平成27年11月17日


閣議後定例記者会見

1.冒頭発言

おはようございます。遅くなりました。
私からは特段ございませんので、よろしくどうぞ。

2.質疑応答

(記者)
パリの同時テロについて一つ御質問させていただきたいんですけれども、主要20か国の声明なんかでも連携をとっていくというようなことが示されましたが、2020年に一大イベントを抱える日本にとっても、次は一方で国内の連携というのも非常にサイバーセキュリティの観点なんかからも必要になってくると思うんですけれども、そのあたりちょっと大臣のお考えをお聞かせ願えればと思います。
(大臣)
そうですね、大変脅威に感じております。特に、今回のテロの中で、サッカーのフランス対ドイツの親善試合が開催された中で、オランド大統領も観戦中だったということで、もちろん入場を拒否されたということで、その外で自爆テロがあったわけなんですが、しかし、現実にそうした会場、また要人がいる場所で狙って来ているという現状を見ると、2019年のラグビーワールドカップにしても、また、とりわけ2020年のオリンピック・パラリンピック、多くの要人もいらっしゃいますし、もし中で自爆テロをやったとすれば大変大きな被害があったと思われますし、そういう意味でも、テロ対策を改めてしっかりと対応しなきゃならないと思っております。
今後、関係機関としっかり連携を深めて、2020年の大会、また2019年のラグビーワールドカップについても全力を上げて連携を図って取り組んでいきたいと思っております。
(記者)
昨日、新国立競技場の新たな整備計画に基づく技術提案が締め切られました。具体的な内容は、今後確定した段階で公表されるということですけれども、昨日、JSCの大東理事長が、今後の目途として、再来年の年明けに着工したいというお話でした。夏に決定した整備計画だと、来年の年末を目途に請負契約という予定だったと思うんですが、これは予定は今までと変わっていないのかどうかということと、改めて予定している、IOCから求められている2020年1月までに間に合うのかどうかというあたり、そのあたりをお願いします。
(大臣)
まず、前段の質問につきましては、全く変わっておりません。来年末に建築の契約をする。これ、契約をした翌日から形の上では着工となるというふうに聞いておりますが、具体的な工事の着手は再来年の年明けになるんだろうということだと思います。様々の予定どおり契約は来年末ということで今進めておりますので、全く変わっておりません。
それから、2020年4月の予定を早めてIOCの要請する1月にということについては、まだどういう会社が応募し、そしてどういう形でこの期間進められるかについては承知しておりませんが、少なくとも評価をする段階において、この工期について最大の評価点を提示しておりますので、当然そうしたことは十分加味されて決定をされるものだと思っておりますから、日本の建築業者のレベルから考えれば十分対応してくれるものと期待をしております。
(記者)
基本方針に関してお伺いいたします。今、詰めの作業中かと思いますけれども、今朝の自民党の部会でも素案を示されたと思うのですけれども、最後どういうところまで詰めていかれて、いつごろまでに決めていきたいか、改めて伺います。
(大臣)
これまでもいろんな各地域を訪れたり、いろんな有識者の皆さんの話を聞いたりして作業を進めてきました。大体の大枠はできて、そして今日、党の部会、公明党は?
(事務局)
明後日です。
(大臣)
明後日の部会でも検討いただくとありますが、今日いただいた御意見を踏まえ、また、関係する皆さん方からの意見聴取をしておりますので、そうしたことを踏まえて、当初の予定どおり今月末までに方針を閣議決定していきたいと思っております。
今日いろいろ御意見が出たということを聞いておりますが、とりわけアンチドーピング、それからテロ対策、そうしたものには、今回のいろいろな事件等がありますから、なおさら丁寧に書き込めという意見もあったと聞いております。そうしたことを踏まえて、何よりも大会の成功が条件でありまして、前から言っております安心・安全な運営であり、あるいはメダルをしっかり確保することであり、同時にレガシーをしっかりのこす、そういうことを十分に踏まえて、組織委員会を中心にして党あるいは関係省庁、もちろん開催される地方団体、そして何よりも、これから、これまでホストシティ・タウン、これ仮称でありますが、そうした全国の隅々までの地域の皆さん方に協力をいただいて、日本全体としてのオリンピック大会、パラリンピック大会が成功するようにきちっと書き込んでいきたいと思っております。
