平成28年8月3日


閣議後定例記者会見


1.質疑応答

(記 者)
ご就任おめでとうございます。
(大 臣)
ありがとうございます。
(記 者)
抱負をまずお願いできればと。就任に関しての抱負をいただければ。
(大 臣)
ありがとうございます。まず、東京で2回目のオリンピックになるわけですが、私は東京選出の議員でもございますので、これまで招致に向けて様々に自分たちが取り組んできたこと、また、日本国民として私たちの親世代、あるいは少し上の先輩方がオリンピックにかけてきた、そこで抱いた夢や希望というものを、私たちが新たに次の世代と分かち合っていく、歴史に残る大会を実現したいと思っています。
そして、前職の環境大臣として福島に深く携わらせていただきましたが、とりわけ東北の被災地の復興した姿を世界の皆さまに見ていただく大変意義深い大会でもあると思います。その観点からも、被災地の皆さまにも未来への希望を感じていただける、そして日本中の皆さまにオリンピックに共感し、また分かち合っていただける大会にしたいと思っています。
(記 者)
大臣になられて、まず真っ先に取り組みたいことがあればお伺いしたいのですが。
(大 臣)
私は環境大臣の前は、ずっと厚生労働分野に携わってまいりましたので、パラリンピックの競技大会の準備状況をよく確認させていただきたいと思っています。
特に、障害者差別解消法も施行されましたので、そうしたものが社会のベースラインとなって、この大会の実現に深く関わっていると思います。厚生労働大臣も取り組まれていることと思いますけれども、今施行を受けて社会がどのような状況になっているかということは、改めてよく確認したいと思います。
(記 者)
もう一点。大臣の今までのご経験で、オリパラ大会にこういったところが生かせるというような、「私だからできること」みたいなものがありましたら、お伺いできればと思います。
(大 臣)
私には、オリンピックに挑戦するほど打ち込んだスポーツがあるわけではないのですが、小さいころに海でヨットに乗っておりました。「とても楽しい」と思って乗っていたんですね。私もそうだと思いますけれども、オリンピックをきっかけに、おそらくそういう純粋な気持ちを思い出される世代もあろうかと思います。もちろんトップアスリートが挑戦する姿というものは当然のことながら人を感動させますし、自分の人生の励みにはなると思いますけれども、そうした感動と同時に、日々の中にスポーツがある喜びをまた思い出せたらいいなと思います。もうあと4年を切りますけれども、これからそうしたことのきっかけを、教育の現場で、あるいは日々の生活や地域の生活の中で感じていただけるようなことができたらいいなと思います。
(記 者)
肝心なことをお聞きし忘れたんですけれども、今日、総理から指示を、どんな形で、どのような内容の指示がされたか、改めてお聞かせください。
(大 臣)
大変失礼いたしました。私もその点について触れるのを忘れておりましたけれども、オリンピックとパラリンピックというそれぞれの競技大会の成功に向けて5点のご指示を頂いておりました。私が今申し上げたような「多くの人々が夢と希望を分かち合える歴史に残る大会となるように」ということと、「被災地が見事に復興を成し遂げた姿を世界へ向けて発信できるよう、大会の確実な成功が必要である」ということで、以下の事項として5点挙げられております。
一つは、「基本方針に基づいて総合的かつ集中的な推進を加速化する」ということで、これについて私は「しっかり間に合うように準備しなさい」ということだと理解しました。
それから2点目として、「サイバー空間を含むセキュリティ・安全安心、輸送、外国人旅行者の受け入れの推進のため、関係大臣と連携・協力し、オールジャパンで大会の準備を着実に進める」とあります。とりわけサイバーセキュリティということは別に事務局があるわけで、それについても別途指示に書かれていますけれども、物理的な環境として安全と安心が実現できるよう関係大臣とよく連携するということが必要だと思います。我々には総合調整機能が期待されているわけですので、よく目を見張って、準備の状況がどのように進んでいるかということ、また、私たちの国が抱える課題というのは他の国と違うかもしれませんから、その点をよく見させていただきたいと思います。
それから、3点目にパラリンピックのことが挙げられております。これについては、「これまでにない最高の環境を整え、世界中の障害者の皆さまに夢を与えることができる大会となるように」ということが書かれておりまして、その通りだと思いますので、「さすが日本だ」と言っていただけるような大会にしたいと思います。そのためには、私は「心のバリアフリー」が重要だと思っています。
4点目ですが、「日本全体の祭典」とするということで、ホストタウンを推進するとございます。もうご承知のことと思いますが、またこの秋にホストタウンを改めて募集し、また公表させていただきます。「わが町が応援する国」とか「わが町が応援する選手」といった思いで、みんなが選手になったつもりで、あるいは参加国になったつもりで一緒にオリンピックを盛り上げて、また楽しんでいただけるようにしたいと思います。
5点目については、「新たに策定した計画に基づき、新国立競技場の整備を進める」ということですので、これはこのご指示に従いたいと思います。
(記 者)
ありがとうございます。もう一点だけ。今日、総理大臣が会見で、大臣の起用の理由について、東京の選出であるとか、環境政策を生かしてというようなお話とともに、「心機一転」という言葉も使われていました。東京都の知事も代わって、「リオがこれから始まる。終われば東京だ」という節目が来ているときだと思うんですけれども、総理が込められた、なぜここで心機一転かというメッセージについて、ご自身としてどう認識されているかをお示しいただければと思うんですが。
(大 臣)
正におっしゃったとおりで、「リオが終わればいよいよ東京」ということになります。世界中の注目が東京に集まる中で、どのように準備を進めていくかということは、改めて心機一転ということだと思います。これまでも前任の先輩方がいろいろなご苦労をされて準備を進めてこられたものでございますので、いよいよ限られた時間になってきたということを踏まえて、2019年のラグビーワールドカップのことも念頭に置きながら万全の体制を整えたいと思います。
(記 者)
先ほど官邸の会見でもおっしゃっていたんですが、都と組織委員会と、それと国の三者連携についてなんですが、「都が主導的な役割を果たすことだ」というふうにまずはおっしゃっておりますが、とはいえ、大臣がイニシアチブをとるといいますか、果たすべき役割というものもあると思うんですけども、そのあたり、ご自身はどのような役割を果たすべきというふうにお思いですか。
(大 臣)
私は東京の議員でございますが、東京の先輩である新都知事の誕生を見たわけでございます。先輩のお考えをしっかりお伺いをしながら連携をするということと、それから、この組織委員会の会長は私どもの大先輩と言ったら怒られるかもしれませんけれども、ずっと文教関係の政策に携わってこられて総理大臣をお務めになった先輩であります。それぞれ思い入れを持って、このオリンピックを招致し、また東京都、あるいは組織委員会の立場でそれぞれオリンピックを成功させるという一つの目標に向かって進んでいるわけですので、しっかりとその間でうまく連携が図れるような、調和を生み出す存在として仕事をしていきたいと思います。
(記 者)
今の質問の続きなんですけれども、小池都知事と協力していく上で、「できることは何でもやりたい」とおっしゃっていましたけども、もし何か具体的な案とかが現時点でありましたら教えていただきたいのですが、いかがでしょうか。
(大 臣)
都知事が「これからやりたい」とおっしゃっていることがあります。しかも、比較的短い時間軸の中で見える形をとろうとされているという認識があります。
議会は、国会と違って都の場合は決まったタイミングしかありませんので、そうしたタイミングを捉えていろいろとお考えをお示しになると思いますので、それを踏まえて私どもも取り組むということだろうと思います。