平成28年6月2日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言

どうも御苦労さまでございます。国会中大変でしたが、御苦労さまでございました。
私のほうから簡単に。リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックに、新たにオリンピックのウエイトリフティング選手の5選手が、それから馬術においては4選手が、そしてパラリンピックの車いすテニスにおいては国枝慎吾選手ほか9選手が内定し、また、パラリンピックのローイングにおいて2選手が、代表に内定いたしました。これからもしっかりと練習に励んで、すばらしい成果を上げていただきたいと期待しております。
私のほうからは以上であります

2.質疑応答

(記 者)
幹事から2問お伺いさせていただきます。まず一点目は、昨日安倍総理が、消費税の10%引上げ時期について2年半先延ばしにするということを表明されました。その決断について、閣僚の一員としてどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
(大 臣)
昨日の記者会見において大変丁寧に、消費税率10%の引上げについて30か月延期されることを説明されました。閣僚の一人として総理の判断に従ってまいります。
(記 者)
もう一点は、現在開催中のIOCの理事会の関係で。1日に、追加種目の関係でパッケージ案が理事会において支持されたということです。危惧されていた野球・ソフトボールに関しても、パッケージ案ということでそのまま総会に諮られるということになりましたけれども、その受け止めについてお願いします。
(大 臣)
大会組織委員会が、5競技18種目をパッケージとして提案しておりましたが、それが支持されて、そのままパッケージとして8月のIOC総会に諮られることになったとうかがいました。まずは第一歩、第一関門を通過したと大変喜んでおります。
特に野球については、あるいはソフトボールについてもそうですが、世界的な広がりから見るとなかなか少ない部分もありますし、また、これまでいろいろな取組をされたようでありますが、特に野球については大リーグの選手が出ないのではないかと、今もってまだ大リーグの出場はなかなかはっきりしないという状況ですから、そうした中で大変苦労されたということでありますが、今回パッケージとして提案されるということですから、まさに可能性が強くなったのではないかという思いで喜んでおります。
当然これまでも復興オリンピックだということで、もし野球・ソフトボール等の開催が決定し、そして予選が日本に来ることになれば、是非復興地域で開催していただきたいということを、組織委員会の森会長もですが、去年の10月にはバッハ会長にも直接お願いいたしましたし、またコーツ調整委員長とギラディ副委員長にはこれまでも数多くお会いしておりますが、そのたびに「是非福島で」「被災地で」というお願いをしております。地方開催については今回触れられておりませんから、決して予断を許さないわけでありますが、しかし少なくとも今の段階で努力をできると思っておりますので、大変うれしく思っております。
(記 者)
消費増税の関係でお伺いいたします。今回、30か月の延期ということで19年10月、オリンピック直前に、今度は引上げの時期が参ります。首相あるいは首相周辺の意見としては、このころにはオリンピック・パラリンピックの景気浮揚効果が随分強く出てくるだろうから、次は延期せずに済むだろうという観測もあるわけですけれども、大臣として、この東京五輪が日本経済を今後牽引する力が期待されていることについて、どういうふうに思っていらっしゃるか、この辺の所感を伺えますか。
(大 臣)
19年度等々については、総理の判断でありますから私からコメントすることではありません。ただ2013年9月7日に東京と決まって、そしてその後日本に戻ってきて、それからいろいろな2020年大会の成功に向けて取組をしているわけでありますが、やっぱり国内の皆さま方の雰囲気が変わったと思っております。ですから三本の矢の最後、成長戦略はなかなかそう簡単なことではありませんが、この成長戦略の一つとして大きく寄与したものだと認識しております。
もちろんまだまだこれから取り組まなければなりませんが、日本の伝統文化あるいは芸術の発信という観点、そして国内隅々までオリンピックを広げていって地域活性化にもつながっていく、また復興オリンピックの観点から復興地域の復旧・復興の促進といった観点にもつながってきますし、政府のいろいろなこれからの政策の進め方の目標時期、あるいは企業の一つのターニングポイントといいますか、一つの政策の目標時期についても大半に「2020年」という記載がされておりますから、そういう意味でも大きな経済的な価値があったのだろうと思っております。
また、観光客・インバウンドも2013年には1,000万人、それが昨年はもう既に2,000万人近い皆さま方においでいただいておりますし、先日の官邸における政府の観光関係の会議におきましても、2020年には4,000万人ぐらいの期待ができるのではないかと言われています。ちなみに1,000万人増えれば2兆円の外貨収入が現実に起きるわけでありますから、4,000万まで行かなくても例えば3,000万とか3,500万とかでも、これを積算していくと単純に2013年からで20兆円か25兆円の外貨収入が国内に落ちるわけです。そういう意味でも大変大きな経済効果があるのではないだろうかと思います。ただ、企業の皆さま方が例えばIT問題、それから自動運転の車だとか、あるいは水素社会だとか、いろいろな取組をされていますので、そうしたことは必ずや次の時代の日本の経済の起爆剤となるだろうという思いでおります。そういう意味でもしっかりと皆さまに頑張っていただきたいと思っておりますし、本当に大きな効果があるのだろうと思っております。
