平成27年10月6日
閣議後定例記者会見
1.冒頭発言
おはようございます。
特段ございませんので、何かありましたらお願いいたします。
2.質疑応答
(記者) 昨日なんですけれども、プロ野球の巨人の現役選手が野球賭博に関与していたということが発覚しました。野球はオリンピックの追加種目に復帰した矢先ということで、非常に暗い影を落とすことになったんですが、この問題について大臣としての受止めをお聞かせ願えますか。
(大臣) 野球賭博に関与したということについては、報道で承知をしました。野球というのは国民的にも一番人気の高い、そしてまた幅広く活動しているスポーツでもありますし、また、子供たちにとってもあこがれの対象でもありますから、そういう意味でもスポーツの尊厳を踏みにじる大変卑劣な行為でありますから、大変遺憾に思っております。
同時に、昭和44年の「黒い霧」事件、今でも野球関係者には大変な影をまだ落としておりますが、こうした事件をプロ野球界を挙げて、八百長問題撲滅のために取り組んでこられたと承知をしておりますが、今回の行為はこうしたことを踏みにじる、大変正に遺憾な行為でありますし、厳にこれからもしっかりとした対応をしていただきたいと思っております。
(記者) プロ野球と言えば、大臣も中心になっていらっしゃるスポーツ議連でtotoへの対象拡大というのが検討されてきておりました。この問題による打撃というのは大きいと思うんですが、現時点で対象拡大への議論は一度止めるべきだというふうにお考えでしょうか。
(大臣) これは議員連盟で議論していただいていることでありますから、議員連盟で判断をされると思いますが、ただやっぱりこんな事態を受けて、この野球くじの導入というのは、なかなか今の段階では難しいだろうと思っております。
(記者) くじの導入が難しくなると、今度、新国立への財源ということでもまた大きな問題が出てくると思うんですが、そのあたりへの影響というのは大臣はどう考えていらっしゃいますか。
(大臣) 財源というのは、多様な財源が要る中で大きな要素の一つであったとは思いますが、しかし、こういう事態を受けて、なお一層多様な財源の確保に向けて取り組んでいかなければならないと思っております。
(記者) 相撲で不祥事が発覚したときには、文部科学省が法人の設立認定をした立場から強く監督指導する権限があったんですけれども、今回、スポーツ庁のほうで、調査は日本野球機構のほうで行うんですが、スポーツ庁としては事実確認すらままならないといいますか、そういった権限というのが何もないというのが現状としてあるんですが、野球というものは今後オリンピックに向けて非常に密接に国ともかかわっていくような競技になっていくと思うんですが、今後どういうふうにして、そのあたり権限といいますか、例えばこういった問題があったときに対策をしていけばいいというふうに、していかなければいけないとお考えでしょうか。
(大臣) 新しくできたスポーツ庁がしっかりと対応しなければならないと思っておりますが、それにしても過日、2020年のオリンピックの対象に日本として、是非野球を入れていただきたいと決めて、そしてIOCに要請をしたばっかりですから、それも大変残念というよりも、本当に悔しい気がします。
ただ、今、スポーツ庁と申し上げました。これは新長官だけでなくて私たちも協力をして、そして、球界の体質が正に健全で、そして国民の皆さんに支持される、ましてや子供たちにこれからもあこがれを持ってもらえる、そんな野球界に、野球界全体の責任なのかどうか、ここは具体的なことは分かりませんが、そういう野球をやってほしいと思っております。
(記者) 追加種目提案が決まったこと自体への影響、今回の事態の発覚が与える影響というのは今の時点でどのように御覧になっていますでしょうか。
(大臣) これはちょっと内容がどういうものか詳細に聞かないと判断はできませんが、少なくとも私個人としては、やっぱり国民にこれだけ人気があって、そして広く愛されているスポーツでありますから、今回も問題を正に災いを転じて福となすような形で、しっかりと球界の皆さん方が対策をしていただいて、その上で2020年にはやはり野球をやっていただければと思っております。
(記者) 別件で所掌外ではありますけれども、昨日のTPPの交渉は大筋合意しました。閣僚のお一人としてどのように合意を受け止めておられるかということを一言お願いしたいんですが。
(大臣) アトランタで行われたTPP交渉が昨日、関係閣僚会議において大筋合意したと承知をしております。この大筋合意は日本だけではなくて、アジア太平洋の未来にとって大きな成果であると私たちは受け止めております。
ただ、個々の分野につきましては、まだ詳細を聞いておりませんので、今、ここでどうのこうのということについては差し控えさせていただきたいと思います。
(記者) 内閣改造に関してお伺いいたします。前回もお聞きしましたけれども、あすにも改造が予定されておりますけれども、大臣のところに続投の御連絡はありましたか。
(大臣) 全くございません。
(記者) それはそれとしまして、いずれにしても今の第2次安倍政権での会見はこれが最後になるかと思いますけれども、大臣、ここまでの任期を振り返ってと、また次の、今度どういう方がなられるにせよオリンピック大臣に求められる仕事というのはどういうものかということをお願いします。
(大臣) 6月25日に就任して、まだ3カ月少ししかたっておりませんが、当初、就任する前、してすぐは、調整役というのは具体的にどういうふうな仕事をするのか、それは役所の皆さん方と話をして、こういう場合はこうだねとか、東京都とこういう関係をつくらなければならないとか、そんな話をしていたんですが、6月29日に2,520億円という話が調整会議であって、それを受けて東京都との調整、そして7月17日に今度は白紙撤回という、総理の大変重い決断があって、そしてさらにエンブレムの問題もありましたし、これは悪い話ではありませんが、追加種目の話もありましたし、およそ100日、何か嵐のようなときを過ごしてきたのかなと思っております。
ただ、前にも申し上げたんですが、とりわけ新国立競技場の整備計画をつくるに当たっては、職員の皆さん方がお盆休みも土日もなく、本当に夜中まで毎日頑張っていただいて、ああいう仕事をしていただいたと。同時に、その推進室だけではなくて、今日ここに芦立さんなんかもいらっしゃいますが、事務局の皆さん方も関係各省から集まってきたので、最初は融和がうまくいくのかというふうなことがあったんだろうと思いますが、正に私から言うのは変ですが、チーム遠藤という形でみんなしっかりと補佐をしていただいたので、大変私としてはいい仕事ができたと思っております。
新しい大臣に望むのは、やっぱり2020年というのは長いようで短い、もうあと5年しかないということでありますし、その中でセキュリティあるいは暑さ対策、そうしたこれまで経験のない作業をしなければならないということ。もちろんメダルをとることもそうですし、そうした多くの課題に調整役でありますが、責任者としての気持ちを持って臨んでいただきたいということと同時に、やはりまだまだオリ・パラについて理解をしていただいていない地域も、また人もいらっしゃいますから、やはり自ら出かけていって、そして宣伝マンとして大会を盛り上げ、正に皆さんの国民の皆さんの融和を持って、力を持って成功につなげていきたいと思っております。
同時に、比較的まだ取組が自分としてできなかったと思うのは、「Sport for Tomorrow」というレガシーの感覚でありますが、国内のこれからスポーツ振興はもちろん、どれだけアジアの皆さん方へ日本のスポーツ文化を通じた貢献というものについて、なお積極的に取り組んでいただきたいと思っております。
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