平成28年6月21日
閣議後定例記者会見
1.冒頭発言
おはようございます。
私からは、恒例ですが、今度パラリンピックのゴールボールにおいて、浦田選手ほか6名の日本代表が内定いたしました。大半はロンドンオリンピックの金メダリストでありますが、同じメダルに向かって、ぜひ頑張っていただきたいと思っています。
私からは以上です。
2.質疑応答
(記 者) 冒頭、幹事社2つお伺いさせていただきます。1つが、先週のことですけれども、ロシアのドーピングの問題で、国際陸連がロシアの資格停止処分を解除しない方針を決めまして、ロシア陸連の選手はリオオリンピックに原則出場できないこととなりました。ロシア側は反発していますけれども、この判断の御所感と東京五輪に向けたアンチ・ドーピング対策への取組みについてお願いします。
(大 臣) まず、ロシア陸連に関する国際陸上競技連盟理事会での決定については、報道等も含めて承知をしております。
オリンピックの出場については、最終的に各国のオリンピック委員会が推薦をして、それで最終的にIOCが決定をするということだと承知をしております。今回、資格停止処分を継続したということであり、それをIOCも認めるという報道がされております。最終的にIOCが決定するんですが、そうした形で話が進んでいくと思います。同時に、一部選手については出場を認める場合もありうるという報道もありますが、そういうことも含めて最終的にIOCが判断する。私たちはそれを尊重しなければならないと思っています。
アンチ・ドーピングのような国際大会におけるインテグリティに欠ける行為については、選手の体をむしばむという点だけではなくて、やはり多くのスポーツを愛する皆さま方に対する反逆行為のようなものですから、日本としましてもJADA(日本アンチ・ドーピング機構)を含めてしっかりとそうした対策を進めていきたいと思っております。
(記 者) あともう一点、今日東京の舛添都知事辞任となりますけれども、本当に重ねてになるんですけれども、受止めをお願いします。
(大 臣) 去年6月25日に私が就任して間もなく1年になりますが、就任当初の6月29日だったでしょうか、最初の調整会議のときに組織委員会の森会長から皆さまの前で「まずは東京都と国がしっかり連携をとっていただきたい。とりわけ新国立競技場を含めて、そうした連携が丁寧にできていないと物事がうまく進まない」といった話がありまして、最初の仕事が舛添知事とのいろいろな協力関係を結ぶということでありましたが、そういう意味では大変感慨深いものもあります。
ただ、最終的に都議会、都民の皆さまの判断を受けて、そして舛添知事が政治家として判断・決断されたわけですから、それは尊重したいと思っております。舛添知事は今日で退任されるわけですが、これからもいろいろな場面でまた御活躍をいただきたいと思っております。
(記 者) 今の舛添知事の関連で、本日退任されるということで、後任はまたこれから選挙が始まりますけれども、五輪に関連して後任の方にはこういう方になっていただきたい、あるいはこういうことで協力ができたらいいなということが何かございましたらお願いできますか。
(大 臣) 都知事はオリンピック・パラリンピックだけではなくて、世界でも有数の都市である東京都の舵取り役ですから、まさに都政全般にわたって都民の皆さまの信頼を得て、そして都民の皆さまと一体となって活動できる、そして東京都が飛躍・躍進できる、そうしたリーダーシップを発揮できる人に是非なっていただきたいと思っております。とりわけ当面2020年の東京オリンピック・パラリンピックは世界でも最大のイベントでありますし、東京都のみならず日本全体の大きなイベントでありますから、そういう意味でも東京都民の皆さま方が信頼し、なおかつ、これは組織委員会の森会長、そして政府一体となってやらなければなりませんが、一緒になって日本全体でそうしたすばらしい大会にできるよう、皆さまをリードし、そして皆さまの協力を得られる、そういう人に是非なっていただきたいと思っております。
(記 者) 明日参議院選挙が公示されます。改めてどういったところが争点になるか、大臣の御所見をお伺いしたいんですけれども、いわゆる争点の一つとしてアベノミクスの成功・失敗ということが挙げられていますけれども、こういった中でオリンピック・パラリンピックというのが成長戦略の中の大きな柱でもあるかと思うんですけれども、そういった意味でも今度の参議院選で何が問われるか、お考えをお伺いできますか。
