平成28年3月8日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言

おはようございます。
まず、私から報告させていただきます。3月3日に開催されました東京オリンピック・パラリンピック調整会議において、私のもとに2020年東京大会の聖火台に関する検討チームを置くことを決定いたしましたが、本日付で私を議長としてワーキング・チームが正式に発足いたしました。
このワーキング・チームは、IOCルールあるいは新国立競技場の技術提案との関係等を踏まえて、2020年東京大会の聖火台の設置場所に係る基本的な考え方を整理することを目的としております。ワーキング・チームのメンバーは、調整会議の構成員であります組織委員会、国―国の中には内閣官房とスポーツ庁が入りますが―東京都、JOC、JPC、そして新国立競技場整備事業の発注者でありますJSCの事務レベルとしています。スケジュールとしては、今週11日金曜日に第1回会合を開催し、その後も議論を重ねて、4月下旬には取りまとめを行い調整会議に報告したいと考えております。
もう一点、新たにリオデジャネイロ大会の出場の報告をさせていただきます。まず一つは、シンクロナイズド・スイミングのオリンピック最終予選で日本は、8人で泳ぐ「チーム」において2位となり、リオ大会出場権を獲得いたしました。また、代表選考を兼ねた障害者競泳の春季静岡記録会が開催され、男子12名、女子7名の代表が内定いたしました。それぞれこれからも研鑽をされてリオの大会ですばらしい成績を上げられ、そして2020年大会に、その盛り上がりを引き継いでいただけるよう期待しております。
以上であります。