(記者)
基本方針についてのことですけれども、テロ対策、今回の同時多発テロを受けて、何か基本方針で新たに加えようとか、今回の同時多発テロを受けての何か変更点とか、大臣の中で何か考えている部分はおありでしょうか。
(大臣)
基本方針そのものについては大きな変更点というのはないですが、やはりあれだけの事件を考えますと、もう少し丁寧にその対応について書き込んでいかなきゃならないのかなと思っております。
(記者)
あともう一つ、ヨーロッパと日本では土地柄も状況も全然違うと思うのですけれども、大きなスポーツ大会を開く上での、何か日本なりのテロを未然に防ぐ課題みたいなものはどのようにお考えになっていますか。
(大臣)
そうですね、テロについてはサイバーセキュリティもあれば、いわゆるバイオテロもありますし、今回のような自爆テロもありますし、いろんな要素のテロがありますが、どれ一つとっても大変難しい課題だと思っております。
サイバーにつきましては、私の事務を今担当していろんな話を聞かせていただいておりますが、イタチごっこといいますか、これを対応すると新たな精度の高いサイバー攻撃が入りますし、またバイオテロにつきまして、本当にドローンを使った場合に取り締まりをどうやってできるかとか、また、今回のテロのように、自爆テロをどうやって防ぐことができるのかというのが、そうたやすいことではないと思っております。ましてや日本においては、これまで大変経験がないわけでありますが、それから観光客も含めて、例えば3,000万人の皆さん方が日本に来られるとなったときに、それだけの経験がない日本ですから、どうやったらそうした知恵を識別できるかという取組についてはなおさら丁寧にしていかなきゃなりませんから、まさに各組織総力を上げてこの問題に取り組んでいきたいと思っております。
(記者)
昨日、オリンピックの組織委員会のほうで、2020年のオリンピックの追加種目の競技会場の選定を少し前倒しして、関係機関のワーキンググループも作ってそこで選んでいくというふうな発表があったのですが、既にかなり多くの自治体が追加種目の会場に名乗りを上げていて、また誘致合戦みたいな形で加熱するんじゃないかというような見方もあるのですけれども、この追加種目の会場に関して、恐らくある程度透明性を持った選考ですとかそういうことを求められるような部分もあるのではないかと思うのですが、大臣、このあたりの会場選定に当たってどういうふうに進めるべきだというふうなお考えはあるでしょうか。
(大臣)
本来、追加種目についてはまだ、来年8月のリオでのIOC総会で決定されるわけでありますから、それを受けての会場選定等が本来の形になります。ただ、先ほどありましたように、各地域いろんな思いもあって大変自分の市でとか、あるいは町でというような要望も強くなっておりますし、まだ確定を、この種目が決定したというわけではありませんが、決定した後で、時間も少ないわけでありますから、事前に前提として、もし決まったらこういうふうなことがあるよねと、そういうことを含めて大会組織委員会、IOC、IFの三者で選定するわけでありますが、具体的な会場候補や日程について検討を事前に進めていきたいと、それが必ずしも日本の形だけで決まるわけじゃなくて、あくまでもそれを前提に提示をし、そしてIFとIOCの三者によって決定されるということだと思っております。
私たちにとりましては、復興五輪だというふうなこともあって、森会長からも、バッハ会長等にお願いをしていただいておりますし、また私からも、先日ロンドンにお伺いしたときに、バッハ会長に、ぜひ、まず5種目全部採択をしてくれ、同時に、もし予選が可能であれば、復興五輪でありますし、被災地ほか地方でもというお願いはしております。ただ、皆さん方にいろんな御要望をいただいておりますが、分散をするというのは、先ほど言いましたようにセキュリティの問題とか、それから選手の移動だとか、かなり難しい問題もありますので、そこは丁寧に慎重に進めていきたいと思っております。