(大 臣) 私はやはり大きな争点の一つは経済だと思います。その中で当然アベノミクスについて成功している、あるいは成功していないといういろいろな議論がありますが、例えば先週だったか先々週だったか、ちょっと今はっきりしませんが、数十年ぶりに沖縄を含めて日本全体の都道府県の有効求人倍率が1を超えたということであります。雇用があるというのは、それだけ経済が活性化して動いているという証だと思っております。そういう意味では、アベノミクスは間違いなく成功すると思っております。ただ、これは私の地元の山形もそうですが、どうしてもそうした利益というのは最初は特定の部分に行って、そしてそれが少しずつ地方に浸透していくということでありますから、そういう面を考えると、なおさらアベノミクスをしっかり継続させて、そして地方の隅々まで浸透できる、そういう取組みをしていかなければなりません。そのためには、まずは政治が安定していなければならないわけですから、今回の選挙をしっかり勝ち抜いて、山形もそうですが、全国津々浦々そうした経済の活性化を図っていく、これが第一だと思っています。
もう一つは、やはり少子高齢化社会を迎えて、高齢者の皆さまへの社会保障、医療・年金・介護が重要です。社会保障のための消費税が先送りになりましたので、財源の問題があって全てが予定どおりという形ではなかなかかいかないと思っておりますが、ただ私の地元のいろんな皆さま方と話をしておりますと、特に高齢者の皆さま方が医療・年金・介護の安心化を求めているということでしたので、そういうことを考えますと、財源を含めてどのような施策をやってくかということも大きな争点だと思っております。
(記 者) 関連しまして、アベノミクスに関しては成長戦略が見えてこないと言われている中で、先ほど申し上げましたがオリンピック・パラリンピックも大きな柱を担っているかと思いますけれども、担当大臣として、この点アベノミクスに現状、オリンピックがどれぐらい貢献しているのか、あるいはその今後の見通しはいかがなものか、この辺はいかがでしょうか。
(大 臣) 今から3年前の9月7日に東京招致が決定して、そして私は日本に戻ってきたわけですが、それから数カ月間、多くの皆さま方から「日本が元気になってきた」、「先行きの方向性が見えてきた」といった評価をいただいておりますし、それに伴って、いろいろな民間企業の目標の中に「2020年に向けての…」あるいは「2020年にこうした社会をつくっていく」という文言も出てきました。今日のどこかの新聞に出ておりましたけれども、3Dを使った評価のシステムや認証システムなど、オリンピック・パラリンピックをきっかけにして世界最先端の技術をつくろうという機運も出てきています。そういう意味でも、まさに大きな成長戦略の一つになっていると思います。
そして、もう一つは、観光産業に対する影響が大変大きいと思います。2013年にはインバウンドで1,000万人、2014年には1,350万人、そして昨年は1,973万人だったと思いますが、計算の仕方はいろいろありますが、よく使われる「1人20万円ぐらいの経済効果がある」ということでありますと、2014年だけでおよそ7,000億円、2015年度は海外からおよそ2兆円の追加での国内の利益を生み出します。今官邸での会議等では、2020年に4,000万人といった試算をしておりますが、2014年から2020年まで、そうした数字をずっと累積していくと20数兆円の金が海外から日本に追加で落ちていくわけですので、そういう意味でも大きな経済効果があると思っております。
それはただ単に海外の皆さまが来るということだけではなくて、それに伴って、これはオリンピック・パラリンピックの重要なポイントでありますが、文化プログラム等を通じて、全国各地の伝統工芸あるいは神社仏閣等の認識を含めて、日本のよさ、あるいは日本の文化芸術等の評価を上げていき、それが結果的に経済効果を生み出していく、そのような相乗効果として大変大きなものがあるんだろうと思っています。
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