2.質疑応答

(記 者)
幹事社です。2問質問させていただきます。
まず、1点目なんですけれども、今ありました聖火台の件ですが、ワーキング・チーム発足ということですけれども、どのような透明性を図って今後議論していくかということと、費用負担については大臣としてはどのようにお考えになっているのか、今考えていることがありましたらお願いいたします。
(大 臣)
まず透明性につきましては、議論をする段階で当然有識者の意見も聞かなきゃなりませんが、その意見を聞いた上で議事内容等を後でブリーフ等させていただきたいと思っております。
(記 者)
費用負担については。
(大 臣)
費用負担につきましては、当然いろいろ議論する中で検討しなければなりませんが、少なくともまずはどこに設置するかということが大事であって、費用についてはそれから先の話です。この関係についてロンドンとかいろいろなセレモニーを見ましたけれども、いろいろなやり方がありますから、そのやり方によって費用が変わってきます。費用についてはどのようなセレモニーの中でどのようにやるかを考えながら決めていく必要があると思っております。
(記 者)
2点目ですけれども、昨日女子サッカーのなでしこジャパンが、残り1試合ありますけれども、正式にリオデジャネイロ五輪に出場できないということが決定しました。リオ五輪でメダル候補として有力候補に挙げられていた中での残念な結果ではあるんですけれども、2020年に向けて世代交代の難しさを印象づけた形にはなったと思うんですけれども、大臣としての御所感をお願いいたします。
(大 臣)
大変残念に思っております。ロンドン大会では銀メダル、そしてその前のワールドカップでは優勝し、その後のワールドカップでも準優勝と、すばらしい成績を上げてこられましたので、当然リオデジャネイロ大会でも期待をしておりましたが、やはりチームを作って、そしてそれを長年維持していくのは難しいんだなと思いました。どんな種目でもそうですが、波もありますし、そして今回見ていて選手を代えるということの難しさを感じました。どうしても経験豊富な人を使わざるを得ない部分もありますし、そういう意味でも佐々木監督は大変御苦労されたんだろうと思っております。しかし、あれだけの成績を残してこられたというのは、日本のサッカー界のみならず世界のサッカー界そして日本のスポーツ界において、大変功績があったわけでありますから、監督あるいは選手の皆さんに、これまでの活躍について大変敬意を表したい、感謝したいと思っております。
(記 者)
冒頭御発言のあった聖火台の関係で1点だけ。大臣の御発言の中で、基本的な考え方をこのワーキング・チームで整理するとありましたが、整理する考え方の主な内容を改めて確認させていただけますでしょうか。
(大 臣)
当然、前にも申し上げましたように、具体的な設置の場所あるいは点火の仕方とかそういうことは、セレモニーの大変大きな中心となるイベントですから、サプライズ性も必要でありますし、セレモニーの全体の流れの中で考えていかなきゃならないわけですから、取りあえず今、中で点火するのか外で点火するのか、あるいはどこに設置するのか、そういう点だけは情報をお互いに共有しておく必要があるのかなと考えています。ちなみに従前のザハの案でも、セレモニーとの関係があるので聖火台に関する計画、予算の積算は措置されていませんでした。ですからそういう意味では皆さんの感覚の中では、セレモニーと関連するので、そこはその段階できっちり整理しようというふうなことだったんだと思います。ですから今回は、少なくとも当面必要な点火の場所は中なのか外なのか、あるいは設置するときに中なのか外なのか、そういうことだけ整理しておけばいいと思っております。
(記 者)
検討チームで基本的な考え方を詰めた後で調整会議に御報告されるということだったんですが、その後の具体的な設置場所等については、これは全て組織委員会が検討するというような方向になっていくんでしょうか。
(大 臣)
セレモニーについては組織委員会を中心にして考えていくということになると思います。
(記 者)
関連しまして、馳大臣が、今朝の会見の中で長野オリンピックのとき、東京ガスが寄贈したというふうなことを参考としておっしゃっていて、これも遠藤大臣のチームの参考になるんじゃないかという表現をされていましたが、こういった寄贈を募るとか民間からの協賛を得るとか、そういったことも含めてワーキング・チームでの議論の対象になっていくと理解してよろしいんでしょうか。
(大 臣)
まだそこまでは至っていません。先ほど言いましたようにセレモニーで最大のイベントですし、昨日私が夜テレビを見たときにアスリートの皆さん方から「一番印象的だったのは聖火台の点火だ」というのが数多く挙がりましたが、それは逆に言うと、かなりサプライズ性も必要でありますし、そういうことを考えると、今の段階でどのガスをどうだとか、あるいはどういう点火の仕方があるかだとかという議論はまだ早いと思います。今私たちがしなければならないのは、先ほど言いましたように点火を中でするのか外でするのか、そしてその後の設置が中なのか外なのか、これだけ整理しておけばいいと思っていますし、むしろ先ほど言いましたように、組織委員会等を中心にしてセレモニーの演出をするわけですから、そこで具体的に一つ一つ整理していけばいいと思っております。
(記 者)
そうしますと、また関連して、今大臣は点火と設置を分けてお話しになっていましたが、そうしますと事実上選択肢としては、初めから中で点火してそこに置いておくというのと、初めから外で点火して置いておくというのと、中で点火して外に移すという3パターンが、現実的な選択肢として今あり、それを決めるというふうなことでよろしいんでしょうか。
(大 臣)
トータルとして決めさせていただきます。
(記 者)
聖火台のことなんですけれども、馳大臣が今日の閣議後の会見で、森会長が怒っていることについて「何で怒っているのかというと、それは聖火台の設置場所についてトップレベルで共有すべき話なのに、JSCや組織委員会の事務方レベルで議論していたためだ」という趣旨の発言をされたんですけれども、遠藤大臣はどのようにお考えでしょうか。
(大 臣)
馳大臣がどういう発言をされたかは聞いておりませんが、森会長と馳大臣は、我々が考える以上に信頼関係がありますから、そこはお互いに、こう言ったらこう言おうかぐらいの話だろうと思っております。ふたりは大変信頼関係が厚く、余りそこについては考えておりません。
(記 者)
ちなみに今日発足したワーキング・チームについて、遠藤大臣をリーダーとしてみんなで連携をとっていかなければならないと思うんですが、どういう形で連携をとっていければと思っていますでしょうか。
(大 臣)
本来聖火台については、ザハ案のときには、組織委員会が検討していくというようなことになっているわけですが、今回白紙撤回をして、その上で新しい整備計画をつくったわけですから、関係閣僚会議の議長として私が就任しましたので、そういうのを含めて今回は引き取って検討していこうということであります。
その上で、中・外も含めていろいろと議論するときに、いろいろなこれまでの在り方、あるいはIOCの考え方等も踏まえながら検討いたしますが、先ほど言いましたように、どちらにしても今決めなきゃならないこと、どういうふうに点火をし、どういうふうにしてするかと、これだけ決めておけば、あとはむしろセレモニーに関連して決めていただければいいと思っておりますので、そんなにぎりぎり詰めなければならないということではないのかなと、きちっと整理と情報共有だけしておけばいいという思いであります。
(記 者)
遠藤大臣とか森会長、あと東京都の舛添知事は、どうしてもラグビーを想起させてしまうんですけれども、またがっちりやっていくようなお考えでしょうか。
(大 臣)
森会長と私はラグビーをやりますけれども、舛添さんはたしか陸上の選手でありました。よくラグビー関係の話で書かれるものとして「スクラムを組んで」ということがありますが、3人でしっかりスクラムを組んで、プラスもちろん馳大臣もいますし、それからJOCやJPCや皆さま方、当然発注主体のJSC、こういう皆さん方が、きっちりスクラムを組んでいけば十分に対応可能だと思っています。昨年のラグビーのワールドカップで日本のスクラムが大変称賛されましたが、そんなスクラムを組んでいきたいと思っております。
(記 者)
昨日森会長にインタビューしたときに、JSCが今回つくるときにどこからも要望を聞いていなかったとか、あるいは設置場所を決めるのは開会式の計画が決まってからだというふうに言ったことについて、JSCの卑怯な言い逃れというふうに批判していたんですけれども、それについて議長の遠藤大臣の受け止めをお願いします。
(大 臣)
その内容を詳しく聞いてはいませんので、ちょっとコメントは難しいです。こういうのは正確に聞かないと分かりませんので。