(記 者)
オリンピックの野球の会場の件でお伺いしたいんですが、大臣が以前から何とか実現をというふうにおっしゃっていた、福島県での開催の可能性についてのお話なんですけれども、今現在、会場計画については組織委員会が検討を進めている段階だと思うんですが、被災地での開催ということの実現に向けて大臣は、何がネックになるというふうに、何とか実現するために何がポイントになるというふうにお考えかということと、これまでIOCの幹部と何度か福島、被災地での開催について要望してきたということですが、IOC側の受け止めといいますか反応というのは、この件に関してはどのようなものが多かったのかということを、教えていただけますでしょうか。
(大 臣)
これまでお話をさせていただいた中で一番大きいのは、開催地が拡散すると当然経費もかかりますし、それからセキュリティの問題といったことを考えますと、アジェンダ2020で「少しは今までの施設を使って…」といった記載があり、必ずしもコンパクトでなくていいですよと言いながらもやはり経費が拡大する、そしてとりわけまたセキュリティの問題などがあるということで、どうしても開催をする責任者からすれば、コンパクトな形のほうが望ましいわけで、そこを新しい地域にというのはかなり抵抗があるのだろうと思います。
ただ、私たちにとりましても復興オリンピックというのは一つの今回の命題でもありますし、何とか実現していただきたいと思っています。そういう意味でも今回具体的な場所については議論されているわけではありませんから、これは正式に8月に決まった上で開催地が更に検討されるということだと思いますが、それにしてもまずは一歩前進と、第一関門を通過したと思っております。なお、森会長もご存知でいらっしゃいますが、これからもいろいろな形で御努力いただけるんだろうと期待しております。
(記 者)
よろしいですか。選挙関連で申し訳ないです。昨日の総理の会期終了の記者会見の際に、参議院選挙の目標に関して改選の過半数という要件がございました。これに際しては激戦区、一人区での勝敗が鍵を握るかと思いますけれども、大臣、御地元の山形もいわゆる激戦区というふうになっていますが、大臣としてこの後、参議院選挙に向けてどういうふうに取り組んでいかれるか、また、この改選過半数という目標に関しての所感をお聞かせください。
(大 臣)
これは政府の責任ある立場である総理大臣が過半数を目指されましたら、当然私も含む閣僚としては共有しているわけでありますが、トータルとしてはそういうことであったとしても、それぞれの選挙区が何としても勝ち抜いていこうということだと思います。
私の選挙区は、ご存知のように前回、31の小選挙区の中で最後に当選が決まったという選挙区でもありますし、また相手候補は今度で4回目の出馬で、かつて現職でもありましたし、知名度の差もあります。それから東北は、今回福島県以外は農協のいわゆる農政連の推薦がなくて自主投票だということになっております。逆に山形県については、前回の選挙では農政連は相手候補を推薦していたわけですので、そういう意味では自主投票というのは大きな一歩前進ですし、ましてや私たちの候補者は農協関係、農業団体からの候補者でありますから、大変進めやすくなったという意味では、全体としての流れはいいと思っております。
あとは4回目と初めての人の知名度の差を、どれだけ自民党として、あるいは公明党の皆さまの支援を頂いて、しっかり連携をしてやっていけるかということだと思っておりますから、ここは県連会長の立場としては何としても勝ち抜いていきたいなと思っております。
(記 者)
すみません、野球の件でもう一点お伺いしたいんですが、組織委員会の森会長が、8月のIOC総会で確実な承認を目指すためには、アメリカの大リーグトップ選手の参加というところを、実現に向けて努力しなければいけないというふうに強調されていて、その中で日本の球界がもっと主体的に大リーグ機構側なりに働きかけるなり、オーナー会議に働きかけるなり、もっと取り組むべきではないかということをここ最近おっしゃっているんですけれども、日本の球界の取組、今後こういう取組が必要ではないかというこの点に関して大臣、何かお考えがあれば伺いたいんですが。
(大 臣)
昨年の暮れにWBCの今のオーナー、まだ当時は副会長か何かだったと思いますが、日本に来られましたときに私も1回お会いして、是非やっぱり大リーグに入ってもらえるなら、より招致・大会開催が可能な確率が高まるという話をしたのですが、残念ながら明快な返事はありませんでした。その後も森会長あるいは今の関係者の皆さま方が、大リーグ機構等にいろいろお願いをしているようでありますが、なかなかいい返事が出てきていないというのが事実だと思います。
そういう意味で、交流のある日本のプロ野球機構の皆さま方は「日本でどうしても野球をやりたい」という要望を持っていらっしゃるわけですから、組織委員会や国が努力するのはもちろんでありますが、どうしても開催したいという強い思いを持っていらっしゃるプロ野球関係者の皆さまに、そうした一層の働きかけをしていただきたいというのが森会長の本意だと思いますし、それは私も同じ思いです。