平成28年9月27日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言

今日は私から特に発言はございません。

2.質疑応答

(記 者)
イギリスの外務省が、今週シャルマ政務官が訪日して大臣と会談すると発表しました。ロンドン五輪の経験を伝えて、危機管理やテロ対策のノウハウを提言するということですが、大臣からはどのようなことを特に重点的にお聞きになる予定でしょうか。
(大 臣)
既にもう私どもの中でも、政府対政府という中でロンドンオリンピックの経験についてはいろいろとお伺いをさせていただいているところでございますけれども、いよいよリオから東京へという段階に入ってまいりましたので、より具体的にどのような知見をお持ちで、特に政治的な判断等が必要な部分があるのかないのかといった点についてもよくお伺いをさせていただきたいと思います。
政府内の機関はもちろんですけれども、やはり社会にとって重要なインフラのセキュリティをどう守っていくかということも大会の運営上非常に重要な鍵になりますので、そうした民間の事業者の皆さま方とどのような協力関係を築き、また例えばどのような法律が必要であったのかどうかといった点についてもお伺いをさせていただきたいと思っております。
(記 者)
政治的判断を必要とするかどうかというのは、具体的にはどういったイメージですか。
(大 臣)
民間の事業者の皆さまには活動の自由があるわけでして、そうしたものについてどのような形でオリンピックの大会期間前から期間中にかけてご協力をいただくかという、そのレベルの問題をどう判断するかということになります。
(記 者)
昨日、組織委員会の森会長が、五輪期間中にロード系のレースが平日に行われるのを休日化する立法案を個人的な見解として明らかにしたんですが、この件について政府としての受止めを教えてください。
(大 臣)
私も改めて放送も拝見しましたし、それからカレンダーをよく見させていただきました。まだ正直言ってコースが決まっていないところも多々ございますので、あまり具体的なイメージというのは湧きにくい状況でありますけれども、少なくとも森会長がおっしゃるとおり、路上競技の開催日における都内の交通というものについては、大変心配しているところです。
先日、選手村あるいは競技場の会場建設予定地を視察した際に晴海のコンテナターミナルも見てまいりましたけれども、人の流れはもちろんですが、やはり首都東京の街中に会場が分散していて、そしてそこに物流の大動脈もあるということは非常に大きな課題であります。そうした中で市民生活や経済活動にできるだけ影響を与えない形で選手や関係者を円滑に輸送していくということは、至難の業だと思っています。特に路上競技が開催される日は一般交通に更に大きな負担がかかると考えています。
ですので、会長が言われたような路上競技の開催日を休日にするかどうかという検討に加えて、あの場でも申し上げましたが、これは国民の皆さま、それから産業界の皆さまのご理解とご協力なくしては成り立たないことです。大会期間を通しての交通総量を抑制するためにはいろいろな方法があると思いますので、これを幅広く検討する必要があると思います。物流のルートの変更をする、あるいはお盆や夏休みを前倒しでとっていただいたり期間をずらしていただく、これは法律ベースでなくて協力ベースでお願いをしていることでありますので、こうした様々な諸方策を検討する必要があると思います。
路上競技は、パラリンピックを含めますと50種目以上にわたります。これは私も今カレンダーを見ながら一生懸命想像しているところですけれども、それぞれの競技が一般交通にどの程度影響を及ぼすのか、それから休日化が必要になるのはいつなのか。実際もう土日に競技が重なっているものもありますので、こうしたものも見ながら検討は必要です。
もう一つは、休日を全国的なものにするのか、それとも都内だけの休日にするのかという考え方もあるかと思います。リオの場合は国民の休日と重なっている日もあれば、リオ市だけが休むという設定のところもございました。ですので、こうしたことを踏まえて東京都と組織委員会でまずしっかりとご検討いただく必要があろうかと考えております。この検討を踏まえて、私たちはできるバックアップは全面的にやっていきたいと思っております。是非、小池知事と森会長の間で、この点については早急に力を合わせてご検討を賜りたいと思っています。
(記 者)
もう一点、森会長は築地の跡地に五輪の駐車場、バス・車の駐車場を5千台という…。
(大 臣)
築地がもし移転すれば、そこにということですか。
(記 者)
はい、そうです、跡地に。現在、準備に非常に時間がかかれば影響が出てくるお話もされたのですが、その点に関しては。
(大 臣)
駐車場は、台数も何千台というレベルで、まだそこの最初の数は出てきていませんが、必要だということは我々も認識をしていますし、また、報道を通じて私たちは築地市場を駐車場にという森会長のご発言を伺っている状況です。
ですので、東京都と組織委員会で、まず車両の確保とあわせて駐車場の確保をどうするのかということについては、中心となって調整を進めていただいているという認識でございますので、引き続きこの調整を踏まえながら、私どもでできることは何なのかということを心づもりとして準備していきたいと思います。
(記 者)
森会長の昨日のテレビ番組のご発言に関してもう一点ちょっとお伺いしたいのですが、施設整備に関連して、千葉県とか神奈川県など、地方で行われる競技の会場を持つ自治体の施設整備に関して、国から何かお金を出すような仕掛けをつくるしかないというようなご発言をされているのですが、これは今までの、これまでも役割分担の協議の真っただ中だとは思うんですが、このご発言に関してどういうふうな受止めで、現在の検討状況なんかはどうなっているかとか、お聞かせいただければと思いますが。
(大 臣)
神奈川、千葉、埼玉、こうした地方自治体の施設の改修のあり方というのは、恐らくその自治体のお決めになるプロセスの中で、組織委員会とお話をされて、いろいろなことご御相談なさったのだと思います。ですので、一義的には開催都市である東京都が組織委員会とどういうお話をされるかということが、まだ私どもには見えておりませんので、そのことをまずしっかりご調整いただくということが重要だと思います。「基本的な考え方はこうです」ということでお示しがあったところで、私たちについては、大会を成功させるという共通の目標のために、どういう役割分担が適切なのかということを、地方自治体の関係者を含めて、協議を是非させていただきたいと思っています。
(記 者)
もう一点なんですけれども、明後日29日に、都政改革本部のほうで、五輪の調査結果を出すということなんですが、その中で調査を行っている上山教授が、組織委のあり方について、あるいは都のあり方について発表するということなんですが、政府から見て、その組織委の現在のあり方、情報公開のあり方などについては、何かお考えがありますか。
(大 臣)
森会長とお話している限りでは、「何も隠し立てすることはない」、「全てオープンにして全く構わない」という姿勢でいらっしゃいましたので、そういう姿勢で臨まれたのだと思います。
ですので、それを踏まえた上で、東京都がどうご判断なさるかということは私どもも注目をしているところです。
(記 者)
調査結果が出ると、また内容次第では役割分担の見直しというものが動き出すという可能性もあるので、その辺のご期待は。
(大 臣)
そうですね。役割分担もさることながら、私どもはやはりIOCとどういう話をこれまでしてこられて、更にどんな課題があるのかということについては、是非組織委員会から更に私どもにもお伝えいただきたいと思いますし、もう4年を切りましたので、できる限り早め早めの準備ができるような協力関係を、これからも維持していきたいと思います。