、その経験をさらに2020年に向けて生かしていく努力をさせていきたいと思っております。私からは長くなりましたが以上です。
2.質疑応答
(記 者)
解散総選挙についてお伺いします。安倍首相が早期解散の意向を与党幹部に伝達し、国連総会から帰ってきます本日夜以降に具体的な調整を加速させる方針です。8月に仕事人内閣として改造内閣が発足して、大臣御自身も結果を残していくことが大事だというふうにおっしゃっておりましたが、野党はまだ何も結果を残していないと反発しています。大臣も閣僚のお一人として、この早期解散の意義や狙いについて、どのようにお考えか、またこの2か月で、どのような成果を挙げたとお考えになっているか、合わせてお願いできますでしょうか。
(大 臣)
解散については総理の専権事項で、ほぼ確定的とは思いますが、私も新聞報道ベースでしか、情報を何も得ておりません。総理がアメリカから帰って25日にも記者会見するということですので、今の質問については、総理がきちんと答えられるんだと思います。この1か月半でどれぐらい成果を挙げたかという話ですが、こういう仕事は継続性が大事です。私の時から切って、そこからどれだけの成果というよりも、オリパラ大臣という立場ができてから、遠藤さん、丸川さん、続いておりますので、トータルで考えて一つの成果ということになると思います。そういう意味では、私もしっかり継続しながら積み重ねはできているんじゃないかと思っています。
(記 者)
昨日、北朝鮮情勢の緊張を受けて、フランスのスポーツ庁、フレセルスポーツ相が安全が確保されない場合は、平昌オリンピックの不参加も辞さないという言及をしましたが、主要国からこうした発言が出たのは初めてですが、こういう動きが出てきたことに関して、大臣の受け止めをお願いします。
(大 臣)
そういう報道は承知しています。そういう事実関係だけの承知であり中身はよく分かりませんが、やはりオリンピックというのは平和の祭典です。そういう安全な平和な環境の中で、選手がそれぞれ最高のパフォーマンスを発揮するということが大切なので、私の今の立場で言えば、何とか平和が保たれ、世界の多くの国々の選手が参加するということが理想だと思っています。
(記 者)
先程の解散総選挙の話に戻りますが、もしそうなった場合は、大臣御自身はどういうところが争点になるとお考えですか。
(大 臣)
やはり前回の選挙から今日に至るまでの安倍政権がやってきたことをトータルして、国民の方々が判断すると思います。そこには政策に対する判断もあると思いますし、政治姿勢が大変厳しい目を向けられている部分もいまだにあると思いますが、そういうことをトータルして、国民の皆さんが判断を下すと思います。
以上
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